読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1185ページ
『ケーキの切れない非行少年たち』宮口幸治
児童精神科医である筆者は、多くの非行少年たちと出会う中で、「反省以前の子ども」が沢山いるという事実に気づく。少年院には、認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない非行少年が大勢いたが、問題の根深さは普通の学校でも同じなのだ。人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当て、困っている彼らを学校・社会生活で困らないように導く超実践的なメソッドを公開する。
私自身の想像力の欠如が露わになった。
私はなぜか健常者と障害者の区別しかないと思い込んでいた。社会的に区切っただけでその間の人たち(境界知能の人たち)がもちろん存在する。「軽度」だから、日常生活に支障がないからといって、支援が必要ではないということにはならない。当たり前のことなのに頭からすっぽり抜け落ちていた。というより、考えに及ばなかった。ものすごく反省している。
そして気になったのが、IQが高い人たちの存在。彼女ら(彼ら)からは社会や私たち(一般的なIQの人たち)がどのように見えるのだろうか。
本来は支援をされないといけない障害をもった子どもたちが、なぜ凶悪犯罪に手を染めることになったのか。著者は認知機能のトレーニングを推奨している、5分でできる「ゴクトレ」なるものだ。問題はこのメゾットを実践するにも家庭と学校と社会が子どもたちを「気にかける」必要があること。子どもの異変に気がつけば、支援なり、病院に通うなり、何か行動を移すことができる。でも、実際には「気にかけられなかった」子どもたちが犯罪を犯しているように思えてならない。我が子の認知能力を心配し、ゴクトレの情報を得て、5分の時間を割ける家庭はよい。そもそも、我が子の認知能力について気にかけるまでがいかない。「個性」「成長」という言葉でいくらでも済ませらる。
(メモ)
『非行少年の特徴5点セット+1』
・認知機能の低さ
見たり聞いたり想像する力が弱い
・感情統制の弱さ
感情をコントロールするのが苦手。すぐにキレる
・融通の利かなさ
何でも思いつきでやってしまう。予想外のことに弱い
・不適切な自己評価
自分の問題点がわからない。自信があり過ぎる、なさ過ぎる
・対人スキルの乏しさ
人とのコミュニケーションが苦手
+身体的不器用さ
力加減ができない、身体の使い方が不器用
『子どもたちが発してるサイン』
・感情コントロールが苦手ですぐカッとなる
・人とのコミュニケーションがうまくいかない
・集団行動ができない
・忘れ物が多い
・集中できない
・勉強のやる気がない
・やりたくないことをしない
・嘘をつく
・人のせいにする
・じっと座っていられない
・身体の使い方が不器用
・自信がない
・先生の注意を聞けない
・その場に応じた対応ができない
・嫌なことから逃げる
・漢字がなかなか覚えられない
・計算が苦手
サインの出し始めは小学2年生から。他にも勉強についていけない、遅刻が多い、宿題をしてこない、友だちに手をあげる、万引きをするなど。背景には知的障害や発達障害といったその子固有の問題や、家庭内での不適切養育や虐待といった環境の問題があったりする。
「知的なハンディをもった人たちは、普段生活している限りでは健常の人たちと見分けがつかない」
社会的には普通の人と区別がつかないため、要求度の高い仕事を与えられて、失敗すると避難されたり、自分のせいだと思ってしまったりする。自らも「普通」であること示そうとするので、仕事などで失敗が続いても、必要な支援の機会を失うかまたは拒否することに繋がっている
『三体Ⅲ 死神永生 上・下』 劉 慈欣
三体文明の地球侵略に対抗する「面壁計画」の裏で、若き女性エンジニア程心(チェン・シン)が発案した極秘の「階梯計画」が進行していた。目的は三体艦隊に人類のスパイを送り込むこと。程心の決断が人類の命運を揺るがす。シリーズ34万部以上を売り上げた衝撃の三部作完結!
正直な話、大筋は理解できる程度ではありますが、けっこう飛ばして読みました。特にクライマックス次元の話はちんぷんかんでした。そんな奴の感想になります。私にはSF難しい。
最終巻の主人公は程心という女性になる。この主人公が私は好かなくて、最初の登場から最後まで私の期待を裏切り続ける。いや、まぁこの主人公のミスと身勝手な行動がないと話が進まないのですが。
主人公が女性だから感情的だったり、無能に見せようとしているんじゃないかと勘繰ってしまった。けど、知的なエンジニアという設定でもあるんですよね。
同性だから嫌悪感を抱いてしまうのかと感想を検索したら、私と同じような感情を持った人がいてちょっと安心した。その感想を書いている人たちが女性の可能性がなきにしもあらず。
天明が人類に贈った物語は素敵でした。あそこだけでも絵本とかにして欲しい。
『夫のトリセツ』 黒川伊保子
話が通じない、思いやりがない、わかってくれない、とにかく気が利かない…それでも、夫をあきらめない。夫婦70年時代のバイブル!40万部突破の『妻のトリセツ』、待望の第2弾!
笑かせていただきました。
何十回(百回はいってないと思うw)と「離婚したい!」と思ってきましたが、これ読んだら馬鹿らしくなってきました。
私が離婚したい!と思うキッカケになる物事はどうやら夫と私だけではなく、ほとんどの男女の間で頻繁に起こり得ることだと知ったから。
夫のひどい一言、気が利かない態度は愛情の欠如でもなく、夫自身の個性でもなく、男らしさの副産物。
男変えても同じなんですよ、離婚したからといって解決されないんですよ。
万が一、テテ(BTS)や大谷翔平と結婚出来たとしても同じことで悩む可能性あるですよ。
だったら、結婚生活を続けながら善処していく方がいい。
著者も、私も離婚に反対はしません。下手したら夫と70年ちかく人生を共に生きるわけです。
幸せが見出せないなら離婚の選択はあると思う。
私も未来はどうなっているかわからないから、保険の意味合いもあります。
我ながらずるい。
この本には「お嫁ちゃん」もよく登場し、仲は良好のように書かれている。
あまのじゃくの性格な為、一緒に生活していてそんなわけないと思っている。
「姑のトリセツ」または「嫁のトリセツ」なるものがあったら是非とも読んでみたいですね。
(メモ)
・言ってほしいことはルール化する
気を利かせて、察して優しさをお求めるのは酷。
・夫の言葉は裏読みしない
「おかず、これだけ?」は「この鮭一切れで、ご飯2杯を食べればいいんだね?」という確認である
・夫は気が利かない
家事を手伝わないのではなく、妻の所作を認知できていないだけ
・夫に不安を解消してもらおうと思うな
・朝からやったことを列挙して泣く
妻がどんなに身を扮しているかわかっていない