2021年11月読書記録

2021年11月に読んだ本の数:5冊

漫画:1冊

※プラスで毎晩絵本5ー8冊読み聞かせ、漫画10話程度読んでいる

今年は月5冊程度の読書量、去年までは月10冊ペースだったのですが、どう時間を捻出していたのか今や思いさせない。が、おそらくBTSにかける時間が増えたためと思われる。これはもう仕方がない。

 

■キツネ目 グリコ森永事件全真相

作者:岩瀬達哉

「グリコ森永事件」は私が生まれる前の事件のため、時効前に放送されていたと思われる特番で得たうっすらとした知識しかない。お菓子に毒物を仕込んで、お菓子メーカーに脅迫状を送った。犯人はキツネ目をした男性。この程度。

だから、この本を読んで事件の内容、経過を知ったという感じです。ただ、本のタイトルであるキツネ目の男についてはあまり触れられてません。そりゃぁ、未解決事件なんだから作者が書けることなんて限られているのは当たり前といえば当たり前なのですが。

 

 

 

■Humankind 希望の歴史 下 人類が善き未来をつくるための18章 

著者:ルトガー・ブレグマン

上巻に知的好奇心をくすぐる内容が盛り沢山過ぎたの?

面白いんだよ、面白いんだけど、上巻が最高過ぎるのよ。

ホモサピエンス全史もだけど、この手の本って前半がピークなのよね。

アメトーーク!の読書芸人でカズレーザーがおすすめしてました。

 

琥珀の夏

著者:辻村 深月

子供の頃の抱いた気持ち、思い出、記憶。大人になって変わるもの、変わらないものがある。

子供の頃にはわからなかった付き合い、何となく大人の前では口に出してはいけないような言葉、辻村さんは子供の視点を描くのが上手いなぁと思います。忘れていた幼い頃の記憶、感情をフッと思い出させてくれる。なんで忘れていたんだろう。物語の後半、大人の心情が描かれると自分も大人になってしまったと気がつかされる。

かつてカルトと批判された〈ミライの学校〉の敷地から発見された子どもの白骨死体。弁護士の法子は、遺体が自分の知る少女のものではないかと胸騒ぎをおぼえる。小学生の頃に参加した〈ミライの学校〉の夏合宿。そこには自主性を育てるために親と離れて共同生活を送る子どもたちがいて、学校ではうまくやれない法子も、合宿では「ずっと友達」と言ってくれる少女に出会えたのだった。もし、あの子が死んでいたのだとしたら……。
30年前の記憶の扉が開き、幼い日の友情と罪があふれだす。

 

■ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2

著者:ブレイディ みかこ

帯に「完結」とあって、ショックを受ける。終わりなの?

親離れする時期、多感な時期だからこれ以上続けるのは難しいのかな。

私が13歳の時、自分のことで頭がいっぱいで社会や他人に目を向けることは出来なかった。

それは今も同じで、視野が狭いことに反省させられる。

前回に引き続き、「他者の靴」を履いてみる「ぼく」には関心する。

今の子供ってこんなに視野広いの?

 

■+1cm(プラスイッセンチ)たった1cmの差があなたの世界をがらりと変える

著者:キム ウンジュ

BTSメンバーが読んだ本として紹介されていたので、チェック。

著者は韓国の広告代理店のコピーライターとして活躍していた方だということで、

とてもキャッチーな言葉で、心に刺さるものがある。

本の中には「世界が終わるわけではない」という言葉があるのだけれど、私は「死ぬわけではない」と自分に言い聞かせることがよくある。

失敗した時や何かにチャレンジしようとする時など、「別に死ぬわけじゃないし」「時はもどせないし」といったように思うと、引きづらない。二晩寝れば忘れるようになった。

 

怒っていいのは

 

ささいな理由で怒っていいのは

自分が完全無欠なとき

停電で自分の顔が相手に見えないとき

生まれつき怒った顔の人であるとき

怒りんぼコンテスト代表選手のとき

あるいは嬉しいときときに怒った顔をする

不思議の国の住人であるときだけ許される。

 

