【翻訳ライブラリー】謎めいた短編集『愛について語るときに我々の語ること』レイモンド・カーヴァー/村上春樹翻訳

レイモンド・カーヴァーの短編集は何冊か読んだことがある。『愛について語るとき我々の語ること』をまた読もうと思ったキッカケは、自分の中で村上春樹ブームというのもあるし、先日見て面白いと思った映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』の主人公にとって重要な本になるからだ。

全体的に暗く、闇が漂っているような雰囲気の短編集。私は解題を読みながら読み進めていった。終わり方は謎だし、タイトルの意味は不明。正直、そうでもしないと読み終えれなかったと思う。読むキッカケになったということもあって、『愛について語るとき我々の語ること』が一番印象に残った。

我々は愛についていったい何を知っているだろうか?

(省略)

そのときの愛はいったいどうなってしまったんだろう?

(省略)

僕らが語りあっているこんな愛もすべて、ただの思い出になってしまうだろう。あるいは思い出にすらならないかもしれない。

酔っ払ったメルの話は最もで、誰もが愛について初心者で、誰もが愛について知らない。

愛について語るときに我々の語ること (村上春樹翻訳ライブラリー)

愛について語るときに我々の語ること (村上春樹翻訳ライブラリー)

 

内容紹介

その鮮やかにして大胆な文学表現で、作家カーヴァーの文学的アイデンティティをくっきりと刻印し、八〇年代アメリカの文学シーンにカルト的とも言える影響を及ぼした、転換期の傑作短篇集。

目次 

ダンスしないか?

ファインダー

ミスター・コーヒーとミスター修理屋

ガゼボ

私にはどんな小さなものも見えた

菓子袋

風呂

出かけるって女たちに言ってくるよ

デニムのあとで

足もとに流れる深い川

私の父が死んだ三番目の原因

深刻な話

静けさ

ある日常的力学

何もかもが彼にくっついていた

愛について語るときに我々の語ること

もうひとつだけ

解題 村上春樹

お気に入り度 星2つ ★★☆

映画に出てくる本って読んでみたくなる。そして、バードマンをもう一度観たくなった。

 

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【ブックガイド】読みたくなる本に出会える!小泉今日子のおすすめ本97冊『書評集』小泉今日子

キョンキョンが読んでるなら読んでみたい

私にとって小泉今日子はアイドルではなく“女優”だ。

アイドル時代を知らない世代ということもあるし、『最後から二番目の恋』『あまちゃん』など好きなドラマに出演しているせいもある。

女優が薦めているものは何でも試してみたい。

それが食べ物であろうが化粧品であろうが本であろうが。

小泉今日子書評集

小泉今日子書評集

 

▼内容紹介

2005年~2014年まで、「読売新聞」読書欄に掲載された書評、97本を収録。 小説、ノンフィクション、エッセイからコミックまで――あのベストセラーや話題の本、 そして独自の感性が掬い上げた名本たちを、唯一無二の視線で紹介する。 取り上げた本、一冊一冊に対する現時点でのコメントと、特別インタビュー 「読書委員の十年間を振り返って」を、新たに収録。

 

 

 

