【東洋医学】31歳の独身女性の主人公。仕事も恋愛もストレスだらけの時代だからこそ『漢方小説』中島たい子

病院に行くと自分の病名が知りたい。で、いつ治るの?薬は? 

病は気から。薬を飲めば治る気がする。

病名は謎。薬を出しとけばいいと思われている。

「西洋医学では『この病気には、この薬』ですが、東洋医学では『病気にかかっているあなたはこういう人だから、この薬』という治療をします。その『こういう』が証です」

東洋医学では病気を治す考えだけど、東洋医学は身体の乱れを整えるという考え方。バランスが崩れるから、身体に変化が起きる。そう言われるとしっくりくる。

いつから世の中にストレスという言葉が浸透したのか

どうにもはっきりしない曖昧な症状。吹き出物が顔中に出来たときにストレスが原因と言われた。吹き出物が突然できるほどのストレスが思いつかなかった。人は誰しも少なからずストレスを抱えて生きているような気がする・・・。ストレスって何だ?

「だから強いてつけるとしたら、あなたの病名は『色々なところが弱い』というあなただけの病気です」

「・・・・・私だけの病気」

わたしはその言葉をくり返した。不思議な響きだった。

「ま、時間をかけて治していきましょう」

何でもかんでも「ストレスありますか?」と質問され、何でもかんでもストレスが原因にされがち。「ストレス発散してください」いや、その発散が上手くできないから病院に来ているわけで。その無駄なやり取りがないだけでもいいなぁ、と主人公と同じように思った。

漢方小説 (集英社文庫 な 45-1)

漢方小説 (集英社文庫 な 45-1)

 

 内容紹介

みのり、31歳、独身。

元カレが結婚すると知ったその日から、原因不明のふるえに襲われた。

病院でも異常は見つからない。

行き着いた先は漢方診療所。独特の視点を持つ東洋医学に戸惑いながらも、自分に何が起きているのか答を探していく、みのり。

症状…失恋?

ストレスに効くあなたのための処方箋(ストーリー)

第28回(2004年) すばる文学賞受賞

お気に入り度 星2つ ★★☆

漢方は少年漫画に出てきそうな考え方(良い意味ね!)だと思った。

 

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