つまり

怒りを顔に出していいことがあるときなんて、めったにない。

 

深刻でどうしようもない事情があるなら

あなたが怒っているのを見て周りも同情してくれるかもしれない。

でも、ちょっとしたことにイライラしてばかりいるのは

自分の心のせまさをさらけ出すだけだ。

 

怒りをかくす方がずっと上手だよ。

 

 

 

天使なんかじゃない

作者:矢沢あい

天使なんかじゃない」、略して「てんない」15年以上ぶりに読んだ。そして、泣いた。

恋愛、青春、友情、ファッション。高校生の頃に大切だったものがギュッと詰まっている。

登場人物がみんないい子(これ重要)でね、読んでて気持ちが沈まないのがいい。

私が高校生の頃はみんな「NANA」読んで、カラオケで「グラマラススカイ」歌ってたなー。

懐かしくなっちゃいました。

 

 

  

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2021年10月読書記録

2021年10月読んだ本の数:5冊

読んだページ数:695ページ

漫画読破:1冊

 

読書の秋!!

個人的に面白い本に出会えた月でした。

 

 

 

Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章 

著者:ルトガー・ブレグマン 

人間の本質は善である だからこそ人類は、危機を生き残れた。 ⁡

上下巻の読み応えのある本。

ホモサピエンス全史」「絶滅の人類史」が好きな私にはたまらんです。

以前読んだ「ファクトフルネス」「失敗の科学」で得た知識とも繋がって快感!

⁡ 「人間が戦争をしていない時代はないし、遺伝子のせいだから戦争を無くすことは出来ない!」とずーっと何故か思い込んでいたのですが、定住生活する前は戦争をした形跡が見つかっていないと知り、単純に嬉しかった。

文化は恐ろしい。

幼児に人気のアンパンマンから大人も熱狂する(私自身も!)鬼滅の刃まで、すべて暴力で解決している。

コミュニケーション能力が異常に高い生物であるはずなのだが、話し合いで解決することはない。

手を出すのはよくないと子どもに教えているのに、プリキュアを躊躇なく見せる私の矛盾。

架空だからいい?ホントに? ⁡

同年代の著者にも好感。

かつて書いた書物の内容は不十分であることを述べている。

なかなか自分の比は認めらません。 下巻を読むのも楽しみ。

なぜ人類は生き残れたのか。民主主義や資本主義や人間性の限界を踏まえ、 いかに社会設計すべきか、どう生き延びてゆくべきかが書かれた「希望の書」。 ⁡

(以下メモ ネタバレあり 注意)

第1章 あたらしい現実主義

ほとんどの人は、本質的にかなり善良だ ⁡

第2章 本当の「蠅の王」

実際に無人島に取り残された少年たちは互いに支え合った。 リアリティ番組を多く見る少女は、いじわると嘘をつくことは人生で成功するために必要だと答えがち。文化は人間の行動に影響する。 常に人の良い面、明るい面を見るようにすべきだ  ⁡

第3章 ホモ・パピーの台頭

人間は脆弱になり、攻撃されやすくなり、幼く見えるようになり、脳は小さくなった。

・友好的行動 ・セロトニンオキシトシンの増加 ・幼少期、少年期が長くなる ・外見が女性的で若い ・高いコミュニケーション能力

人間は超社会的な学習機械であり、学び、結びつき、遊ぶように生まれついている。 ⁡

第4章 マーシャル大佐と銃を撃たない兵士たち

定住や農業が始まる前に戦争が起きたという証拠は見つけていない。戦争さ無限に時を遡ることはできない。それには始まりがあった。 ⁡

第5章 文明の呪い

戦争が始まったのは、土地を始め、争いの原因になるものを人間が所有するようになったこと。定住するようになった人間が見知らぬ人に対して不信感を抱くようになった。 農耕文明は休みを奪い、女性に重い負担を課した ⁡

