ミステリー×ジャーナリズム!謎解きしながら報道について考える短編集「真実の10メートル手前」米澤穂信

2014年ベスト1ミステリ「満願」、2015年ベスト1ミステリ「王とサーカス」に続き俊英・米澤穂信が放つ、粒揃いの最新作品集 

真実の10メートル手前

真実の10メートル手前

 

内容紹介

高校生の心中事件。二人が死んだ場所の名をとって、それは恋累心中と呼ばれた。週刊深層編集部の都留は、フリージャーナリストの太刀洗と合流して取材を開始するが、徐々に事件の有り様に違和感を覚え始める…。太刀洗はなにを考えているのか?滑稽な悲劇、あるいはグロテスクな妄執―己の身に痛みを引き受けながら、それらを直視するジャーナリスト、太刀洗万智の活動記録。日本推理作家協会賞受賞後第一作「名を刻む死」、本書のために書き下ろされた「綱渡りの成功例」など。優れた技倆を示す粒揃いの六編。

目次

真実の10メートル手前

正義漢

恋累心中

名を刻む死

ナイフを失われた思い出の中に

綱渡りの成功例

感想

記者目線で事件を捜査するので、本筋の犯人捜し、推理にはモヤッとしたものが残ります。 「王とサーカス」では内心を明かさない謎に満ちた主人公の大刀洗万智でしたが、「真実の10メートル手前」では謎のヴェールを脱ぎ捨て、より魅力が伝わる短編集になっていました。

オススメ度 ★★

犯人捜しではなく、事件のちょっとした疑問を推理したい人におすすめ

印象に残った文章

  わたしたちは、人々が見たいと思っているものを見せるために存在します。そのために事実を調整し、注意深く加工するのです。それは実際の目が行っていることと同じです。

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