モデルであり、オタク。多趣味の市川紗椰さん好きです。
美人がすすめる本は読みたくなるから不思議。
あらすじ
姉とは違い、他人の目を気にして生きる百合は単純なミスから仕事を辞め、新しいリゾートホテルに五日間滞在することにする。ホテルのバーテンダー坂崎とお金と時間を持て余すマティアスに出会い、ホテルの図書室で写真を探す。図書室には姉が好きな本、姉がいつも読んでいた本「愛のゆくえ」もあった・・・。
パラメーター
【読みやすさ】 平易 ・★・・・ 難解
【作風】 リアル ★・・・・ シュール
【登場人物】 少なめ ★・・・・多め
【雰囲気】 暗め ・・・★・ 明るめ
感想
オススメ度 ★★☆ 星2つ
恋愛小説ではなく、旅先での出会いを通して主人公が自分と向き合う内容。
今まで読んできた西加奈子さんの小説とは雰囲気ガラリと変わっている。
動物は出てこなし、不思議な物が見えたり、聞こえたりもしない。
関西弁のどぎつい人など、西加奈子お得意の超個性的な人物は登場しない。
主人公の百合は恐いくらいリアルな物事を考えている女性。
百合が世間、他人の目を気にする気持ちは私にも痛いほどわかる。
普通に、目立たないように、列をはみ出さないように、私を同じだからだ。
そしてもう一つ。
旅をしたから、出会いがあったからといって、自分自身が大きく変わることはない。
でも、前より一歩。いや半歩は進めている。
主人公の小さな変化、心情をきちんと書かれていると思った。
同世代の女性なら百合に共感できる部分もあるはず。
読み終わると、ふらりと旅したくなる。
そんな本。