第6章 イースター島の謎

自己中心的な島民が自らの文明を破壊し尽くしたわけではない。奴隷商人とウイルスに滅ぼされた ⁡ 問題だけでなく、解決策も指数関数的に成長する可能性があることに、社会は気付いてない。そうなる保証はないが、それは可能だ ⁡

第7章 「スタンフォード監獄実験」は本当か

普通の人々を放っておいても何も起きない ⁡

第8章 「ミルグラムの電気ショック実験」は本当か

自らの本質は罪深いと信じると、人は心が休まる。そう信じれば、一種の赦しが得られる。なぜなら、ほとんどの人が本質に悪人であるなら、約束も抵抗も無駄だからだ。その考えは悪の存在をうまく説明する。憎しみや身勝手さに直面しても「仕方がない、それが人間の本性だから」と自分に言い聞かすことができる。逆に、人間は本質的に善だと信じるのであれば、なぜ悪が存在するのか問わなければならない。また、約束や抵抗は価値あるものとなり、そうする義務が生じてくる。 ⁡

第9章 キティの死

報道された話に真実がほとんど残っていない。 人間の本性についての私たちの見方が間違った方向に進みがちであること。ジャーナリストは、扇情的な話を売るために容易に世論を操ること。緊急事態において、いかにわたしたちは互いに頼りにできるか ⁡ ⁡ 

 

 

 

クララとお日さま

著者:カズオ イシグロ 

まずは一言「最高です」

『わたしを離さないで』を超えました!!

カズオイシグロ作品の中で『わたしを離さないで』が最高傑作だと勝手に思っているのですが、超えてきましたわ。

もうめちゃくちゃ面白い!!

また読みたいと思える本です。

映画化されるんじゃないのか?と今から予想。

カズオイシグロの代名詞である信頼できない語り手は AIロボット主人公のクララです。 ⁡

クララは優秀なロボットではありますが、 ジョジーの家に来たばかりの頃は家庭環境、 人間の感情、登場人物の関係性を把握出来ていません。

また、物語の鍵となる向上処置についても理解していません。

そのため、クララが徐々に学習していくことで 霞んでいた物事の全貌が読者にも明確になっていきます。

このヒントの出し方、タイミングが抜群によくて、想像を膨らませながら、最後まで心地よいペースを保ちながら読み終えました。 ⁡

作品全体を漂うノスタルジックな雰囲気もまた良き!!

 

 

 

 

他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ

著者:ブレイディ みかこ 

“負債道徳”、ジェンダーロール、自助の精神……現代社会の様々な思い込みを解き放つ!
〈多様性の時代〉のカオスを生き抜くための本。

他者の靴を履ける人は、他者にも自分の靴を履かせる人ではなくてならない。

この言葉いいですね。

他者にも自分の靴を履かせるのは私にとってはハードルが高い。

私は著者のイギリスでの話は穏やかな気持ちで読めますが、対EU諸外国や日本の話題になると心が乱れる。

日本で「迷惑をかける」は人を嫌な気持ちにさせること、罪を犯したことの概念がミックスされて使用される。人を煩わしたくないという感覚は人にも煩わしたくないという心理の裏返し。

表層的には他者のことを慮っているように見えても、実は誰とも関わらず「ひとり」で生きていく人の集団だ。

要約してますが、図星だからなのかな?モヤモヤする。

私は嫌な気持ちをさせないようではなく、良い気持ちになって欲しいという思いも込められて使われていると思っている。

視点を変えると「ひとり」で生きる集団にはならないんじゃないかな。

目から鱗だったのが、「感情の名前を教えなさい。子供たちがいま感じているエモーションが何であるのかを説明してあげなさい」感情は子供に大人が教えるものとうこと。 本人が感情をについて知り、言語化することができるようにするため、感情を定義し、名付けていくことで、他社の感情についても自分の中で言葉に変換し理解できるようになるというのだ。 母親から「子供の感情を決めつけるのはよくない」と言われていたこともあって、真逆の考えに驚いた。 

