西加奈子さんの小説は全部読んでやろう!と意気込んでいる。
『窓の魚』はピース又吉が愛してやまない小説の1冊。
恋愛小説だけれど、ミステリー要素もあるストーリー。
あらすじ
口数の少ない黒髪のナツ、胸に傷のある優しいアキオのカップルと甘い香りのする可愛いハルナ、煙草ばかり吸う無関心のトウヤマのカップルは温泉旅館に一夜を過ごす。翌朝、宿には身元のわからない死体が発見される。秘密を抱える四人の恋愛小説。
パラメーター
【読みやすさ】 平易 ・★・・・ 難解
【作風】 リアル ★・・・・ シュール
【登場人物】 少なめ ★・・・・ 多め
【雰囲気】 暗め ・・★・・ 明るめ
感想
オススメ度 ★★☆ 星2つ
『窓の魚』は同じ時間を4人の視点から描かれている。
一緒に夕食を食べている時もそれぞれ別のことを考えていたり、別の所を見たり、気にしたりしている。
同じ時間を過ごしていても、全く違う時間を過ごしているみたいだった。
相手を想う4人の感情は恋愛感情なのだろうか。
実は相手を想う気持ちの根本は綺麗ごとなしだと、ドロドロしているのかもしれない。
恋愛小説ではあるが謎が残されたまま話は終わる。
スッキリしない部分は好き嫌いがあるかもしれないが、私はこの有耶無耶が嫌いではない。
解説は中村文則さんで「ああ、納得」という感じがする。
4人の闇、ふとした瞬間の恐ろしい感情などが、中村文則っぽい。