2020年7月読書記録

2020年7月に読んだ本

読んだ本の数:12冊

読んだページ数:3559ページ 

 

鍵のかかった部屋

著者:貴志 祐介 

6月に読んだ『新世界より』が非常に面白かったので、同じ著者の作品を読みたく、嵐の大野智主演でドラマ化もされた『鍵のかかった部屋』をチョイス。

映像化されるのもわかる面白さはあるけれど、オリジナリティというのか、圧倒的な世界観というのか、 『新世界より』と比べると何かが足りない。『新世界より』が良すぎて、期待さすがたのかも。防犯探偵・榎本シリーズは読まないと思う。今のところ。

元・空き巣狙いの会田は、甥が練炭自殺をしたらしい瞬間に偶然居合わせる。ドアにはサムターン錠がかかったうえ目張りまでされ、完全な密室状態。だが防犯コンサルタント(本職は泥棒!?)の榎本と弁護士の純子は、これは計画的な殺人ではないかと疑う(「鍵のかかった部屋」)。ほか、欠陥住宅の密室、舞台本番中の密室など、驚天動地の密室トリック4連発。あなたはこの密室を解き明かせるか!?防犯探偵・榎本シリーズ、第3弾。

★★☆☆☆

  

真夜中の陽だまり ルポ・夜間保育園

著者:三宅 玲子

幼い子どもを昼間に預けている私にも差し迫るものがあった。

「夜、親のいない子どもたちの多くは、待機児童にさえなれない」帯が物語っている。

認可夜間保育園はなぜ増えないのか。型破りの保育を実践する夜間保育園に密着取材。“夜の親子”を支え続ける人々の思いとは。

私は本書を読むことにより、自分の物事の見方の偏りに気づかされた。社会や政治の悪い面しか見ていなかったり、知ろうとしていなかった。ニュース、ワイドショーに踊らされてた。

★★★☆☆

真夜中の陽だまり ルポ・夜間保育園

真夜中の陽だまり ルポ・夜間保育園

 

 

発注いただきました!

著者:朝井 リョウ 

浅井リョウは同世代ということもあって応援している。新作は出来るだけチェック。

小説家って、こんなお仕事もしているのね。出版社、新聞社はわかるけど、JRA、化粧品メーカーからの依頼は意外だった。

私的には『贋作』が一番好きだった。

有名企業からの原稿依頼に直木賞作家はどう応えるのか。「これが本当のお仕事小説だ!」無理難題(!?)が並ぶ発注書→本文→解説の順で20編を収録!

★★★☆☆

発注いただきました!

発注いただきました!

 

 

聖なるズー

著者:濱野ちひろ

私には動物性愛者の概念がない。まず浮かんだのはハーレイ・ジョエル・オスメント主演映画『ぼくの神さま』のワンシーン。中学生の時に観た映画なので詳細は忘れてしまっているけど、馬だったか羊だったかの動物に思春期の男の子が性的行為をする場面が描かれていた。映画の本筋には関係はないのに、中学生の私には衝撃的で今でも印象に残っている。

しかし、それはあくまでも戦時中かつ宗教的な背景、思春期の性欲が重なった場合の特殊な行動だと思っていた。だから、本書の存在を知るまで、動物に性欲を感じる人がいるとは思いもしなかった。

性がテーマのノンフィクションは読む方にも勇気がいる。『Black Box』『セックスボランティア』も読んでいる時も読み終わった後も、何なら今もモヤモヤが続いている。本書も同様で、未だに戸惑っている。

ズーの人たちは動物たちと愛し合っているという。筆者もズーたちと過ごし、ペットと飼い主とは別の特別な関係があるように感じとっている。私は正直、本を読んだだけではそれが信用出来ない。

「悪いこと」「虐待だ」と言えるほど、私はよく知らない。

犬や馬をパートナーとする動物性愛者「ズー」。性暴力に苦しんだ経験を持つ著者は、彼らと寝食をともにしながら、人間にとって愛とは何か、暴力とは何か、考察を重ねる。そして、戸惑いつつ、希望のかけらを見出していく―。2019年第17回開高健ノンフィクション賞受賞。  

★★★☆☆

聖なるズー (集英社学芸単行本)

聖なるズー (集英社学芸単行本)

 

 

東大脳を育てる! 読み聞かせ絵本100

著者:佐藤 亮子  

今後の絵本読み聞かせの参考に。

知らない絵本、面白そうな絵本がたくさん。絵本の幅が広がって、読みたい絵本がぐんと増えた。

子どもの「読解力」をぐんぐん育てるコツがここにあります!三男一女が東大理3に合格!佐藤ママおすすめの最新セレクト絵本100冊。

★★★☆☆ 

東大脳を育てる! 読み聞かせ絵本100

東大脳を育てる! 読み聞かせ絵本100

  • 作者:佐藤 亮子
  • 発売日: 2020/04/27
  • メディア: 単行本
 

 

【第161回 芥川賞受賞作】むらさきのスカートの女

著者:今村夏子

なんとも言えない読了感。謎の女が出てくる小説は大好物なんだけどなぁ。

自分が思っている芥川賞らしい芥川賞作品だとは思った。

近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性のことが、気になって仕方のない“わたし”は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導する。 

 ★★☆☆☆

むらさきのスカートの女

むらさきのスカートの女

 

 

果糖中毒――19億人が太り過ぎの世界はどのように生まれたのか?

