「昨夜のカレー、明日のパン」木皿泉
脚本家・夫婦の共作。
「野ブタ。をプロデュース」は高校時代みんな観ていたドラマ。他にも「すいか」「セクシーボイスアンドロボ」「Q10」の脚本している。「昨夜のカレー、明日のパン」が小説デビュー作品。
本屋大賞2位ということで、読むことにした。
目次・あらすじ
ムムム
7年前、25歳で死んでしまった一樹の父・ギフと暮らす遺された一樹の嫁・テツコ。隣の家には、突然笑えなくなってしまった<ムムム>が実家に戻ってきている。
パワースポット
突然笑えなくなってしまったタカラ。実家の隣に住む幼馴染のカズちゃんの父に夜中の二時頃、夜道で出会う。
山ガール
「いいとこ見せたい」と張り切るギフはテツコの友人・山ガールと登山をする。
虎尾
車にまつわる様々な一樹の武勇伝が錆び落ちてしまわないように、一樹が使っていた車を譲り受けた従弟の虎尾の話。
魔法のカード
詐欺に合い、大金を取られたテツコの恋人である岩井さんの話。
夕子
親しくなると、その人がいる亡くなるのかわかる夕子。お見合いで出会った寺山さんが亡くなるのではないかと思い、寺山さんの住む古い平屋を訪ねる。
男子会
突然、岩井さんの家に家出したギフ。テツコには内緒で二人は行動するようになる。
一樹
母親に頼まれ、パンを買いに出た一樹。小学校低学年くらいの女の子が「入れて下さい」と傘に飛び込んできた。
ひっつき虫
岩井さんの茶碗を買いに京都に出かけたテツコの話。
バラメータ ※ネタバレあり
恋愛度 ★★☆☆☆ 星2つ
ひっつき虫
岩井さんからのプロポーズを断っていたテツコの心境の変化。
茶碗を買ったらおしまいと思っていたけど、そうじゃなかったことを。茶碗を買ったら、たぶん始めるのだ。輝く未来じゃないと思うけど、ゆるやかに始まってゆくのだ。
友情度 ★★☆☆☆ 星2つ
男子会
男同士というものはこんなものだのだろうか。
そして、男は嘘を付くのが本当にヘタである。
家族度 ★★☆☆☆ 星2つ
男子会
義父と二人暮らしというのはどういう感じなのだろうか。
私には想像も出来ないのだけれど。
この台詞には納得した。
「だって、長い間一緒に住んでいるんだし、ばれても笑い話で済むんじゃないですか?」
「甘い」
「甘いですか?」
「一緒に住んでいるからこそ、絶対に秘密にしたいことがあるんじゃない」
イケメン度 ★☆☆☆☆ 星2つ
虎尾
一樹は虎尾曰くモテモテだったらしい。
テツコと結婚する前は7~8人の女性と付き合っていた。
虎尾から見た一樹はモテモテのようだが、私からすると至って普通の恋愛歴のような気がするし、普通の(どこにでもる)男の子のような気がする。
うむ、小説より現実の方がイケメンやモテ男は存在するということだろうか。
オシャレ度 ★☆☆☆☆ 星1つ
パワースポット
ちょっと外に出ない時期があるだけで、取り残されたような気持ちになるんだよね。特にファッションはわかりやすいかも。
もう街の人たちは、自分とは全く違うものを身につけていて、それに比べると自分の全てがやぼったい。働いている時は、変わりばえはしないと思っていたものも、目まぐるしくデザインや色を変えて、せわしなくバージョンアップを繰り返していた。
グルメ度 ★☆☆☆☆ 星1つ
男子会
タイトルの予想とは違い、食事に関する出番は思いのほか少ない。
ギフとテツコの息の合った朝食は美味しそう。
ギフは、ガズコンロに金網を敷き、そこでパンの世話をしながら、コーヒーをいれている。その横でテツコがリンゴをむいている。
(省略)
テツコは無言で瓶詰の海苔の佃煮とバターナイフを渡すと、ギフはそれを、すでにバターを塗ったトーストの上にぺたぺた塗り始めた。テツコはテツコで、テレビを見ながら、こちらは練りウニをパンの上に塗っている。何だか熟年夫婦の朝食風景のようだ、と岩井はパンをかじりながら、そう思う。
感想
脚本と小説は書き方が全然違うのかな。
脚本を読んだことがないからわからないれど、テレビドラマのシーンを思い浮かべるように読むことが出来た。
ドラマだとこんな感じかな?配役はこうかな?という妄想をしながら。
ここ最近読んでいる小説には頻繁に幼馴染が登場する。
私はそれに違和感がある。
私の幼馴染との関係とはかけ離れているからだ。
こんな小説のような関係が多いのだろうか?それはやはり小説だから?
恋愛、家族関係はすんなり受け入れられうのに何でだろう。