警察小説の最高峰!横山秀夫のオススメ短編小説F県警強行犯シリーズ第一弾「第三の時効」横山秀夫

第16回山本周五郎賞候補作。

「この警察小説がすごい!ALL THE BEST」第1位

第三の時効 (集英社文庫)

第三の時効 (集英社文庫)

 

 

内容紹介

(「BOOK」データベースより)

殺人事件の時効成立目前。現場の刑事にも知らされず、巧妙に仕組まれていた「第三の時効」とはいったい何か!?刑事たちの生々しい葛藤と、逮捕への執念を鋭くえぐる表題作ほか、全六篇の連作短篇集。本格ミステリにして警察小説の最高峰との呼び声も高い本作を貫くのは、硬質なエレガンス。圧倒的な破壊力で、あぶり出されるのは、男たちの矜持だ―。大人気、F県警強行犯シリーズ第一弾。

目次

沈黙のアリバイ

第三の時効

囚人のジレンマ

密室の抜け穴

ペルソナの微笑

モノクロームの反転

 

 

 

オススメ度 星3つ ★★★

完成度が高い!読んで間違いない短編小説!

感想

横山秀夫は父の最近のお気に入りの作家ということで読みました。私が読書好きなのは間違いなく父の影響なのですが、本を共有したことはありません。好みが違う(と思っていた)ので、父の本棚は素通りでした。里帰り出産の為に実家に居座り、話し相手が両親しかいないと共通の話題である読書(と赤ちゃんと野球)になり、自然と父の本棚に手を伸ばしていました。そして、横山秀夫を読むならまず「第三の時効」が読みやすいと勧められました。

父のオススメは間違いありませんでした。やばい、面白い!読者を魅了する濃い登場人物たち、刑事と犯人、時には刑事同士の心理戦、推理小説には欠かせないどんでん返し、最後に心に深く考えさせられる闇。授乳しながら、抱っこしながら夢中で読んでいました。実家にいる間は横山秀夫の小説を読み進めていきたいと思います。

印象に残った文章

「女ってのはそういう生き物だ。自分の得になりそうな物は最後の最後まで引きつけておくんだ。体でも何でも使ってな」

 

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思い出の名作に再び会いに行きませんか?子どもへ読み聞かせにオススメの本「子どもも大人も楽しめる名作童話31篇の物語り」

 思い出の名作に再び会いに行きませんか?

「子ども」も「大人」も楽しめる名作童話31篇の物語り

「子ども」も「大人」も楽しめる名作童話31篇の物語り

 

内容紹介

いまで世界の名作童話、物語31作品

目次

アルプスの少女ハイジ

フランダースの犬

青い鳥

赤ずきん

ヘンデルとグレーテル

シンデレラ

ラプンツェル

ウンディーネ

愛の妖精

コルニーユ親方の秘密「風車小屋だより」から

にんじん

フィレンツェの少年筆耕「クオレ」から

ピノキオ

ニルスの不思議な旅

みいくいあひるの子

もみの木

マッチ売りの少女

赤い靴

パンを踏んだ娘

人魚姫

雪娘

最後の一葉

パレアナ「少女パレアナ」「パレアナの青春」から

赤毛のアン

ロイド老淑女「赤毛のアン」から

オズの魔法使い

不思議の国のアリス

小公女

小公子

イノック・アーデン

クリスマス・キャロル

 

 

 

オススメ度 星3つ ★★★

子どもには読み聞かせ、大人は懐かしくも勉強になる本

感想

子どもが寝る前に読み聞かせをしたいと本を探していました。実家には私たち4人姉弟分の絵本が大量にあり(母は物を捨てられない病)、その中に今回読んだ「子どもも大人も楽しめる名作童話31篇の物語り」があったので、まずは試しにと私が読みました。幼い頃、読んだ(読んでもらった)のに内容をすっかり忘れてしまっている作品もあり、新鮮な気持ちで読むことが出来ました。

アルプスの少女ハイジ>などは名作アニメ、<シンデレラ>などはディズニー映画として映像で記憶しています。想像しながら読むと「粉ひき屋って何?」「4マイル(6.4キロ)ってどれくらい?」「はしばみはどんな植物?」私でもすぐに答えが浮かばない質問を子どもされるかもしれない、と考えさせられました。また、宗教的な背景や作者が伝えたいことも、大人になった今だからこそ理解でき、子どもだけではなく、大人も楽しめる本でした。

ストーリーの後にはそれぞれ牧野さんの収録されている作品の思い出や作者について書かれています。初耳話も多く、大人も楽しめますし、咀嚼して子どもに伝えるのも面白いと思いました。

次は日本の昔話が収録されている読み聞かせ本を探します。

印象に残った文章

「わしは家にいないからな」

「だからいいんだよ。仕事で憂さが晴れるから。でも母さんは僕をひっぱたくよりほかに憂さばらしがないんだよ。でも、全部が全部、父さんの責任だと言ってるんじゃないぜ

 

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道警シリーズ第3弾!それぞれの警官が追いかける事件が絡み合い警察の闇を突き止める「警官の紋章」佐々木譲

警官の敵は警察にあり

警官の紋章 (ハルキ文庫)