▼目次 

2005

しゃぼん/吉川トリコ

沢村貞子という人/山﨑洋子

野ブタ。をプロデュース白岩玄

もてなしの心 赤坂「津やま」東京の味と人情/野地秩嘉

となり町戦争/三崎亜記

さくら/西加奈子

人生ベストテン/角田光代

イソップ株式会社/井上ひさし

ポーの話/いしいしんじ

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン/リリー・フランキー

ふたりの山小屋だより/岸田衿子、岸田京子

夏の吐息/小池真理子

一千一秒の日々/島本理生

白骨花図鑑/甘糟幸子

プーさんの鼻/俵万智

ワルボロ/ゲッツ板谷

2006

クワイエットルームにようこそ松尾スズキ

それにつけても今朝の骨肉/工藤美代子

わたしのマトカ/片桐はいり

黒猫ひじき/西村玲子

ミーナの行進/小川洋子

本を読む私/華恵

銀の犬/光原百合

夕子ちゃんの近道/長嶋有

八月の路上に捨てる/伊藤たかみ

2007

空と海のであう場所/小手鞠るい

一瞬の風になれ/佐藤多佳子

均ちゃんの失踪/中島京子

夢を与える/綿矢りさ

無銭優雅/山田詠美

恋って苦しんだよね/永沢光雄

オバハン流 旅のつくり方/吉永みち子

お月さん/桐江キミコ

頭のうちどころが悪かった熊の話/安東みきえ

建てて、いい?/中島たい子

鹿男あをによし万城目学

おいしい庭/筒井ともみ

赤い蝋燭と人魚/小川未明

がらくた/江國香織

猫鳴り/沼田まほかる

2008

二つの月の記憶/岸田今日子

健康の味/南伸坊

かもめの日/黒川創

変愛小説集/岸本佐知子編訳

百鬼夜行抄今市子

ラン/森絵都

アカベラ/山本文緒

2009

悼む人/天童荒太

ロードムービー辻村深月

枝付き干し葡萄とワイングラス/椰月美智子

宵山万華鏡/森見登美彦

パーマメント野ばら/西原理恵子

昭和二十年夏、僕は兵士だった/梯久美子

アミダサマ/沼田まほかる

2010

ロスト・トレイン/中村弦

四十九日のレシピ伊吹有喜

桐島、部活やめるってよ朝井リョウ

ほしいものはなんですか?/益田ミリ

サラの鍵/タチアド・ド・ロネ

十二人の手紙/井上ひさし

小さいおうち/中島京子

あんじゅう/宮部みゆき

漂砂のうたう木内昇

2011

ツナグ/辻村深月

木暮荘物語/三浦しをん

テコちゃんの時間/久世朋子

ピエタ大島真寿美

真夜中のパン屋さん/大沼紀子

想い出あずかります/吉野万理子

私の浅草/沢村貞子

言わなければよかったのに日記/深沢七郎

これからの誕生日/穂高

明日のマーチ/石田衣良

平成猿蟹合戦図/吉田修一

望月青果店小手鞠るい

2012

スウィート・ヒアアウター/よしもとばなな

きなりの雲/石田千

NOTES/尾崎豊

七夜物語/川上弘美

オートバイ/A・ピエイール・ド・マンディアルグ

愛のバルコニー/荒木経惟

人間仮免中卯月妙子

2013

快楽上等!/上野千鶴子湯山玲子

笑うハーレキン/道尾秀介

なでし子物語/伊吹有喜

自選 谷川俊太郎集/谷川俊太郎

鳥と雲と薬草袋/梨木香歩

のと/梅佳代

寺山修司少女詩集/寺山修司

すっぽん心中戌井昭人

2014

骨を彩る/彩瀬まる

漁師の愛人/森絵都

川の光2 タミーを救え!/松浦寿輝

たまもの/小池昌代

世界で一番美しい猫の図鑑/タムシン・ペッケラル、アストリッド・ハリソン

逢沢りく/ほしよりこ

 

 

 

▼感想

オススメ度 星2つ ★★☆

読書に対する共通点

読書家と言えるほどたくせんの本を読んでいるわけでもないし、私が選ぶ本には節操がなく雑食的で漫画なんかも多く含まれている

読んでいる本を知られるのが恥ずかしくて、「なんでもないです」と本を隠した。次に会った時、「これ、面白いから」と一冊の本をくれた。 

私と似ている読書スタイルが嬉しかった。

ちなみに「これ、面白いから」と本を渡したのは秋元康さんだ。

なんてスマートなんだ!私もいつか誰かに面白い本をスマートに渡したい。

書評は難しくない。

単純にこの本が好きというストレートな文章が並んでいた。

私が読んだことがある本も違った感じ方をしているところも面白かった。

今日の運勢として選ばれた『わかんない』という詩。

わかんなくても/みかんがあるさ/ひとつおたべよ/めがさめる

わかんなくても/やかんがあるさ/ばんちゃいっぱい/ひとやすみ

わかんなくても/じかんがあるさ/いそがばまわれ/またあした

このひらがなだけの短い一篇を読んで涙が出た。

理由はわかんない。

言葉の力、谷川俊太郎の力に驚き。

本棚に詩集を仲間入りさせようと思う。

自選 谷川俊太郎詩集 (岩波文庫)

自選 谷川俊太郎詩集 (岩波文庫)

 

 ▼関連記事

 小泉今日子さんも読んだ辻村深月さんの『ロードムービー

girl-book.hatenablog.com

 