 

 

東大教授がおしえる やばい日本史

著者:本郷 和人,滝乃 みわこ,和田 ラヂヲ,横山 了一

「はじめに」を読んだだけで、この本は面白いぞ!と直感。

完全無欠の偉人なんていません。歴史上の有名人も、みんな、欠点をもったふつうの人間なんです。ふつうの人間が、歴史を作ってきたのです。

だから、歴史を知るときには、昔の人たちの長所を学ぶと同時に、かれらの欠点、やばい部分を知るのも大切です。そうすることで、歴史がぐっと身近なものになる。

中野京子さんの本を読んで、絵画からヨーロッパの歴史を読み解くのも興味深いと思ったけれど、“人”から読み解くのも面白い。

例えば、土方歳三はラブレターを親戚に送りつけてモテ自慢をしている。しかも!そのラブレターが芸者の営業メールの意味合いのものというから恥ずかしい。

 

 

ユーチューバーが消滅する未来 2028年の世界を見抜く

著者:岡田 斗司夫 

ユーチューバーが消滅する未来というタイトルが衝撃的だよね。

まぁ、著者本人もユーチューバーでありますが。

私は最近になって岡田斗司夫を知った。オタク界では有名なんですね。

アニメの造詣に深く、特にジブリの考察が面白い!ちゃっかりチャンネル登録しております。

著者の予想通りYouTubeはタレント、芸人、アイドルが参入。ニッチな番組ではないと素人が生き残るのは難しそうな業界になりそう。コロナがあってより加速しましたね。

私的に恋愛の章は興味深かった。

最初はオタクだから、バーチャルとリアルの境目が消えるなんて言ってるんじゃないの?!と高を括っていたけれど。

「恋愛」イベント色の強いクリスマスやバレンタインデーに対する若者の興味は低下し、「仲間」と盛り上がるハロウィンの方が支持を集めているのは、言われてみれば確かに。

バレンタインデーは特に友達と交換や自分に高級チョコ、インスタ用に映えるチョコを買う人が増えている気がする。

バーチャルで十分というのは、BTSにハマった今の私にはすごくよくわかる。

恋愛している気分が味わえるから、妥協してまで恋人つくらなくてもいいかなぁってなる。

スマホで顔が好みの人を1日中見つめられるんだもん。自分の顔は加工できるし。

仲間と推しの誕生日やクリスマスなどのイベントを祝うのも楽しい。

ただし、人肌は恋しいのが唯一の難点。

 

ザ・ファブル

作者:南 勝久

殺し屋のファブルが相棒の女性と共にボスの命令で新しい人生を送る漫画。

殺しのプロの話なのになんでこんなにも笑えるのか。

アプリ「マガポケ」でシリーズ1は全巻読みんだ。

絵も上手いし、リアリティもあって、全てにおいて◎な漫画でした。

sesond contactも読むこと決定!

  

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【ブックガイド】ノーベル文学賞作家カズオ・イシグロの最新作「クララとお日さま」を含む長編小説8冊レビュー

※2021年10月20日最新作「クララとお日さま」レビュー追記

カズオイシグロを知ったのは、確か、村上春樹柴田元幸の対談だったか、翻訳に関する共著だったかを読んだ時だったと思う。2人が好きな作家なら間違いないだろうとすぐに代表作『わたしを離さないで』、短編集『夜想曲集』を読んだ。

そこから間が空いてしまったが、2017年ノーベル文学賞を受賞したことにより、また読み始め、日本語翻訳されている長編小説は一通り読んだ。

カズオイシグロは日系イギリス人小説家。長崎で生まれ、5歳の時に父親の仕事の関係でイギリスに渡った。その後、英国籍を取得し、ロンドンに住んでいる。

長篇デビュー作『遠い山なみの光』王立文学協会賞。続いて『浮世の画家』でウィットブレッド賞を受賞。『日の名残り』では、35歳の若さでイギリス文学の最高峰ブッカー賞に輝いている。デビューからとんとん拍子で賞を総なめ、作品数は少ないもののノーベル文学賞までも受賞するのだからすごい。