警官の紋章 (ハルキ文庫)

 

 

内容紹介

内容(「BOOK」データベースより)

北海道警察は、洞爺湖サミットのための特別警備結団式を一週間後に控えていた。そのさなか、勤務中の警官が拳銃を所持したまま失踪。津久井卓は、その警官の追跡を命じられた。一方、過去の覚醒剤密輸入おとり捜査に疑惑を抱き、一人捜査を続ける佐伯宏一。そして結団式に出席する大臣の担当SPとなった小島百合。それぞれがお互いの任務のために、式典会場に向かうのだが…。『笑う警官』『警察庁から来た男』に続く、北海道警察シリーズ第三弾 。

オススメ度 星2つ ★★☆

実話を元にした作品・・・キャリアの考えることは恐ろしい。

感想

道警不祥事シリーズの最終作品になる第3弾「警官の紋章」は登場人物も増え、スケールも今までのシリーズよりもパワーアップしています。 私は時間をあけずに第1弾「笑う警官」、第2弾「警視庁から来た男」と読んできたこともあって、内容が理解でき楽しめました。読んでない人、前作を読んでから日が経ってしまった人(記憶力がいい人を別にすれば)には、前作までの作品と繋がり、絡みあっているので面白さが半減するのでは?と思います。

印象に残った文章

「日比野が失踪した理由がわかれば、目的地もわかる。そして、人間のやることはたいがい、履歴の中に予兆がある。警察の場合は、警務が扱っている情報の中で、不祥事の芽や可能性がすでに把握されている」

 

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道警シリーズ第2弾!キャリアの頭脳とノンキャリアの足が真実を明かす「警察庁から来た男」佐々木譲

キャリアのプライドかノンキャリアの意地か 

警察庁から来た男 (ハルキ文庫)

警察庁から来た男 (ハルキ文庫)

 

内容紹介

北海道警察本部に警察庁から特別監察が入った。監察官は警察庁のキャリアである藤川警視正。藤川は、半年前、道警の裏金問題の為に百条委員会でうたった(証言した)津久井刑事に監察の協力を要請した。一方、札幌大通署の佐伯刑事は、ホテルでの部屋荒らしの捜査を進めていた。被害者は、すすき野の風俗営業店で死んだ男の父親だった。大通署に再捜査の依頼の為、そのホテルに泊まっていたのだという。佐伯は、部下の新宮と事故現場に向かうのだが…。『笑う警官』に続く道警シリーズ第二弾。

オススメ度 星2つ ★★☆

二つの事件が絡み合うハードボイルドミステリー小説

感想

個人的には前作「笑う警官」よりも登場人物のキャラクター性が強く出ていて、二つの事件が絡み合う展開も好きです。「警視庁から来た男」だけ読んでも楽しめるとは思いますが、やはり順番通りに読むのがベストです。最終作も読み始めてます。

藤川警視正のいかにもキャリアという性格が個人的に好きです。頭がいい人の考え方は興味深い。

印象に残った文章

「ぼくはスターバックスカフェ・ラテは取れるかどうか、確認したね。どうだった?」

「あ、はい」その女子職員は狼狽を見せている。「そうです」

「だからぼくはお願いをした。無理なことを頼んだつもりはない。でも、どうしてちがうものが出てくるんだ?」

 

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道警シリーズ第1弾!北海道警裏金事件からインスピレーションを得て書かれた小説「笑う警官」佐々木譲

『このミステリーがすごい!』の2005年版で10位!

笑う警官 (ハルキ文庫)

笑う警官 (ハルキ文庫)

 

内容紹介

「BOOK」データベースより

札幌市内のアパートで、女性の変死体が発見された。遺体の女性は北海道警察本部生活安全部の水村朝美巡査と判明。容疑者となった交際相手は、同じ本部に所属する津久井巡査部長だった。やがて津久井に対する射殺命令がでてしまう。捜査から外された所轄署の佐伯警部補は、かつて、おとり捜査で組んだことのある津久井の潔白を証明するために有志たちとともに、極秘裡に捜査を始めたのだったが…。北海道道警を舞台に描く警察小説の金字塔、「うたう警官」の文庫化。

オススメ度 星2つ ★★

北海道札幌市を舞台にしたハードボイルド小説!

感想

2003年に発覚した北海道警裏金事件からインスピレーションを得て書かれた作品です。数年札幌に住んでいたことがある私には出てくる地名など懐かしく読むことが出来ました。土地勘がない人は札幌の地図を片手に読むと想像しやすく、より楽しめると思います。有志だけで行う極秘捜査には緊張感があり、テンポよく進んでいきますが、クライマックスは数人の人物が動き、頭の整理が追いつきませんでした。

タイトルは単行本の時と同じ「うたう警官」の方が意味があり、内容にもあっているので、個人的には好きです。

印象に残った文章

 女性の同僚の私生活に最も強く興味を示し、情報収集と観察と分析に熱心なのは、どんな種類の女性だろうか。経験からいって、ごく身近なところで性関係のある男女がいたとして、そのふたりが周囲の女たちすべての目を欺くことは困難だ。誰か、注意深く、と言うか、意地悪く観察している人間が必ずいて、関係を見抜いている。

 

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