読書は趣味というより娯楽です

読書エッセー、たまに子育て日記

14歳少女の目線で描く女ばかりの家族の物語『こうふく みどりの』西加奈子

“こうふく”シリーズ第1弾。

第2弾『こうふく あかの』から読んでも問題なし。

どちらも「アントニオ猪木」が登場人物たちを勇気付け、支えている。

 

こうふく みどりの (小学館文庫)

こうふく みどりの (小学館文庫)

 

 

あらすじ

めちゃめちゃ背が高い転校生コジマケンが気になる緑は14歳の中学生。夫が失踪中のおばあちゃん、妻子ある男性を愛した煙草ばかり吸っているお母さん、離婚できずにいる料理上手の藍ちゃん、藍ちゃんの4歳の娘の桃ちゃんと女ばかりの家で生活している。そして、夫を愛し続ける謎の女性棟田さん・・・。大阪で暮らす女たちのこうふくを描いた物語。

 

パラメーター

【読みやすさ】 平易 ・・・・ 難解

【作風】 リアル ・・・・ シュール

【登場人物】 少なめ ・・・・ 多め

【雰囲気】 暗め ・・・・明るめ

 

感想

オススメ度 ★★☆ 星2つ

主人公・中学生の緑ちゃんは学校、家族、友達、近所の人そして恋愛と普段の私たちと同じようにどれにも関わっていて、どれか一つだけに焦点を合わせた物語ではなく、ごくごく普通に「面倒くさい」だとか「ウザイ」なんて感情を抱きながら生活している。 女の幸福って人様々だよなー。

当たり前のことなのに忘れてしまいがちなことが描かれている。無論、男(そうじゃない人も)の幸福も様々ですが。

家族がテーマの作品、心に響く名セリフばかり。

「うちの大事な嫁はん、あないに言われたら、こっちもやれん。」

取材に来たお笑い芸人に金田の母ちゃんが失礼なことを言われ、金田の父ちゃんが言った一言。私も明日香と同じように「ええこと言いはるなぁ!」と思ってしまった。

「茜と、シゲの子供やから。」

お母さんが煙草を吸い終わった。

「だから、可愛いねん。」

おばあちゃんは、よいしょ、と腰をあげて、缶をゴミ箱に捨てた。

「自分の子供が、一番、一番、可愛いがなー。」

お母さんがその言葉を聞いて、嬉しそうに笑った。そして、やっとごはんを食べ始めた。

孫である緑と藍は可愛いのは自分の子供である茜とシゲだからとスラリと言い放ってしまうおばあちゃん!かっこいい!

おばあちゃんがいるからこその辰巳一家。

そして、藍ちゃんをシゲのかわりにどつくシーン。どつく、殴るといっても愛情があるからこそで、藍ちゃんも「父ちゃん!」と言いながら泣く。

おばあちゃんの家族が愛が溢れている。