 

 パラメーター

【読みやすさ】 平易 ・・・・ 難解

【作風】 リアル ・・・・ シュール

【登場人物】 少なめ ・・・・多め

【雰囲気】 暗め ・・・・ 明るめ

 

私が1番好きな作品は『わたしを離さないで』。カズオイシグロを初めて読む人にもオススメ。逆に初読みに『充たされざる者』はすすめない。文章は難しくないし、話も複雑ではないはずなのに、読み進めるのに根気がいる。

 

 

遠い山なみの光 (ハヤカワepi文庫)

遠い山なみの光 (ハヤカワepi文庫)

 

遠い山なみの光

オススメ度 ★★★ 星3つ

悦子は娘が自殺した喪失感の中、戦後まもない長崎で出会った母娘を回想する。

本作が著者のデビュー作。

カズオイシグロのバックボーン“日系イギリス人”と代名詞の〝信頼できない語り手〟の両方を楽しむことができる。 

 

 

浮世の画家 (ハヤカワepi文庫)

浮世の画家 (ハヤカワepi文庫)

 

 

浮世の画家

オススメ度 ★☆☆ 星1つ

戦時中、日本精神を鼓舞する作風で名をなした画家の小野。

尊敬を集める地位にあったが、終戦を迎えたとたん周囲の目は冷たくなった。

小野は過去を回想しながら、自らが貫いてきた信念と新しい価値観のはざまに揺れる。

本作が土台となり、『日の名残り』へ繋がっていく。

 

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

 

日の名残り

オススメ度 ★★★ 星3つ

品格のある執事を追求し続けてきたスティーブンスはかつての女中に会いに短い旅に出た。

旅中、長年仕えたダーリントン卿時代の日々を回想する。

語り手は記憶があいまいな主人公のスティーブンス。

過去は美化されやすい。スティーブンスは旅中に記憶と事実の違いに直面する。

 

 

充たされざる者 (ハヤカワepi文庫)

充たされざる者 (ハヤカワepi文庫)

 

充たされざる者

オススメ度 ★★☆ 星2つ

世界的ピアニストのライダーは、町の危機を乗り越える最後の望み「木曜の夕べ」という催しで演奏する予定だが、日程や演目さえ彼には定かでない。

ライダーはそれとなく詳細を探るが、奇妙な相談をもちかける市民たちが次々と邪魔に入る。

何だかよくわからないまま終わってしまう、全体的に霧がかかったようにはっきりしないストーリー。

 

 

わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)

わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)

 

わたしたちが孤児だったころ

オススメ度 ★★☆ 星2つ

両親の行方を突き止めるために探偵になった主人公の小説。

人の記憶というものは曖昧。

主人公のバンクス本人が信じていることと客観的な事実とのズレがり、悲しい結末を迎える。

 

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

 

『わたしを離さないで』

オススメ度 ★★★ 星3つ イチオシ!

優秀な介護人キャシーは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。

ヘールシャムにある全寮制での奇妙な日々に思いをめぐらす。

少しずつ明らかになっていくキャシー自身も知らない秘密に胸がドキドキした。

私が一番好きな作品、映画も見たけど、映像化には難しさがあると私は思った。

 

忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)

忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)

 

忘れられた巨人

オススメ度 ★★☆ 星2つ

遠い地で暮らす息子に会うため、長年暮らした村をあとにした老夫婦。

ある村で少年を託されたふたりは、若い戦士を加えた四人で旅路を行く。

竜やら騎士が出てきて、ファンタジーテイストでありつつも、なぜか単調に話は進んでいく。物事が単調に進んでいくのは他の作品も同じですが。

なかなか読み解くのは難しい作品で、私は読み終わった後も頭に“?”が浮かんでる。

 

『クララとお日さま』

オススメ度 ★★★ 星3つ オススメ!

