「窓の向こうのガーシュウィン」宮下奈都
西加奈子さんと同じように宮下奈都さんも気に入ってしまった。
好きになるとずっと同じ作家の小説を読んでしまう。
悪いことではないんだけど、一通り読み終わってしまった後がこわい。
次に何を読んだらいいのかわからなくなるから。
この本は可愛い挿絵付き。
見た目も内容も女性向けの本です。
あらすじ
いつもどこかが足りないと言われるのは、未熟児として生まれたのに保育器に入らなかったからだろうか。周囲に馴染めないまま成長した私はヘルパーとして、横江先生の家に通うようになる。横江家には額装家のあの人と仕事もせずふらふらしている隼がいる。額装の仕事を手伝いながら、人の温かさに触れていく私の物語。
バラメーター ※ネタバレあり
恋愛度 ☆☆☆☆☆ 星0個
恋愛要素はない。
主人公の佐伯さんと隼の関係は好きだな。
友情度 ★☆☆☆☆ 星1個
佐伯さんと隼は恋愛というより友情に近い。
佐伯さんとあの人(犯人)は友達だろうか。
先生は「あの人と友達になってください」と頼むからな。
仕事仲間とも家族とも違うよなぁ。
家族度 ★★★☆☆ 星3個
佐伯さんと父。
先生とあの人。
先生と隼。
あの人と隼。
先生とあの人と隼。
お互いに大切に想いあっていることが言葉で、行動でじんわり伝わる。
娘が自分の好きな音楽を好きになってくれるのは嬉しいだろうなー。
イケメン度 ★★★★☆ 星4個
先生を筆頭に横江一家は全員それぞれの個性をもったイケメンだ。
若者代表が隼。
中年代表があの人。
高齢代表が先生
三人とも魅力的で三人ともかっこいい。
周囲に馴染めなかった佐伯さんが違和感を感じずに過ごせるのは、温かい優しさが溢れている一家だからなのだと思う。
オシャレ度 ★☆☆☆☆ 星1個
宮下奈都さんには珍しくオシャレ要素が微々だ。
オシャレ?アイテムは黄緑の自転車「ロドリゲス」だけだ。
グルメ度 ★★★☆☆ 星3個
にぎやかに葉が踊る“ダンシング”した紅茶が飲みたくなる。
そして、七輪で先生が焼く油揚げ、父が作るもやしたっぷりのインスタントラーメン。
一緒に食べる人がいるっていいな。
感想
心がほっこりする本。「この本好きだな」って素直に思う。
とんちんかんだと思われている佐伯さんが見ている世界は私とどこか違う。
こんな考え方があるのか、見えた方があるのか、と自分がどんどん情けなくなってしまう。他人をとんちんかんだ、変な人、バカな子と思う私が足りない人なのだ。
私は音楽に非常に疎い。
この小説の鍵となる「エラ・イン・ベルリン」を早速YouTubeで聴いている。
小説に出てくる音楽を聴きながら、本を読むって贅沢。
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