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主に本のこと。たまに日記。

その教育本当に効果があるの?科学的根拠が教育の思い込みを覆す!本当に子どもが伸びる教育とは「学力の経済学」教育経済学者・中室牧子




「学力」の経済学

「学力」の経済学

 

ゲームは子どもに悪影響?

教育にはいつ投資すべき?

ご褒美で釣るのっていけない?

思い込みで語られてきた教育に、科学的根拠が決着をつける! 

 

 

内容

 

経済学がデータを用いて明らかにしている教育や子育てにかんする発見は、教育評論家や子育て専門家の指南やノウハウよりも、よっぽど価値がある

データを用いて教育を経済学的に分析する。知っておかないともったいない

 

「学力」の経済学

「学力」の経済学

 

 

「人間はだませても、データはだませない。収集したデータを分析し、社会の構造を明らかにすることが、いかに自分たちの生活を大きく変える可能性があるか、理解してほしいのです。」

 

感想

 

第2章は子を持つ親には非常に役に立つ内容だと思った。ゲームは子どもに悪影響なのか、ご褒美で釣るのはいけないのか。子どもの教育をする上でほとんどの親が疑問に思うことだ。(教育評論家や世間の常識などから)ゲームもご褒美も子どもによくないのではないかと思う。理由はわからない、何となくよくない、経験から・・・その根拠もない曖昧な部分を本書はデータを用いて説明し、解答する。また、親の収入、友だちが与える影響についても書かれている。

第3章は非認知能力(生きる力)について。一歩学校の外へ出たら、学力以外の能力が圧倒的に大切である。どんなに勉強ができても、自己管理ができず、やる気がなくて、まじめさに欠け、コミュニケーション能力が低い人は社会に出ると苦労する。重要な非認知能力の鍛える方法も

第4章は日本の教育政策、第5章は教員。個人の力ではどうにも出来ない部分ではあるけれど、今の日本の教育の現状は知っておきたい。どういう先生がいい先生なのかについてはまだ研究段階のようだが、いい先生に出会うと人生が変わるのは明らかだ。遺伝や家庭の資源など、子ども自身にどうしようもないような問題を解決できるポテンシャルを持つ。

ちょうどTV放送された映画「ビリギャル」を観た時期だった為、重ねながら読んだ。「ビリギャル」は学年ビリのさやかちゃんが1年で偏差値40上げて、慶応大学に現役合格するストーリー。さやかちゃんは自分の部屋もあるし、塾にも通え、慶応大学に行ける両親の収入がある。お父さんとは上手くいっていないが、お母さんとの関係は良好である。「勉強しなさい」と言われるシーンは1回もない。そして、塾でさやかちゃんの人生を変える坪田先生に出会う。坪田先生は「ダメな人間などいません、ダメな指導者がいるだけです」と語る(おそらく)いい先生。さやかちゃん自身の頑張りはもちろんあるが、周りの環境がいかに学力に影響するかがよくわかる。

本を読み、そして映画を観て思うのは、家庭の収入の差は学力の差になり、学力の差が年収の差になるという現実を突きつけられ、モヤッとしてる。私自身が高卒の為、学歴コンプレックスがあるからかもしれない。

 

目次

はじめに

データが覆す教育の「定石」

「試験」と「祖母の急死」の不思議な関係

第1章 他人の“成功体験”はわが子にも活かせるのか?

<データは個人の経験に勝る>

教育は「一億総評論家」

東大生の親の平均年収は約「1000万円」

米国の「落ちこぼれ防止法」で111回も使われた言葉

経済学者が示す「エビデンス」とは

教育で「実験」をする

第2章 子どもを“ご褒美”で釣ってはいけないのか?

<科学的根拠に基づく子育て>

「目の前のにんじん」作戦を経済学的にひもとく

「テストでよい点を取ればご褒美」と「本を読んだらご褒美」―どちらが効果的?

まず「勉強のしかた」を勉強することが重要

ご褒美は子どもの「勉強する楽しさ」を失わせてしまうのか

「お金」はよいご褒美なのか

教育経済学的正しい「ご褒美」の設計

子どもはほめて育てるべきなのか

自尊心は「結果」にすぎない

「頭がいいのね」と「よく頑張ったわね」―どちらが効果的?

テレビやゲームは子どもに悪影響を及ぼすのか

テレビやゲームをやめさせても学習時間はほとんど増えない

「勉強しなさい」はエネルギーの無駄遣い

「友だち」が与える影響

「悪友は貧乏神」からどう逃れるか

教育にはいつ投資すべきか

幼児教育の重要性

第3章 “勉強”ほ本当にそんなに大切なのか?

<人生の成功に重要な非認知能力>

幼児教育プログラムは子どもの何を変えたのか

「非認知能力」とは

重要な非認知能力:「自制心」

重要な非認知能力:「やり抜く力」

非認知能力を鍛える方法

しつけを受けた人は年収が高い

非認知能力を過小評価してはいけない

第4章 “少人数学級”には効果があるのか?

<科学的根拠なき日本の教育政策>

35人か、40人か?

少人数学級は費用効果が低い

情報は「金」

「少人数学級」と「子どもの生涯年収」の関係

日本のデータに用いた検証

15年間で20%以上減少した日本の教育支出

「学力テスト」に一喜一憂してはいけない

学力テストの順位が表すものとは

学校別順位は公表すべきか

行き過ぎた「平等主義」が格差を拡大させる

子どもの貧困を解決するためには

世代「内」の平等、世代「間」の不平等

日本の教育経済学者が求めているもの

第三者機関による政策評価

第5章 “いい先生”とはどんな先生なのか?

<日本の教育に欠けている教育の「質」という概念>

「いい先生」に出会うと人生が変わる

教員を「ご褒美」で釣ることに効果はあるのか

教育研修に効果はあるのか

教員免許は「参入障壁」なのか

なぜ日本で研究が進まないのか

補論:なぜ、教育に実験が必要なのか

リンゴとオレンジ:比較できない2つのもの

「反実仮想」を再現する

ランダム化比較試験以外の「実験」

求められる教育政策のグランドデザイン

ランダム化比較試験の問題点

あとがき

参考文献