AIロボットと少女との友情が描かれたノーベル文学賞 受賞第一作、最新作です。

まずは一言「最高」です!

カズオイシグロの代名詞である信頼できない語り手はAIロボット主人公のクララです。

クララは優秀なロボットではありますが、ジョジーの家に来たばかりの頃は家庭環境、人間の感情、登場人物の関係性を把握出来ていません。また、物語の鍵となる向上処置についても理解していません。

そのため、クララが徐々に学習していくことで霞んでいた物事の全貌が読者にも明確になっていきます。このヒントの出し方、タイミングが抜群によくて、想像を膨らませながら、最後まで心地よいペースを保ちながら読み終えました。

作品全体を漂うノスタルジックな雰囲気もまた良い。このおかげでSFっぽくならない、独特な世界観を放っていると思います。

2021年9月読書記録


読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1185ページ

 

 

『ケーキの切れない非行少年たち』宮口幸治

児童精神科医である筆者は、多くの非行少年たちと出会う中で、「反省以前の子ども」が沢山いるという事実に気づく。少年院には、認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない非行少年が大勢いたが、問題の根深さは普通の学校でも同じなのだ。人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当て、困っている彼らを学校・社会生活で困らないように導く超実践的なメソッドを公開する。

私自身の想像力の欠如が露わになった。

私はなぜか健常者と障害者の区別しかないと思い込んでいた。社会的に区切っただけでその間の人たち(境界知能の人たち)がもちろん存在する。「軽度」だから、日常生活に支障がないからといって、支援が必要ではないということにはならない。当たり前のことなのに頭からすっぽり抜け落ちていた。というより、考えに及ばなかった。ものすごく反省している。

そして気になったのが、IQが高い人たちの存在。彼女ら(彼ら)からは社会や私たち(一般的なIQの人たち)がどのように見えるのだろうか。

本来は支援をされないといけない障害をもった子どもたちが、なぜ凶悪犯罪に手を染めることになったのか。著者は認知機能のトレーニングを推奨している、5分でできる「ゴクトレ」なるものだ。問題はこのメゾットを実践するにも家庭と学校と社会が子どもたちを「気にかける」必要があること。子どもの異変に気がつけば、支援なり、病院に通うなり、何か行動を移すことができる。でも、実際には「気にかけられなかった」子どもたちが犯罪を犯しているように思えてならない。我が子の認知能力を心配し、ゴクトレの情報を得て、5分の時間を割ける家庭はよい。そもそも、我が子の認知能力について気にかけるまでがいかない。「個性」「成長」という言葉でいくらでも済ませらる。

 

(メモ)

『非行少年の特徴5点セット+1』

・認知機能の低さ

見たり聞いたり想像する力が弱い

・感情統制の弱さ

感情をコントロールするのが苦手。すぐにキレる

・融通の利かなさ

何でも思いつきでやってしまう。予想外のことに弱い

・不適切な自己評価

自分の問題点がわからない。自信があり過ぎる、なさ過ぎる

・対人スキルの乏しさ

人とのコミュニケーションが苦手

+身体的不器用さ

力加減ができない、身体の使い方が不器用

『子どもたちが発してるサイン』

・感情コントロールが苦手ですぐカッとなる

・人とのコミュニケーションがうまくいかない

・集団行動ができない

・忘れ物が多い

・集中できない

・勉強のやる気がない

・やりたくないことをしない

・嘘をつく

・人のせいにする

・じっと座っていられない

・身体の使い方が不器用

・自信がない

・先生の注意を聞けない

・その場に応じた対応ができない

・嫌なことから逃げる

・漢字がなかなか覚えられない

・計算が苦手

サインの出し始めは小学2年生から。他にも勉強についていけない、遅刻が多い、宿題をしてこない、友だちに手をあげる、万引きをするなど。背景には知的障害や発達障害といったその子固有の問題や、家庭内での不適切養育や虐待といった環境の問題があったりする。