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【映画】2018年3月に見た映画10作品を紹介

今年から見た映画も月ごとにまとめてます。

子どもが起きたり、自分が途中で寝てしまうこともあって、途切れ途切れで見ている映画が多いです。

星3つは何回見ても楽しめる作品。

星2つは面白かった作品。

星1つは残念だった作品。

TVは春休み子供向け映画を放送。今のアニメは大人も楽しめるクオリティですよね。

トイ・ストーリー』は小学生の頃に何度も繰り返し見るほど、大好きな映画。ディズニー映画で絶対面白いんだよなぁ。それを保つのはスゴイと単純に思う。

姪っ子に「人魚姫」と言っても通じませんでした。「リトル・マーメイド」と認識しているようです。ディズニー恐るべし。

『幸せをつかむ歌』

娘の離婚をきっかけに家族との絆を取り戻す

メリル・ストリープが好きなので観た。

芸の幅が広いな~と感心。

実娘と親子役というところが見所。

星2つ ★★☆

メジャーリーグ2』

野球コメディ映画

とんねるず石橋貴明が主要キャストでビビッた。

単純なネタが笑える。

これぞアメリカンコメディって感じ。

星2つ ★★☆

メジャーリーグ2 [DVD]

メジャーリーグ2 [DVD]

 

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

落ち目の俳優がブロードウェイで復活を模索する

今まで見た映画と圧倒的に違うぞ!と素人でもわかるカメラワーク。

俳優の演技力と独特な世界観であっという間に引き込まれた。

だからこそCGとストーリーはわりと平凡なのがちょっと残念。

星2つ ★★☆

ちはやふる

競技かるたに青春を懸ける高校生たち

原作は良い意味で少女漫画らしくなくて好き。

原作より恋愛要素が強めで女性向きになっている印象。

映画も上手くまとまっていて上の句だけでも十分楽しめた。

星2つ ★★☆

帰ってきたヒトラー

現代にタイムスリップしたヒトラーがモノマネ芸人として大ブレイク!

社会派コメディ映画。

ドイツが抱える問題を笑いに変えているが、笑っていいのか?

斬新な映画だと思った。

星2つ ★★☆

帰ってきたヒトラー [DVD]

帰ってきたヒトラー [DVD]

 

『何者』

恋愛、友情、就活、裏切り!これが僕たちのリアル

原作も面白いけど、映画も面白かった!

キャストも個人的にはよかった。

自分の心が痛くなるほど、入り込める言葉が散りばめられていた。

星2つ ★★☆

何者 DVD 通常版

何者 DVD 通常版

 

『アリーナ姫』

自分にできる何かを探して城から抜け出す姫

けっこう難しい内容、大人向けのアニメだと思う。

ファンタジーな内容なのに淡々と進んでいく。

哲学的な感じ。

星1つ ★☆☆

アリーテ姫 [DVD]

アリーテ姫 [DVD]

 

マイマイ新子と千年の魔法

 昭和30年の山口県を舞台に、小学3年生の少女の日常を描く

平成の私でも懐かしさを感じることが出来るのは私にも子ども時代があるから。

いつの時代も少女の頃に感じることって同じなんですね。 

となりのトトロ』に似た感じ。

星2つ ★★☆

マイマイ新子と千年の魔法 [DVD]

マイマイ新子と千年の魔法 [DVD]

 

トイストーリー3』

アンディがおもちゃ卒業!ウッディたちは託児所に寄付されることになり・・・

飽きさせない工夫があるから最後まで楽しめる。

子どもより、おもちゃを卒業した大人が感動すると思う。

思いいれのあるおもちゃを思い出しちゃう。 

星3つ ★★★

モンスターズ・ユニバーシティ

学生時代のサリーとマイクの出会い、怖がらせ屋のコンビを結成まで!

サリーとマイクのデコボココンビが最強!

二人がどんどん成長していく姿に応援してくなる。

子どもに夢を与える映画。

星3つ ★★★

 

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【アッコちゃんシリーズ第2弾】働く女子の悩みをズバッと解決『3時のアッコちゃん』柚木麻子

アッコちゃんシリーズに間違いはない

読み終わった後に必ず元気になれる短編小説、それがアッコちゃんシリーズ。働く女子のモヤモヤした悩みをズバッと解決してくれるアッコちゃんに誰もが爽快する。

いやな上司、進まない会議、押し付けられる雑用・・・積み重なる小さなストレスから仕事に面白みを見出せない人も多いはず。そんな時はアッコちゃんの少々強引なアドバイスを素直に実行してみよう。明日からきっと何かが変わるはず。

難しい言葉もなく、テンポよく進む短編小説だから、普段本を読まない人にも読みやすい内容。自分を奮い立たせてくれる自己啓発系の小説でもある。シリーズものだが、第1弾のランチのアッコちゃんを知らなくても楽しめる内容だ。

3時のアッコちゃん (双葉文庫)

3時のアッコちゃん (双葉文庫)

 

 内容紹介

アッコ女史ふたたび!