著者:ロバート・H・ラスティグ

健康本やダイエット本などを読んでいる人からしたら「だよねー」「薄々感づいてた」ってことが多数。だけど、暴露しちゃっても大丈夫?と思う。

悲しいことに本書を読んだからといって、果糖を断つことは簡単には出来ない。だから中毒であるのだけれど。私は飲み物から気をつけている。まずは小さな一歩、出来そうな続けられそうな範囲から。

勘違いしていたことや知らない真実もあり、読み応えあり。読んで損はない。

あなたは「誰か」に太らされている! アメリカの一流医科大学院の教授が 229の医学論文から導きだした 「食事」の正解とは?

 ★★★☆☆

  

スタンフォード大に三人の息子を合格させた 50の教育法

著者:アグネス・チャン 

佐藤亮子さんにしてもだけど、子どもへの“愛”を感じる。でもね、やっぱり庶民にはなかなか出来ないことだと私は感じた。それを行動しない言い訳にしたい。

息子3人をスタンフォード大に合格させた アグネス・チャンの子育てエッセイ。 幼児期から、大学受験まで、 生活、勉強、思春期の接し方などを余すところなく紹介。 わが子を生きる力のある グローバル人間に育てたい親必読の書。

 ★★☆☆☆

 

希望が死んだ夜に

著者:天祢 涼 

文学ユーチューバーのベルさんが紹介していて、興味を持った本。

別の世界から振ってくるのぞみの正しさは、あたしには苦痛でしかなかった。

今年になって、貧困についてのルポ、小説を少し読んでるせいかガツンときた。

次作になる『あの子の殺人計画』も読むつもり。

神奈川県川崎市で、14歳の女子中学生・冬野ネガが、同級生の春日井のぞみを殺害した容疑で逮捕された。少女は犯行を認めたが、その動機は一切語らない。何故、のぞみは殺されたのか?二人の刑事が捜査を開始すると、意外な事実が浮かび上がって―。現代社会が抱える闇を描いた、社会派青春ミステリー。

 ★★★☆☆

希望が死んだ夜に (文春文庫)

希望が死んだ夜に (文春文庫)

 

 

猫を棄てる 父親について語るとき

著者:村上 春樹  

村上春樹だから出せた本なのでは。村上春樹の名前があれば、売れるでしょー。

私はファンなので、やみつき。でも、ファンじゃない人は「で?」って感じだと思う。

早く最新短編小説『一人称単数』が読みたい。

時が忘れさせるものがあり、そして時が呼び起こすものがある。ある夏の日、僕は父親と一緒に猫を海岸に棄てに行った。歴史は過去のものではない。このことはいつか書かなくてはと、長いあいだ思っていた。―村上文学のあるルーツ。

★★☆☆☆

  

盤上の向日葵 

著者:柚月 裕子 

藤井聡太騎士はすごいですね。『3月のライオン』で得た知識しか(それもあやふや)将棋は知らないけれど、漫画の主人公より主人公らしい人が出ちゃったよーと感じで興奮しております。

『盤上の向日葵』はタイトルからわかるように将棋にまつわるミステリー。もちろん、天才棋士登場。重要な部分は奨励会にいた若い刑事が解説してくれる、将棋を知らなくても問題なく読み進めることができる。

前半はじれったいほど少しずつ話が進んでいく。私はそのもどかしさが良くて、グイグイ引き込まれていった。しかし、途中から話がどんどん加速して、リアリティさが遠のいていった。あんなに丁寧に描かれていたのに、まさかというべきか、予想通りというべきか、面白味のないオチにいきついたのが少し残念。

実業界の寵児で天才棋士――。 男は果たして殺人犯なのか! ?
さいたま市天木山山中で発見された白骨死体。唯一残された手がかりは初代菊水月作の名駒のみ。それから4ヶ月、叩き上げ刑事・石破と、かつて将棋を志した若手刑事・佐野は真冬の天童市に降り立つ。向かう先は、世紀の一戦が行われようとしている竜昇戦会場。果たしてその先で二人が目撃したものとは! ?

★★★☆☆

盤上の向日葵

盤上の向日葵

  • 作者:柚月 裕子
  • 発売日: 2017/08/18
  • メディア: 単行本
 

 

ハリー・ポッターと呪いの子 第一部・第二部: 舞台脚本 愛蔵版

著者:J.K. Rowling,Jack Thorne,John Tiffany 

 『ハリー・ポッターと死の秘宝』の19年後を描く舞台の脚本。英雄の息子であることにプレッシャーに感じるハリーの次男のアルバスを中心に描かれる時空冒険物語。

ハリーポッターは大好きだけど、脚本ということで躊躇していた本。舞台ってシーンがこんなにもコロコロ変わるもの?それに慣れてしまえば、ハリーポッターの世界に入り込むことが出来た。

よくあるスピンオフ作品。新たな敵が出てくるのかと思いきや、ヴォルデモードの再登場。ダンブルドア、スネイプもなどの人気キャラクターも。過去へ戻れる逆転時計があれば、何でもできちゃうよね。魔法の世界ずるいぞ!と思いつつ、夢中で読んでしまった。ハリーポッターは思入れのある大好きな本のでもあるから、他の本に比べ甘々評価。

★★★☆☆