「知的なハンディをもった人たちは、普段生活している限りでは健常の人たちと見分けがつかない」

社会的には普通の人と区別がつかないため、要求度の高い仕事を与えられて、失敗すると避難されたり、自分のせいだと思ってしまったりする。自らも「普通」であること示そうとするので、仕事などで失敗が続いても、必要な支援の機会を失うかまたは拒否することに繋がっている

 

 

 

 

 

『三体Ⅲ 死神永生 上・下』 劉 慈欣

三体文明の地球侵略に対抗する「面壁計画」の裏で、若き女性エンジニア程心(チェン・シン)が発案した極秘の「階梯計画」が進行していた。目的は三体艦隊に人類のスパイを送り込むこと。程心の決断が人類の命運を揺るがす。シリーズ34万部以上を売り上げた衝撃の三部作完結!

正直な話、大筋は理解できる程度ではありますが、けっこう飛ばして読みました。特にクライマックス次元の話はちんぷんかんでした。そんな奴の感想になります。私にはSF難しい。

最終巻の主人公は程心という女性になる。この主人公が私は好かなくて、最初の登場から最後まで私の期待を裏切り続ける。いや、まぁこの主人公のミスと身勝手な行動がないと話が進まないのですが。

主人公が女性だから感情的だったり、無能に見せようとしているんじゃないかと勘繰ってしまった。けど、知的なエンジニアという設定でもあるんですよね。

同性だから嫌悪感を抱いてしまうのかと感想を検索したら、私と同じような感情を持った人がいてちょっと安心した。その感想を書いている人たちが女性の可能性がなきにしもあらず。

天明が人類に贈った物語は素敵でした。あそこだけでも絵本とかにして欲しい。

 

『夫のトリセツ』 黒川伊保子

話が通じない、思いやりがない、わかってくれない、とにかく気が利かない…それでも、夫をあきらめない。夫婦70年時代のバイブル!40万部突破の『妻のトリセツ』、待望の第2弾!

笑かせていただきました。

何十回(百回はいってないと思うw)と「離婚したい!」と思ってきましたが、これ読んだら馬鹿らしくなってきました。

私が離婚したい!と思うキッカケになる物事はどうやら夫と私だけではなく、ほとんどの男女の間で頻繁に起こり得ることだと知ったから。

夫のひどい一言、気が利かない態度は愛情の欠如でもなく、夫自身の個性でもなく、男らしさの副産物。

男変えても同じなんですよ、離婚したからといって解決されないんですよ。

万が一、テテ(BTS)や大谷翔平と結婚出来たとしても同じことで悩む可能性あるですよ。

だったら、結婚生活を続けながら善処していく方がいい。

著者も、私も離婚に反対はしません。下手したら夫と70年ちかく人生を共に生きるわけです。

幸せが見出せないなら離婚の選択はあると思う。

私も未来はどうなっているかわからないから、保険の意味合いもあります。

我ながらずるい。

この本には「お嫁ちゃん」もよく登場し、仲は良好のように書かれている。

あまのじゃくの性格な為、一緒に生活していてそんなわけないと思っている。

「姑のトリセツ」または「嫁のトリセツ」なるものがあったら是非とも読んでみたいですね。

(メモ)

・言ってほしいことはルール化する

気を利かせて、察して優しさをお求めるのは酷。

・夫の言葉は裏読みしない

「おかず、これだけ?」は「この鮭一切れで、ご飯2杯を食べればいいんだね?」という確認である

・夫は気が利かない

家事を手伝わないのではなく、妻の所作を認知できていないだけ

・夫に不安を解消してもらおうと思うな

・朝からやったことを列挙して泣く

妻がどんなに身を扮しているかわかっていない

 

  

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2021年9月日記

誰も本人に臭いは指摘出来ない。それを知っている同僚は歯医者にまで行って口臭をチェックするのだそうだ。歯医者で臭わないと言われて安心していた。知っているんだよね?!誰も本人に向かって「くさい!」とは言えないことを。医者も、家族も、私も。

 

