2021年8月読書記録

2021年8月の読書メーター 読んだ本の数:3冊

読んだページ数:256ページ

 

手にした本は多かったけど、最後まで読み切ったのは3冊でした。

漫画はたくさん読んでいて、完結している漫画で読破したのは1冊です。

 

■デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場 (集英社学芸単行本)

著者:河野啓 

【第18回(2020年)開高健ノンフィクション賞受賞作!】両手の指9本を失いながら〈七大陸最高峰単独無酸素〉登頂を目指した登山家・栗城史多(くりきのぶかず)氏。エベレスト登頂をインターネットで生中継することを掲げ、SNS時代の寵児と称賛を受けた。しかし、8度目の挑戦となった2018年5月21日、滑落死。35歳だった。彼はなぜ凍傷で指を失ったあともエベレストに挑み続けたのか? 最後の挑戦に、登れるはずのない最難関のルートを選んだ理由は何だったのか? 滑落死は本当に事故だったのか? そして、彼は何者だったのか。謎多き人気クライマーの心の内を、綿密な取材で解き明かす。

「単独無酸素でエベレストに挑戦する様子をインターネット中継する登山家」読む前に私が持っていた栗木史多という人物の情報はそれだけだった。

話題になった人ではあるけれど、私はテレビ番組で放送されていたのを流し見した程度で、思い入れも何もない。ノンフィクション本屋大賞にノミネートかつ開高健ノンフィクション賞受賞をしていなかったら、この本も手に取ることはなかったと思う。

栗木史多は登山家よりも起業家、エンターティナーだったという事。YouTuberに似たところもあって、企画として面白そうだったのが、たまたま学生時代に知った登山だったのではないかと思う。

途中で取材放棄しているため、結局、栗木史多とはどういう人物だったのかわからない。本人は亡くなているので、すべてが憶測でしかない。

文章は巧みで、読ませる本。でも、私はどうしても好きになれない。

今まで読んできたノンフィクションという類の本は、内容や文体の好みはあるにしても、著者の情熱を感じ取れた。取材相手や題材に真摯に向き合っているのが読み取れた。 

しかし、この本にそれが欠けていた。少なくとも私には読み取れなかった。

きっとテレビ界では常識(出版社も)なんだろう。公にする必要あるのか?と思うようなことも書かれている。栗木史多を”売れるコンテツ“として扱っているようにしか思えなかった。

それをまんまと読み切った自分が嫌になる。

 

■国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動 (文春新書)

著者:伊藤 祐靖 

新安保法制が施行され、自衛隊員の「戦死」がいよいよ現実味を帯びてきました。入隊にあたって、「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務める」と宣誓してきた隊員たちは、命令一下、「死地」に飛び込むことが求められます。
ぎりぎりの状況に置かれた隊員たちの最後の願いは、自分の死が国家、もしくは公のために役に立つことです。つまり「私」を捨てきった境地にあるからこそ、「国のために死ぬ」ことを受け入れることができるのです。
しかし、その命令が、たとえば「他の国とのお付き合いのため」に発せられたものであったり、政治家の人気取りのためのものであったりしたら、その命令は本当に「正しい」ものと言えるのでしょうか。つまり、今の日本に、自衛隊員に「死ね」と命じる資格はあるのでしょうか。
1999年の能登沖不審船事件をきっかけに創設された自衛隊初めての特殊部隊「特別警備隊」の先任小隊長として、足掛け8年にわたって部隊を率い、国防のまさに最前線にいた筆者が、「国のために死ぬこと」の意味をとことん突きつめたのが本書です。
戦前、陸軍中野学校で教育を受け、蔣介石暗殺を命じられたが果たせないまま終戦を迎えた父親、上官を「こいつ」呼ばわりしながらも、最強の戦闘員ゆえに異例の出世を遂げた陸上自衛官X、自衛隊を辞めたあと移り住んだミンダナオ島で死線をくぐりながら一緒に戦う技術を練磨した美しき女性戦士など、多彩な人物が織り成す物語は、やがてあるべき国家像をわれわれの前に見せてくれます。

「邦人奪還」が面白過ぎたので、他の著書も。

読んだ後にアフガニスタンから邦人を退避させるために自衛隊を派遣したので、何と言うかもう色々考えさせられた。

大切な「誰か」のためではなく、日本という「国」のために死ねるか。

 

■あのこは貴族 (集英社文庫

著者:山内マリコ 

映画を見たいと思ったんだけど、機会がなく、本を読んだ。

東京生まれの華子は、箱入り娘として何不自由なく育てられたが、20代後半で恋人に振られ、初めて人生の岐路に立たされてしまう。
名門女子校の同級生が次々に結婚するなか、焦ってお見合いを重ねた末に、ハンサムな弁護士「青木幸一郎」と出会う。
一方、東京で働く美紀は地方生まれの上京組。
猛勉強の末に慶應大学に入るも金欠で中退し、一時は夜の世界も経験した。
32歳で恋人ナシ、腐れ縁の「幸一郎」とのダラダラした関係に悩み中。
境遇が全く違って出会うはずのなかったふたりの女
同じ男をきっかけに彼女たちが巡り合うとき、それぞれ思いもよらない世界が拓けて――。

結婚をめぐる女たちの葛藤と解放を描く、渾身の長編小説。

女同士のドロドロ小説かと思うじゃないですか、そうじゃないのよ。

それがまたいい!

上流階級の人たちの世界が少しわかるのも(真実かどうかは別として)私的には面白かった。

日本には階級ないということになっているけれど、ありますよね。

口には出さなかったけれど、「池袋暴走事故」で国民は確信した。

階級は上げれないけど、美紀のようにステータスを上げれるのが日本。

美紀のようになれるかは容姿と運も必要ですが。

結末は正直なところ残念です。

上手い終わらせ方がなかったんだろうなぁと思う。

結末以外はわりとよかったからか、残念というか、勿体ないというか。

私は無理に二人ともハッピーエンドな終わり方にしなくてもよかったのではないかと思ってしまう。華子の性格変わりすぎですし。

 

 

ドラゴン桜

作者:三田紀房

「教えてやる!東大は簡単だ!!」常識破り、処世術。弁護士・桜木による落ちこぼれ高校の再建計画、その内容は東大合格者100人!! 日本のルールは東大を出たやつが作っている。だから……東大に入れ!! もっとも効率的な学習法を教えよう!!

ドラマ化もされた有名な漫画。

東大を目指す生徒2人、水野直美と矢島勇介は性格は正反対ですが、どちらも応援したくなるような真っ直ぐなキャラです。果たして2人は1年で東大に合格することができるのか?

受験漫画のため、当たり前ですが勉強ばかりしているシーンばかり。

それなのに面白いのが不思議。だって、英語や数学の勉強ですよ、勉強!

勉強にしろスポーツにしろ、誰かが何かに一生懸命取り組んでいる姿を見るのは、人間の本能的に好きなんでしょうね。

自己啓発要素もちょいちょいある。

この漫画の学習方法が本当に東大合格への手助けになるかは判断つきませんが、受験生を持つ親は参考になる。

失礼ながら「絵」は上手くない。

私はその絵の奇妙さに爆笑したり、恐怖を感じたりをした。

 

 

  

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