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as I am

主に本のこと。たまに日記。

結婚前に兄と名乗る明らかに年下の青年が現れる!「春、戻る」瀬尾まいこ

瀬尾まいこ



 

 

 

「春、戻る」瀬尾まいこ

今の季節は夏だから、春は一つ前の季節なのに春の気分はもう忘れてしまっていて、いつの間にか春になっているのだろうけれど、今すぐに春のほんわかした気持ちを味わいたくて、つい手に取ってしまいました。いつでもその季節になってしまうのは読書の醍醐味です。

瀬尾まいこさんの小説を季節で表すなら“春”だと言い切れます。その前に読んだ小説「イノセント」(季節で表すと“冬”だな)が重かったから、軽くフワッと読みたい気分でした。一貫して、ほんわかしていて、爽やかで、温かくホッとする内容の瀬尾まいこさんを選べば間違いないと思い、実際間違いではありませんでした。

春、戻る

春、戻る

 

あらすじ

結婚を控えたさくらの前に突如「兄」と名乗る年下の青年が現れ、結婚に対して口出しをしてくるようになった。さくらはこのまま流れに任せて結婚をしてもいいのか?「兄」は一体誰なのか?

 

バラメータ

恋愛度   ★★☆☆☆ 星2つ

これから夫婦になろうとするさくらと山田さん。

何か大きな決断とかではなく、たぶん「たまたま」が重なって結婚するんだと思う。

たまたま和菓子が苦手じゃなくて、たまたま山田さんがいい人で、環境も整っていた。何の決め手もなく、たぶんそれだけで結婚していまうのだ。

 それを思うと、急に漠然とした不安がかすめた。こんな緩い決意で舟を出して大丈夫なのだろうか。海に出てから自分で漕げないと気づくことにはならないだろうか。もう途中で櫂を放すようなことを、するわけにはいかない。

 

友情度   ☆☆☆☆☆ 星0つ

 

家族度   ★★★★★ 星5つ

父の命日で毎年恒例のうどんを食べながらのシーン。

大切なはずの思い出も薄れていくことに悲しくなることがあるけれど、大切な事実だけきちんと残っていけばいいのかもと思えました。

お母さんは「別に正確に思い出す必要なんてないわよ。お父さんがいた事実さえ残っていれば、どれを思い出そうが、思い出がねじれようが、どうでもいいじゃない」と笑った。

 

イケメン度 ★★★☆☆ 星3つ

おにいさんは私の理想のキャラです。

顔も絶対悪くはない気がします。 

「そう、だって、ばあちゃんの娘さん、美人だしさ」

男の子が言うのに、おばあさんははたと間を置いた。姿は見えなくても、首をかしげているのがわかる。

「あれ?うちの娘見たことあったけ?」

「いや、会ったことはないけど、ばあちゃんが美人だからそうだろうって」

男の子が調子よく言って、おばあさんの嬉しそうな笑い声が響いた。

 

オシャレ度 ★☆☆☆☆ 星1つ

 

グルメ度  ★★★★☆ 星4つ

山田さんの作る和菓子も美味しそうですが、やっぱり一番はおにいさんと最後に作るきんぴらです。

きんぴらはごちそうだからと、今日の献立はご飯とわかめのみそ汁ときんぴらだけだ。

「この具だくさんのきんぴら、私、よく食べてた」

「そう。僕の家のは、ごぼうだけじゃなくてにんじんもこんにゃくもれんこんも入れるんだ。しっかり油で炒めて、最後に唐辛子で辛味をつける。これならいくらでもご飯が食べれるからね」

おにいさんは自慢げに言って、ご飯をほおばった。

 

 

感想

血は繋がっていないれど「おにいさん」「おねえさん」(または妹や弟のように可愛がる)の慕う人がいるというのはとても素晴らしい人間関係だと思います。私には血の繋がった姉はいないけれど、姉のように相談出来るお姉さんがいます。お姉さんのおかげで人生より楽しく生きられているような気もします。そう思うからこそ、私も誰かのおねえさんになれたら嬉しいと思ってます。

思い通りにいかなくて、情けなくなってしまう時があります。その時に「思い描いたとおりに生きなくたって、自分が幸せだと感じられることが一番だ」という言葉を思い出そうと私は思いました。思い通りにいかなくても、それで幸せと感じるのであればいいのではないか・・・どこか完璧主義である私を楽にしてくれる魔法の言葉になりました。