2020年9月読書記録

2020年9月の読書メーター

読んだ本の数:8冊

読んだページ数:2259ページ 

 

アルジャーノンに花束を〔新版〕

著者:ダニエル キイス 

★★☆

 

32歳になっても幼児の知能しかないパン屋の店員チャーリイ・ゴードン。そんな彼に、夢のような話が舞いこんだ。大学の偉い先生が頭をよくしてくれるというのだ。この申し出にとびついた彼は、白ネズミのアルジャーノンを競争相手に、連日検査を受けることに。やがて手術により、チャーリイは天才に変貌したが…

 

主人公・チャーリイの手記という設定。チャーリイの知能が上がるに連れ、文章が進化していくのが斬新だった。

最初は平仮名で読み進めるのに苦労し、後半IQ185の天才になると単語の理解が出来なくなる。

チャーリイは知能は向上しても、性格、感情、社会性などは幼いまま。相手の反応をみて、わかりやすい言葉、表現に変えたり、話を噛み砕くことが出来ない。他人とコミュニケーションが取れず、孤独になっていく。

チャーリイは私でもある。そして、あなたでもある。読んでるとハッとさせられる。

 

アルジャーノンに花束を〔新版〕

アルジャーノンに花束を〔新版〕

 

 

 

■名画で読み解く イギリス王家12の物語 (光文社新書)

著者:中野 京子 

★★☆

たった9日間の王女ジェーン・グレイ 邪魔者を力ずくで排除し続けたヘンリー八世 生涯独身を貫いたエリザベス一世 「名画」を読み解けば、歴史も、絵画も、人間もわかる。 累計17万部突破のベストセラーシリーズ、最新作! 王家が転変する度に途轍もない人物が生まれ、ドラマが生まれるのが英国史の面白さといえる。また大国でいまだ王室を戴いているのはイギリスだけというのも興味が尽きない。 本書では、イギリス王室の三王朝、イングランド人によるテューダー家、スコットランド人によるステュアート家、ドイツ人によるハノーヴァ家とその変名の王家について、それぞれ名画にからめた歴史物語を繙いてゆきたい。 (序章より)

 

文学YouTuberベルさんが中野京子さんを愛読されているということで読み始めた。

おもしろい!!

勉強の歴史は嫌いだけど、物語としての歴史は好き。

絵画も同じ。ウンチクを語ったりは出来ないけれど、眺めるのは好き。

東京では英国王室の絵画展もあるそうで・・・行きたい!!

【展覧会詳細】 展覧会名:ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリー所蔵 KING&QUEEN展 ―名画で読み解く 英国王室物語― 会期:2020年10月10日 (土) 〜 2021年1月11日 (月・祝) 会場:上野の森美術館(〒110-0007 東京都台東区上野公園1-2) 主催:ロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリー、フジテレビジョン東京新聞上野の森美術館 協力:ヤマトグローバルロジスティクスジャパン 後援:ブリティシュ・カウンシル キュレーター:シャーロット・ボランド 日本側監修: 熊澤 弘(東京藝術大学大学美術館准教授) 

名画で読み解く イギリス王家12の物語 (光文社新書)
 

 

■マスカレード・ホテル (集英社文庫)

著者:東野 圭吾 

★★☆

 

都内で起きた不可解な連続殺人事件。容疑者もターゲットも不明。残された暗号から判明したのは、次の犯行場所が一流ホテル・コルテシア東京ということのみ。若き刑事・新田浩介は、ホテルマンに化けて潜入捜査に就くことを命じられる。彼を教育するのは、女性フロントクラークの山岸尚美。次から次へと怪しげな客たちが訪れる中、二人は真相に辿り着けるのか!?いま幕が開く傑作新シリーズ。

マスカレードとは仮面舞踏会のことだそうな。

やっぱり面白いな東野圭吾

東野圭吾さんって、たくさん執筆されているイメージなんだけど、頭の中どうなってるんだろう?

 

マスカレード・ホテル (集英社文庫)

マスカレード・ホテル (集英社文庫)

  • 作者:東野 圭吾
  • 発売日: 2014/07/18
  • メディア: 文庫
 

 

 

■名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)

著者:中野 京子 

★★☆

 

650年にわたる血みどろの王朝劇---- 欧州いちの一族と謳われたハプスブルク家。その王や王妃の波乱万丈の物語を、デューラーからマネまで、12の名画に寄り添いながら読み解く。 絵画全点オールカラーで収録。

すっかりハマった中野京子さん。

「名画で読み解く」シリーズはこのハプスブルク家が一番面白かった。

ハプスブルク家の人々の個性が強いからかもしれない。顔の。つい、ネットでも調べちゃう。

血族結婚を繰り返し、家系図もややこしい。

よく見る絵画がハプスブルク家の人たちだったこともわかり、ますます魅了された。

 

 

 

  

 

 

 

 

■名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語 (光文社新書)

著者:中野京子 

★★☆

 

