2020年【ノンフィクション本屋大賞】レビュー

2020年ノンフィクション本屋大賞にノミネートされた作品を読んだので、簡単にレビューする。

数年前まで小説以外の本をほとんど読まない読書生活だったけれど、ノンフィクションを読み、真実は小説より奇なりがけっこうある事を知って、どっぷりハマっている。

今は小説より読んでいるかもしれない。

 

 

大賞作 『エンド・オブ・ライフ』佐々涼子(著) 

★★★☆☆ 星3つ

200名の患者を看取った看護師は、自らの死をどう受け入れたのか?

在宅での終末医療を描くノンフィクション。

医師、看護師、家族が最期の望みを叶えてくれる。

こんな最期だったらいいなぁ、と思う。

叶えられる人は多くない。

 

 

『サガレン 樺太/サハリン 境界を旅する』梯久美子(著) 

★★★★⭐︎ 星4つ

かつて、この国には〝国境線観光〟があった。

忘れられた記憶は鉄路が刻んでいた。

文学、歴史、鉄道、そして作家の業。

すべてを練り込んだ新たな紀行作品。

今まで読んだ紀行本とは一線を画する内容でした。

著者の博識さ、オタクぶりに、まさに知的の探究に出ている気分にさせてくれます。

ただの紀行文であれば、サガレンに興味ない人にとっては何もない土地に終わるような場所だと思うのですが、作者が実際に旅をして感じることが、ひらめきが、通説を覆すようなこともあって、非常に面白いです。

 

 

『女帝 小池百合子石井妙子(著) 

未読

救世主か?怪物か?

彼女の真実の姿。

 

『聖なるズー』表紙 『聖なるズー』 濱野ちひろ(著)

★★★☆☆ 星3つ

2019年第17回 開高健ノンフィクション賞受賞

動物との性愛。

禁忌の先に何がある?

性がテーマのノンフィクションは勇気がいる。自分の性に対する考えと向き合わなくてはいけないし、トラウマも蘇る。

ズーの人たちは動物たちと愛し合っているという。

筆者もズーたちと過ごし、ペットと飼い主とは別の特別な関係があるように感じとっている。

本を読んだだけでは「愛し合っている」とも「虐待だ」とも言えない難しさがある。

 

 

『つけびの村 噂が5人を殺したのか?』 高橋ユキ(著) 

★★☆☆☆ 星2つ

山口県で起こった連続殺人放火事件を追いかける迫真のルポルタージュ

真相解明に挑んではいるけど、読者が求めていた答えではなかった。

そこは著者の責任ではないけれど、本にするために蛇足が多い。

 

 

『ワイルドサイドをほっつき歩け ハマータウンのおっさんたち』 ブレイディみかこ(著) 

★★★☆☆ 星3つ

恋と離婚、失業と抵抗。

絶望している暇はない。

笑って泣ける、徳望のエッセイ集。

今のリアルなイギリス事情がわかって面白い。

 

ブレイディみかこさんは2019年本屋大賞を『ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー』が至高です!

 

※星の数は完全なる私の好み。

星5つ 感情が揺さぶられて、しばらく余韻から抜け出せない本

星4つ 関連した本、著書を読みたくなった本

星3つ 面白かった本

星2つ 納得できない、物足りなさがある本 

星1つ 嫌悪感が残った本

 

  

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