“肉子ちゃん”ってすごく迫力のある名前、タイトルだと思う。
肉子ちゃんって聞いただけで、どんな女性なのか何となくイメージできてしまうところも面白い。
『漁港の肉子ちゃん』は文庫本の中でも分厚め。
ちゃんと最後まで読めるかな?と不安が一瞬、頭を過る。
でも、大丈夫。
読み始めたら止まらなくて、もっともっと分厚くてもいい、ずっとこの小説を読んでいたいと思う。
女優・寺島しのぶさん、ピース又吉先生が大絶賛していたのも納得。
あらあすじ
北の港町。焼肉屋で働いている肉子ちゃんは、太っていてとても明るい。キクりんは、そんなお母さんが最近恥ずかしい。肉子ちゃん母娘と人々の息づかいを活き活きと描いた、勇気をくれる傑作。
パラメーター
【読みやすさ】 平易 ・★・・・ 難解
【作風】 リアル ★・・・・ シュール
【登場人物】 少なめ ・★・・・ 多め
【雰囲気】 暗め ・・・・★ 明るめ
感想
オススメ度 ★★★ 星3つ
娘、娘だった人、娘がいる人、要するに全ての女性に読んで欲しい。
家族愛、母娘愛100パーセント!
家族っていいな、娘ほしいなって思う。
小学5年生キクりんのクラスメイトとの悩みは、女子あるある。
思春期ならではの悩みに懐かしさを覚える。
キクりんがどんな大人に成長するのか想像するのも楽しい。
娘のキクりんとは正反対、ブスでデブで何も考えていない母親の肉子ちゃん。
肉子ちゃんは圧倒的に明るくて、人を引き付ける存在。
読み始めたときは肉子ちゃんにちょっとイライラする。
段々と素直に本能で生きてる肉子ちゃんを羨ましく思う自分に気がつく。
最初のイライラは完全に嫉み。
真っ直ぐな人の関わりは理想。
男は糞だけどね。
読んでよかったなぁーとしみじみ思う。
あと、港町なのに魚ではなく、肉が食べたくなる。
とにかくミスジが食べたい。
いや、食べてみたい。