ナルトをウザいと思ってしまい、読み進めるのに躊躇いが出てきた。ルフィも、悟空も、同じように真っ直ぐに突き進むタイプではあるなに。なぜなのか。学生時代はすごく好きだったんだけどなぁ、年齢なのか、時代なのか。

 

新型コロナワクチンの接種。1日目は打った左腕が筋肉痛のような感じ。2日目は痛い。子どもが抱きついてきたり、当たっただけで激痛。子どもには説明していたし、悪意がないのはわかっていても、「痛い!」と大声を発してしまう。3日目には落ち着いてきて、上に腕を上げたりは出来ない程度。4日目の今は左腕にダルさ、違和感が残っている。この痺れがしばらく続き不安になる。

 

『ケーキの切れない非行少年たち』を読み始める。途中で閉じた裏表紙の写真が目に入り、著者が男性だと知る。優しい文体の為、てっきり女性が書いていると思い込んでいた。文に性差はない。

 

コロナが終息したら韓国に行きたい!と子ども。その前にじーばーがいる北海道じゃない?と夫が言うも、赤ちゃんの時会ってるからいいんじゃない?!………薄情な子ども。

 

いつもより早めに子どもを迎えに行くと、ちょうどオヤツタイム。子どもたちは静かに黙っておにぎりを食べている。子どもは先生たちの素顔を見たことがない。保育園でもコロナについては子どもたちに説明されており、手を洗うことはもちろん、咳エチケットなんかも教えられている。

 

ついに子どもの誕生日。朝からハイテンションである。ケーキにプレゼント、大満足してくれたっぽい。またしばらくプリキュア祭りだ。

 

『三体 死神永生』を読み始める。未来の男性は外見が完全に女性化しているように描かれている。中国共産党は思想や文化の統制に一段と力を入れるというニュースが流れている。急成長している男性メイク、アイドルを規制していくようだ。

 

BTS“Butter”のスペシャルパフォーマンスビデオを見る。ダンスが得意の3Jが踊る最高の動画。何回見ただろうか?ジミンの顔が好みでBTSを見るようになったが、結局全員が好きってなるのよね。グクとテテの見分けが全くつかなかったのが懐かしい。

 

髪の毛は長く、顔にブツブツ。子どもは私を描く時の特徴。ブツブツとはシミ、ソバカスのこと。正直過ぎて辛い。

 

5時半に目が覚める。毎朝の楽しみである『ザ・ファブル』を読む。かなり面白い。

 

コロナワクチン2回目。ビビって痛み止めを早めに飲んだせいか、1回目よりも腕は痛くない。それよりも、ぎっくり腰をやってしまい、そちらの方が辛い。動けなかった。

 

大谷くんへフォアボールばかりで嫌になる。いやぁ、打っちゃうからね。仕方ないよね。

 

テレビ放送された映画『鬼滅の刃』を観る。一番のお目当ては映画よりもアニメの最新情報である。まさか、まさかの発表に煉獄杏寿郎ファンである私は歓喜!!わっしょい!

 

ウッチャンも、しょこたんもARMYだと知る。はぁ、私が好きになるのわ仕方ないんだわ。2人はV推しらしいが、私はみんなが好きで決められない。子どもにはせっせとメンバーの名前、BT21キャラクターを描かせたりしている。子どもは紅茶花伝とタイニータンとのコラボCMが家にいる口ずさんでいる。そしてついに「BTS WORLD」なる育成アプリに手を出す。テレビ電話がかかってくるの!これはヤバい…

 

『夫のトリセツ』を読む。あるある話ばかりで笑えた。ママ友と愚痴ってるような感覚。今の不満は男を変えても変わらない可能性があると知れたら、夫婦生活頑張れそうな気がした。でもさぁ、下手したらあと60年以上一緒に過ごすと考えたら、なんかちょっと複雑な気持ち。

 

欲しかったヘアドライヤー買った。プラシーボ効果かもしれませんが、髪の調子がよくなった気がする。苦痛だった髪を乾かす作業も今は楽しみで仕方ない。