【ANA機内誌】これが悪人の素顔です!作家の旅行を垣間見るエッセイ『作家と一日』吉田修一

機内誌を読むことは飛行機に乗る楽しみの一つ。特に贔屓をしているわけではないけれど、私はJALに乗ることがわりかし多い。多いと言っても、年にほんの数回しか飛行機は乗らないのだけれど。なので、ANAに連載されているものを読むのは新鮮だった。

ダンディな男性に見つめられて

表紙の男性にジッと見つめられ、「おい、手に取れよ」って呼び止められたような気がした。吉田修一って誰だったけ?疑問を抱きながらパラパラとページを捲り、『悪人』『横道世之介』『怒り』『さよなら渓谷』の作者だと知った。映画は観たことがある作品ばかりなのに原作である小説は読んだことがない。ならば、小説から読めばいいのだが、縁を感じた本書を手始めに読むことにした。

旅行の醍醐味とは

普段いくら仲がよくても旅行になると関係がギクシャクしてしまうことがある。それは共に生活をする家族であっても起こりえるから不思議だ。その度に気を病んだり、イライラしたりする。いい大人だから感情を表に出すことは控えているが、旅行を心の底から楽しめていない気がしてモヤモヤする。

言葉や習慣の違う場所では、とかく誤解が生じやすい。しかしどんな場合にも罵声よりユーモアを大切にできる仲間となら多少の問題も乗り越えられる。(ポルトガルのビーチでパトカーに乗る)

旅行が思い通りにいくことはない、それが旅行の醍醐味でもある。相手との合わない部分を知ることも旅行を一緒にしたから知ったのであって、それこそユーモアに捉えたい。と思うと、次の旅行が楽しみになった。

作家と一日 (翼の王国books)

作家と一日 (翼の王国books)

 

 内容紹介

ポルトガルのビーチでパトカーに乗り、新宿ゴールデン街でへヴィメタバンドと意気投合し、仕事場で猫と戯れる…… これが『悪人』の素顔です。

『悪人』『横道世之介』『怒り』『さよなら渓谷』など、ジャンルにとらわれずに次々と話題作を発表し続ける人気作家・吉田修一

旅先で感じるふとしたこと、切り取った風景、出会った誰かとの大切なひととき、毎日の暮らしの中で起きるちょっとした奇跡と、心の揺らぎ......。

作家・吉田修一が、些細だけれど大切な“一日"を綴ります。

目次 

風邪を引いた猿

草食男子はブルーベリー狩りへ

深夜の友情

月夜のダイニング

外国の友人が教えてくれる日本の名所

ポルトガルのビーチでパトカーに乗る

各国のバラエティ番組

パリで伊集院静を真似る

旅行が上手い人

成田空港リムジンバスのスタッフさんへ

ダイアログ・イン・ザ・ダーク

ドン・ペリニヨン三昧

フィンランドといえば、湖とヘヴィメタ?

世界遺産の島と、じゃない島

いい風を知っていますねぇ

別府でタイ古式マッサージに開眼

内蒙古でホーミー

豆乳、揚げパン、牛肉麺

日本酒が似合う声

舞台裏の俳優

雪のわすれもの

三朝の湯で願う

時間を舐める

人の背中

お気に入り度 星2つ ★★☆

自分の旅と重ね、また旅をしたくなる。旅した気分。

 

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村