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as I am

主に本のこと。たまに日記。

直木賞受賞後第一作「まく子」西加奈子(2016年2月新刊)

西加奈子



 

 

「まく子」西加奈子

楽しみにしていた西加奈子さんの新刊が届いた。

アメトーーク「読書芸人」で又吉先生が言っていたけど、文庫本が待ちきれなくなって、単行本が読みたくなる。(単行本が待ちきれなくて、文芸雑誌を読む)

又吉先生!!私も!!まさに!!

私の読書はお昼休憩時、帰宅時の電車(朝は満員で読めない)、お風呂で湯船に浸かりながら読むスタイルなので基本的に文庫本。だから、珍しい。ブログを始めて読書欲が高まっているのもあるけれど。

ブックカバーには購入した人しかわからない工夫があって(私は夫に言われるまで気が付かなかった)、読み始める前からワクワクしていた。

とにかく、満を持して読み始めた。

 

まく子 (福音館の単行本)

まく子 (福音館の単行本)

 

 

あらすじ

小さな温泉街の集落に住む小学5年生の慧はクラスでも目立たない男子。急激に大人になっていく女子が恐ろしく、馬鹿な男子にも憧れない大人にもなりたくないと思っているが、自分の身体が大人に成長もしつつあることも感じていた。そんな時、ものすごく美人で、とても変なコズエがやってきた。コズエには誰にも言っていない秘密があった・・・。

 

バラメーター ※ネタバレあり

恋愛度   ★★★★☆ 星4個

慧の初恋。

本人はコズエに一目惚れしたことに気が付いてない。

初恋ってこういう感じだったのかもと思い出させてくれる。

友情度   ★★★★☆ 星4個

幼い時から知っているクラスメイトたち。

誰があの時泣いた、お漏らししたことも全部全員が知っている仲。

一緒になって馬鹿してたのにパタリと女子は参加しなくなり、トイレに行くときにポーチを持っていくようになる。

誰が生理になったとかも全員が知っている。

田舎育ちの私にも身に覚えがあって、懐かしながら読んだ。

家族度   ★★★★☆ 星3個

親子というと母親をイメージしてしまうが、この小説は父親。

慧が毛嫌いしている父ちゃんのおかげで大人の男になることを受け入れるようになる。

成長過程での両親の存在の大きさを感じた。

イケメン度 ★☆☆☆☆ 星1個

主人公が小学5年生なのでイケメン判断が難しい。

今後の成長に期待して星1つ。

オシャレ度 ★☆☆☆☆ 星0個

こちらも主人公が小学5年生の男の子なのでオシャレ度は低い。

クラスメイトの男子たちと同じ服装をしたくないという気持ちはファッションに興味があるというよりも思春期だからだろうか。

グルメ度  ★☆☆☆☆ 星1個

料理長の父ちゃんの手料理の登場は“塩むすび”だけだが、ただの“塩むすび”なのに、ものすごく美味しそう。塩むすびを握る理由があるからだけど。

 

感想

男の子の思春期小説と言ったら、中2病という言葉があるくらいですから中学生。

ところがこの小説は5年生。心の成長と身体の成長に対する恐怖が書かれている。

コズエとの出会いで、信じること、与えること、受け入れること、変わっていくことを知り、成長していく。

西さんは期待を裏切らない。

西加奈子流のファンタジックな部分(私は苦手)があって中盤は一瞬不安が過りもしたが、読み終わった後はそこが良かったと思える。

最後は西さんの強いメッセージを感じた。ただの男の子の成長小説ではない。