恋愛偏差値が上がる本!忘れられない一冊の本、メールから始まった恋愛小説「レインツリーの国」有川浩

玉森裕太×西内まりや 主演映画化

レインツリーの国 (新潮文庫)

レインツリーの国 (新潮文庫)

 

 内容紹介

きっかけは「忘れられない本」。そこから始まったメールの交換。共通の趣味を持つ二人が接近するのに、それほど時間はかからなかった。まして、ネット内時間は流れが速い。僕は、あっという間に、どうしても彼女に会いたいと思うようになっていた。だが、彼女はどうしても会えないと言う。かたくなに会うのを拒む彼女には、そう主張せざるを得ない、ある理由があった――。

オススメ度 星2つ ★★

恋愛偏差値を高めたい人にオススメの恋愛小説

感想

忘れられない小説の感想をネットで検索して始まる恋愛です。読書好きならワクワクする出だしだと思います。主人公の関西弁での馴れ馴れしいメール、すんなり会う約束まで果たす。見た目を気にしないと言いながら、野暮ったいと言ったり、一目を気にする言動に正直主人公・信には全然惹かれませんでした。女性にモテるみたいだけど、実際はどうだろう?デリカシーないように思えてしまう。ヒロインのひとみもまだ考えが幼く、イライラします。イライラしますが、自分にも身に覚えがあるのでまだ受け入れられました。信の感情も男性だったら受け入れられたのかもしれません。

ただ、一見重くなり過ぎてしまう内容を読者にもわかりやすく、偏見なく読まされました。障害と聞くと固く身構えてしまいがちですが、それがなく誰にでも起こりえる恋愛として楽しめました。

読んだ後に若者向けに映画化されていることを知って納得しました。良くも悪くも映画化するために書かれたような小説です。

 

印象に残った文章

特権みたいに傷ついた顔をされるのも癇に障った。

「……そうやって世界で自分しか傷ついたことがないみたいな顔すんなや」

抑えようと思う前に吐き出していた。 

 

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働く人みんな共感!仕事を辞めたい…でも辞めれない人に一度は読んで欲しい本「ちょっと今から仕事やめてくる」北川恵海

第21回電撃小説大賞<メディアワーク文庫賞>受賞作

福士蒼汰工藤阿須加が主演で映画化!

内容紹介

ブラック企業にこき使われて心身共に衰弱した隆は、無意識に線路に飛び込もうとしたところを「ヤマモト」と名乗る男に助けられた。同級生を自称する彼に心を開き、何かと助けてもらう隆だが、本物の同級生は海外滞在中ということがわかる。なぜ赤の他人をここまで気にかけてくれるのか?気になった隆は、彼の名前で個人情報をネット検索するが、出てきたのは、三年前に激務で鬱になり自殺した男のニュースだった――。

オススメ度 星2つ ★★

仕事が辛い、辞めたいと思う人に1度読んで欲しい本

感想

母がひどく映画を気に入り、文庫本を買ってきました。会話が多く、テンポよく話が進むので、病院の待ち時間で全て読み終えました。

弱いから甘えているから辞めたいと思っているのではないか、先輩方は頑張っているし迷惑がかかる、せっかく就職したのに、辞めてもやりたいことはないし、仕事はすぐに見つからないし…ブラック会社なのかな?と思っても社会経験の乏しい自分には判断がつかない。友人に話しても「最初はそんなもんだよ」「私のところもだよ」「もう少し頑張ってみたら?」と言われるだけ。社会に出たばかりの自分を思い出しました。

朝が恐い、そのうちご飯も喉を通らなくなる。勘づいた母は「仕事を辞めると明日言いなさい」と私に言い聞かせました。もしあの時、私のヘルプに誰も気が付かず、母の一言がなかったらどうなっていたんだろう?ヤマモトがいなかったら、隆はどうなっていたんだろう?

印象に残った文章

「でも、そんな僕にでもひとつだけ変えられるものがあります。それが、自分の人生なんです。そして、自分の人生を変えることは、もしかしたら、周りの大切な誰かの人生を変えることに繋がるのかもしれない。(省略)」

 

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自分に都合のいいことだけ受け入れてない?自分と友人の価値観の違いがあるのは当たり前「ままならないから私とあなた」朝井リョウ

あなたの価値観は、根底から揺さぶられる

ままならないから私とあなた

ままならないから私とあなた

 

内容紹介

レンタル世界

先輩の結婚式で見かけた新婦友人の女性のことが気になっていた雄太。 しかしその後、偶然再会した彼女は、まったく別のプロフィールを名乗っていた。 不可解に思い、問い詰める雄太に彼女は、 結婚式には「レンタル友達」として出席していたことを明かす。

ままならないから私とあなた

成長するに従って、無駄なことを次々と切り捨ててく薫。 無駄なものにこそ、人のあたたかみが宿ると考える雪子。 幼いときから仲良しだった二人の価値観は、徐々に離れていき、 そして決定的に対立する瞬間が訪れる。

