結婚した相手は、人生最愛の人ですか?
内容紹介
天才ギタリストの蒔野(38)と通信社記者の洋子(40)。
深く愛し合いながら一緒になることが許されない二人が、再び巡り逢う日はやってくるのか――。
出会った瞬間から強く惹かれ合った蒔野と洋子。しかし、洋子には婚約者がいた。
スランプに陥りもがく蒔野。人知れず体の不調に苦しむ洋子。
やがて、蒔野と洋子の間にすれ違いが生じ、ついに二人の関係は途絶えてしまうが……。
芥川賞作家が贈る、至高の恋愛小説。
感想
序盤は知性も教養もあり、感受性豊かな二人が自然と惹かれ合うので、今後の展開に期待が高まりました。それだけに中盤以降のすれ違いが重なり、関係が崩れてしまう展開は陳腐に思え残念でした。
世界的に有名な天才ギタリストと有名映画監督の父を持つ美人ハーフの主人公二人は、人としても出来ていて、道理を外れることのない道を選択し、歩んでいきます。人間味溢れる二人をを取り巻く人たちにより、一層二人が魅力的に見えるのかもしれません。
オススメ度 ★★
恋愛、生き方に悩む大人におすすめ
印象的な文章
「人は、変えられるものは未来だけだと思い込んでいる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去は、それくらい繊細で、感じやすいものじゃないですか?」