大人気の「ランチのアッコちゃん」に、待望の続編が登場!!

澤田三智子は高潮物産の契約社員として、 シャンパンのキャンペーン企画チームに入っているが、会議は停滞してうまくいかない。

そこに現れたのが黒川敦子女史、懐かしのアッコさんであった。

イギリスでティーについて学んできたというアッコさんが、お茶とお菓子で会議の進行を激変させていく。

またもやアッコさんの底知れぬ力をまざまざと見せつけられる三智子であった――。

目次 

第1話 3時のアッコちゃん

第2話 メトロのアッコちゃん

第3話 シュシュと猫

第4話 梅田駅アンダーワールド

お気に入り度 星2つ ★★☆

働く女子にオススメ!元気になる小説です!

 

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【読んだ本まとめ】2018年3月読んだ本11冊紹介

2018年3月の読書メーター

読んだ本の数:11冊

読んだページ数:2687ページ

ナイス数:36ナイス

2018年3月に読んだ本を読了日順にまとめた。

3月は村上春樹に久しぶりにどっぷり読んでいる。(4月も)

暖かくなってきて散歩がてら近くの本屋に寄ることもあり、

読みたい本がたくさん出てきて困っている。

 

 

人生が変わる哲学の教室

読了日:03月06日

著者:小川 仁志

ざっくりと哲学に触れたい初心者向け。

村上春樹の小説に“イデア”という言葉が出てくるけど、初めて意味を知った。

人生が変わる哲学の教室 (中経の文庫)
 

職業としての小説家

読了日:03月07日

著者:村上春樹

村上春樹ファンと小説家を目指している人向け。

プロフェッショナル仕事の流儀っぽい。

職業としての小説家 (新潮文庫)

職業としての小説家 (新潮文庫)

 

風の歌を聴け

読了日:03月08日

著者:村上 春樹

村上春樹デビュー作。

鼠3部作を1から読みたくなったから。

風の歌を聴け (講談社文庫)

風の歌を聴け (講談社文庫)

 

1973年のピンボール

読了日:03月12日

著者:村上 春樹

数え切れないくらい読んでいる。

短いから読みやすい。

1973年のピンボール (講談社文庫)

1973年のピンボール (講談社文庫)

 

羊をめぐる冒険(上)

読了日:03月19日

著者:村上 春樹

初めて村上春樹の小説を読む人にまずはこれを読んでみてほしい。

羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)

 

作家と一日 

読了日:03月19日

著者:吉田修一

書いている人はわりとフツーの人で安心。

作家って旅行好きなんだね。

作家と一日 (翼の王国books)

作家と一日 (翼の王国books)

 

羊をめぐる冒険(下)

読了日:03月21日

著者:村上 春樹

意味わかんないから、また読みたくなる。

クセがすごいけど、やみつき。

羊をめぐる冒険(下) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険(下) (講談社文庫)

 

すーちゃん

読了日:03月23日

著者:益田 ミリ

一人暮らし女子あるある。

アラサー独女あるある。

すーちゃん (幻冬舎文庫 ま 10-2)

すーちゃん (幻冬舎文庫 ま 10-2)

 

カンガルー日和

読了日:03月24日

著者:村上 春樹

短編集だから隙間時間に読める。

私は長編の方が好き。

カンガルー日和 (講談社文庫)

カンガルー日和 (講談社文庫)

 

みみずくは黄昏に飛びたつ

読了日:03月27日

著者:川上 未映子,村上 春樹

小説の内容から小説家としてまで質問満載。

読み応えあり。

みみずくは黄昏に飛びたつ

みみずくは黄昏に飛びたつ

 

感じる経済学 コンビニコーヒーが成功して、ドーナツがダメな理由

読了日:3月28日

著者:加谷 珪一

ニュースがちょっと面白くなった。

4月から値上げ商品で世の中ざわざわ。

読書メーター

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