感想

「レンタル世界」のストーリーは展開が読めて、結末も含めてありきたりでした。岩井俊二監督の映画「リップヴァンウィンクルの花嫁」に結婚式に友人をレンタルするシーンがあり、終わり方もよくあるその手ですね、という感じでした。

「ままならないから私とあなた」は新技術がどんどん開発され、便利な世の中になっていく現代ならではの価値観のぶつかり合いで興味深く、朝井リョウらしい焦点。薫の合理的な言い分のわかる、ユッコの人間らしさという言い分もわかる。価値観の違いを理解してもらうのは難しく、人間らしさという微妙なニュアンスを伝えようとすると何を言っているのかわからないという部分も上手いと思いました。

オススメ度 星2つ ★★

自分の価値観、他人の価値観に疑問を持つ人に読んで欲しい

印象に残った文章

「偶然だったから、愛しいんだよ」

聞いた薫ちゃんの口が、動きを止める。

「ねえ、薫ちゃん。人と人との関係だけは、効率とかじゃないんだよ。それだけは絶対に合理化できないし、何も省けない」 

 

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社会人1年目、経済学の超初心者にオススメの本!経済数字の基本を知ろう「社会人1年目からのとりあえず日経新聞が読める本」山本博幸

社会人なら知っておきたい基本が身につく!

3STEPでわかりやすい!

使い倒して「自分だけの仕事の教科書」に!

「最低限知っておくべき数字」がざっくり身につく!

内容紹介

本書を一読すれば世界で起きていることが手に取るようにわかるようになります。

この本を一通り読むと、日経新聞を読むのがとても楽になります。

この本で覚えた数字は、毎週、日経新聞でチェックして定期的に新しいものをアップデートしましょう。

各項目ごとにその周辺の事実に興味を持ってください。

・過去の数字はどうだったか

・年齢・地域などの属性別に見た数字はどうなのか

・他国の数字はどうなのか

習慣にすれば、一生ものの経済知識が身につき、職場でも一目置かれる経済通になれることでしょう。

目次

知っていると「やるじゃん」と言われる基本の経済数字16
知っていると日本経済が身近になる5つの話

感想

経済の知識がないと日経新聞はちんぷんかんぷん。わからない用語ばかりで読み進めることが出来ません。日経新聞には興味はあるけれど、読み解くためには経済の知識が必要です。何冊か初心者向けの経済学の本を読んだことがあるけれど、一番わかりやすく、すぐに日経新聞を読みたい、実際にネットで数字を調べたのは本書が初でした。すぐに日経新聞の全部の内容が理解できるわけではありませんが、習慣化してアップデート、少しずつ知識をつけていきたいと思わせてくれました。

オススメ度 ★★★

経済学の超初心者にオススメ!読めば日経新聞を読むハードルが低くなる本

印象に残った文章

理髪店に行く目的は「髪を切る」ことです。あとはいらないはず。では、「1000円もらって髪を切るだけ」というビジネスが成り立つのではないか。 

 

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衝撃の結末!最後のどんでん返しでゾッとする探偵ミステリー小説「犬はどこだ」米澤穂信

2010年版「このミステリーがすごい!」作家別得票数第1位!

衝撃のラストを見逃すな!

犬はどこだ (創元推理文庫)

犬はどこだ (創元推理文庫)

 

内容紹介 

開業にあたり調査事務所“紺屋S&R”が想定した業務内容は、ただ一種類。犬だ。犬捜しをするのだ。―それなのに舞い込んだ依頼は、失踪人捜しと古文書の解読。しかも調査の過程で、このふたつはなぜか微妙にクロスして…いったいこの事件の全体像とは?犬捜し専門(希望)、25歳の私立探偵、最初の事件。新世代ミステリの旗手が新境地に挑み喝采を浴びた私立探偵小説の傑作。

感想

期待を裏切らない安定の面白さでした。“どんでん返しがあるぞ、あるぞ!”とわかっているのに最後に“やられた!”ってなりました。探偵が主人公ということもあって、他作品よりも本格ミステリーという感じがしました。

舞台である2004年は2ちゃんねるなどのインターネットが普及した時代であもるので、チャットやBBSというワードに懐かしさも感じました。それと同時にネットの恐さも改めて感じました。今はSNSが主流。個人特定は素人でもある程度出来てしまいます。事件に巻き込まれないのが一番よいですが、何が起こるかわからない時代・・・気をつけるにこしたことはないですね。そういう意味でも10年以上前のネット社会を知らない若者でも楽しめるのではないでしょうか。

オススメ度 ★★

どんでん返し好きにオススメ

印象に残った文章

俺はあらゆることに半可通であり、どんな分野においても半端者だ。大抵のことはわざわざ教わるでもなくこなせるため、それ以上の深入りをすることはなかった。

だからだろう。過去、二十三年間、こうした体験をしたことがなかったのは。

つまり、知識が認識を変えるという体験を。

 

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