2021年10月読んだ本の数:5冊
読んだページ数:695ページ
漫画読破:1冊
読書の秋!!
個人的に面白い本に出会えた月でした。
- Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章
- クララとお日さま
- 他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ
- 東大教授がおしえる やばい日本史
- ユーチューバーが消滅する未来 2028年の世界を見抜く
- ザ・ファブル
Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章
著者:ルトガー・ブレグマン
人間の本質は善である だからこそ人類は、危機を生き残れた。
上下巻の読み応えのある本。
「ホモサピエンス全史」「絶滅の人類史」が好きな私にはたまらんです。
以前読んだ「ファクトフルネス」「失敗の科学」で得た知識とも繋がって快感!
「人間が戦争をしていない時代はないし、遺伝子のせいだから戦争を無くすことは出来ない!」とずーっと何故か思い込んでいたのですが、定住生活する前は戦争をした形跡が見つかっていないと知り、単純に嬉しかった。
文化は恐ろしい。
幼児に人気のアンパンマンから大人も熱狂する(私自身も!)鬼滅の刃まで、すべて暴力で解決している。
コミュニケーション能力が異常に高い生物であるはずなのだが、話し合いで解決することはない。
手を出すのはよくないと子どもに教えているのに、プリキュアを躊躇なく見せる私の矛盾。
架空だからいい?ホントに?
同年代の著者にも好感。
かつて書いた書物の内容は不十分であることを述べている。
なかなか自分の比は認めらません。 下巻を読むのも楽しみ。
なぜ人類は生き残れたのか。民主主義や資本主義や人間性の限界を踏まえ、 いかに社会設計すべきか、どう生き延びてゆくべきかが書かれた「希望の書」。
(以下メモ ネタバレあり 注意)
第1章 あたらしい現実主義
ほとんどの人は、本質的にかなり善良だ
第2章 本当の「蠅の王」
実際に無人島に取り残された少年たちは互いに支え合った。 リアリティ番組を多く見る少女は、いじわると嘘をつくことは人生で成功するために必要だと答えがち。文化は人間の行動に影響する。 常に人の良い面、明るい面を見るようにすべきだ
第3章 ホモ・パピーの台頭
人間は脆弱になり、攻撃されやすくなり、幼く見えるようになり、脳は小さくなった。
・友好的行動 ・セロトニンとオキシトシンの増加 ・幼少期、少年期が長くなる ・外見が女性的で若い ・高いコミュニケーション能力
人間は超社会的な学習機械であり、学び、結びつき、遊ぶように生まれついている。
第4章 マーシャル大佐と銃を撃たない兵士たち
定住や農業が始まる前に戦争が起きたという証拠は見つけていない。戦争さ無限に時を遡ることはできない。それには始まりがあった。
第5章 文明の呪い
戦争が始まったのは、土地を始め、争いの原因になるものを人間が所有するようになったこと。定住するようになった人間が見知らぬ人に対して不信感を抱くようになった。 農耕文明は休みを奪い、女性に重い負担を課した
第6章 イースター島の謎
自己中心的な島民が自らの文明を破壊し尽くしたわけではない。奴隷商人とウイルスに滅ぼされた 問題だけでなく、解決策も指数関数的に成長する可能性があることに、社会は気付いてない。そうなる保証はないが、それは可能だ
第7章 「スタンフォード監獄実験」は本当か
普通の人々を放っておいても何も起きない
第8章 「ミルグラムの電気ショック実験」は本当か
自らの本質は罪深いと信じると、人は心が休まる。そう信じれば、一種の赦しが得られる。なぜなら、ほとんどの人が本質に悪人であるなら、約束も抵抗も無駄だからだ。その考えは悪の存在をうまく説明する。憎しみや身勝手さに直面しても「仕方がない、それが人間の本性だから」と自分に言い聞かすことができる。逆に、人間は本質的に善だと信じるのであれば、なぜ悪が存在するのか問わなければならない。また、約束や抵抗は価値あるものとなり、そうする義務が生じてくる。
第9章 キティの死
報道された話に真実がほとんど残っていない。 人間の本性についての私たちの見方が間違った方向に進みがちであること。ジャーナリストは、扇情的な話を売るために容易に世論を操ること。緊急事態において、いかにわたしたちは互いに頼りにできるか
クララとお日さま
著者:カズオ イシグロ
まずは一言「最高です」
『わたしを離さないで』を超えました!!
カズオイシグロ作品の中で『わたしを離さないで』が最高傑作だと勝手に思っているのですが、超えてきましたわ。
もうめちゃくちゃ面白い!!
