「何者」朝井リョウ
旅行中に読むものがなくなり、退屈そうな私に渡された1冊。
自分で買うことはない本。
退屈しのぎに読んだ本にはずなのに数ヶ月経った今でも頭の中から離れない。
SNSを日常に使う人にはイタイと思う。
あらすじ
就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて・・・・・。
ほんとうにたいせつなことは、ツイッターにもフェイスブックにもメールにも、どこにも書かない。
ほんとうに訴えたいことは、そんなところで発信して返信をもらって、それで満足するようなこではない。
感想
フェイスブック、インスタの世界がその人のリアルではない。
生活のごく一部、キラキラした一部を見せているに過ぎない。
冴えない自分を向き合えない私は何度もネットで自分を偽ろうとする。
現実が充実している私の知り合いはSNSをしない。
ネットは自分の現実ではないとわかっているのだ。
朝井リョウは私と同世代作家。単純だが応援したい。
日本アカデミー賞3冠映画「桐島、部活やめるってよ」を観て、面白いと思ったきり、原作の本は読んでいなかった。
サラリーマン兼業していたこともあるからか、現代の若者がおかれた状況がとてもリアルだと思う。
「何者」のアナザーストーリー「何様」が気になっている。