また読みたいと思える本です。
映画化されるんじゃないのか?と今から予想。
カズオイシグロの代名詞である信頼できない語り手は AIロボット主人公のクララです。
クララは優秀なロボットではありますが、 ジョジーの家に来たばかりの頃は家庭環境、 人間の感情、登場人物の関係性を把握出来ていません。
また、物語の鍵となる向上処置についても理解していません。
そのため、クララが徐々に学習していくことで 霞んでいた物事の全貌が読者にも明確になっていきます。
このヒントの出し方、タイミングが抜群によくて、想像を膨らませながら、最後まで心地よいペースを保ちながら読み終えました。
作品全体を漂うノスタルジックな雰囲気もまた良き!!
他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ
著者:ブレイディ みかこ
“負債道徳”、ジェンダーロール、自助の精神……現代社会の様々な思い込みを解き放つ!
〈多様性の時代〉のカオスを生き抜くための本。
他者の靴を履ける人は、他者にも自分の靴を履かせる人ではなくてならない。
この言葉いいですね。
他者にも自分の靴を履かせるのは私にとってはハードルが高い。
私は著者のイギリスでの話は穏やかな気持ちで読めますが、対EU諸外国や日本の話題になると心が乱れる。
日本で「迷惑をかける」は人を嫌な気持ちにさせること、罪を犯したことの概念がミックスされて使用される。人を煩わしたくないという感覚は人にも煩わしたくないという心理の裏返し。
表層的には他者のことを慮っているように見えても、実は誰とも関わらず「ひとり」で生きていく人の集団だ。
要約してますが、図星だからなのかな?モヤモヤする。
私は嫌な気持ちをさせないようではなく、良い気持ちになって欲しいという思いも込められて使われていると思っている。
視点を変えると「ひとり」で生きる集団にはならないんじゃないかな。
目から鱗だったのが、「感情の名前を教えなさい。子供たちがいま感じているエモーションが何であるのかを説明してあげなさい」感情は子供に大人が教えるものとうこと。 本人が感情をについて知り、言語化することができるようにするため、感情を定義し、名付けていくことで、他社の感情についても自分の中で言葉に変換し理解できるようになるというのだ。 母親から「子供の感情を決めつけるのはよくない」と言われていたこともあって、真逆の考えに驚いた。
東大教授がおしえる やばい日本史
著者:本郷 和人,滝乃 みわこ,和田 ラヂヲ,横山 了一
「はじめに」を読んだだけで、この本は面白いぞ!と直感。
完全無欠の偉人なんていません。歴史上の有名人も、みんな、欠点をもったふつうの人間なんです。ふつうの人間が、歴史を作ってきたのです。
だから、歴史を知るときには、昔の人たちの長所を学ぶと同時に、かれらの欠点、やばい部分を知るのも大切です。そうすることで、歴史がぐっと身近なものになる。
中野京子さんの本を読んで、絵画からヨーロッパの歴史を読み解くのも興味深いと思ったけれど、“人”から読み解くのも面白い。
例えば、土方歳三はラブレターを親戚に送りつけてモテ自慢をしている。しかも!そのラブレターが芸者の営業メールの意味合いのものというから恥ずかしい。
ユーチューバーが消滅する未来 2028年の世界を見抜く
著者:岡田 斗司夫
ユーチューバーが消滅する未来というタイトルが衝撃的だよね。
まぁ、著者本人もユーチューバーでありますが。
私は最近になって岡田斗司夫を知った。オタク界では有名なんですね。
アニメの造詣に深く、特にジブリの考察が面白い!ちゃっかりチャンネル登録しております。
著者の予想通りYouTubeはタレント、芸人、アイドルが参入。ニッチな番組ではないと素人が生き残るのは難しそうな業界になりそう。コロナがあってより加速しましたね。
私的に恋愛の章は興味深かった。
最初はオタクだから、バーチャルとリアルの境目が消えるなんて言ってるんじゃないの?!と高を括っていたけれど。
「恋愛」イベント色の強いクリスマスやバレンタインデーに対する若者の興味は低下し、「仲間」と盛り上がるハロウィンの方が支持を集めているのは、言われてみれば確かに。
バレンタインデーは特に友達と交換や自分に高級チョコ、インスタ用に映えるチョコを買う人が増えている気がする。
バーチャルで十分というのは、BTSにハマった今の私にはすごくよくわかる。
恋愛している気分が味わえるから、妥協してまで恋人つくらなくてもいいかなぁってなる。
スマホで顔が好みの人を1日中見つめられるんだもん。自分の顔は加工できるし。
仲間と推しの誕生日やクリスマスなどのイベントを祝うのも楽しい。
ただし、人肌は恋しいのが唯一の難点。
ザ・ファブル
作者:南 勝久
殺し屋のファブルが相棒の女性と共にボスの命令で新しい人生を送る漫画。
殺しのプロの話なのになんでこんなにも笑えるのか。
アプリ「マガポケ」でシリーズ1は全巻読みんだ。
絵も上手いし、リアリティもあって、全てにおいて◎な漫画でした。
sesond contactも読むこと決定!