ブルボン家はヨーロッパ名門中の名門だが、王朝としてフランスに君臨したのは、およそ二五〇年。ハプスブルク家が、最後は大伽藍がゆっくり崩れ落ちるように濛々たる煙の中に没していったとするならば、ブルボンの終わりはギロチンの刃の落下と同じ、すばやくあっけないものだった。(「はじめに」より抜粋) 世継ぎの混乱と血みどろの宗教戦争に彩られた王朝の誕生から、十九世紀、ヨーロッパ全土に吹き荒れた革命の嵐による消滅まで、その華麗な一族の歴史を、十二枚の絵画が語りだす。『名画で読み解く ハプスブルク家 12の物語』に続く、ヨーロッパの名家を絵画で読み解く第2弾。

 イギリス王家が残酷、ハプスブルク家インパクトに比べる印象が薄い。

太陽王ルイ14世、マリーアントワネットなどは、ある程度知識があるからだろうか。

 

名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語 (光文社新書)
 

 

 

■エンド・オブ・ライフ (集英社インターナショナル)

著者:佐々涼子 

★★☆ 

 

「死ぬ前に家族と潮干狩りに行きたい…」患者の最期の望みを献身的に叶えていく医師と看護師たち。最期を迎える人と、そこに寄り添う人たちの姿を通して、終末期のあり方を考えるノンフィクション。  

 

こんな最期だったらいいですよね。

医師、看護師、家族が最期の望みを叶えてくれる。それを叶えらる人は多くはないんだろうなぁとも思った。

 

 

 

どちらかが彼女を殺した (講談社文庫)

著者:東野 圭吾 

★★☆

 

最愛の妹が偽装を施され殺害された。愛知県警豊橋署に勤務する兄・和泉康正は独自の“現場検証”の結果、容疑者を二人に絞り込む。一人は妹の親友。もう一人は、かつての恋人。妹の復讐に燃え真犯人に肉迫する兄、その前に立ちはだかる練馬署の加賀刑事。殺したのは男か?女か?究極の「推理」小説。

加賀刑事が出てきてびっくり、加賀シリーズだったのね。

犯人の名前は直接書かれていない。

犯人は妹の親友か、妹の元恋人の二択というのはわかって読み進めていく。

読み終わったあと答え合わせをするためにネットでネタバレ、解説サイトで確認した。

どちらかが彼女を殺した (講談社文庫)

どちらかが彼女を殺した (講談社文庫)

  • 作者:東野 圭吾
  • 発売日: 1999/05/14
  • メディア: 文庫
 

 

■似ている動物「見分け方」事典

★☆☆ 

 

タヌキとアライグマ、ムササビとモモンガ、ヤギとヒツジ、ダチョウとエミュー、イルカとサメ、ダンゴムシとワラジムシ……。 世の中には、見た目がとても似ている動物たちがいます。 これらの違い、わかりますか? 「もちろん、わかる!」という方は多いと思います。 では、どこがどのように違うか説明できますか? 本書は、哺乳類や鳥類、爬虫類、魚類、昆虫といった動物たちのなかから、見た目が似ているものを選び、それらの違いを、イラスト満載のチャートと、わかりやすい文章で解説します。 第1章は哺乳類と鳥類、第2章は水のなかで暮らす動物たち、第3章は昆虫を中心とした節足動物をとりあげます。 身近な動物から、動物園や水族館の人気者まで、外見の特徴や行動の特性などから、似ている動物の見分け方を紹介します。 動物の生態や進化がわかる、家族みんなで楽しめる一冊です。 

 似ている動物は言葉で説明するのが難しい。人間も同じだとは思うけれど。

 イラストを見れば、「ああ、そうそう違うよね」ってなるけど、実物を見て見分けられるだろうか。爬虫類、魚類はまず出来る気がしない。

イラスト、写真がもう少しあればより理解しすかったように思う。でも、昆虫の写真があったら私は手に取らなかも。と考えるとちょうどいいのか?

似ている動物「見分け方」事典

似ている動物「見分け方」事典

  • 発売日: 2017/09/26
  • メディア: 単行本
 

 

 

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2020年9月読み聞かせ記録。3歳の子どもに読んだ本

9月で3歳になった子どもへの読み聞かせ記録。

毎晩、寝る前が絵本タイム。9月は147回読みかせをした。

1日平均4.9回

 

                   f:id:tonarino-k-yome:20201003013551j:image

 

前半は図書館で借りてきた『もしもせかいがたべものだったら』に費やす時間が長く、他の本を読む余裕がなかった。タイトル通りに絵本だから大人でも見ていてワクワクする絵本ではあるけれど、さすがに1日に何分も付き合わされたら飽きる。逆に言うとそれくらい子どもは夢中だった。

ちなみに馴染みのない食べ物もあって「これ、なに?」と聞かれた時は即答できなくて困った。表紙からしていかにも海外の絵本!そして、ザ海外お菓子!そしてそして、日本にはない色味!部屋にあるだけでオサレ感ある。

もしもせかいがたべものでできていたら

もしもせかいがたべものでできていたら

  • 発売日: 2015/09/26
  • メディア: 大型本
 

 

『おねがい パンダさん』『いつつごうさぎのきっさてん』は子どもが好きそうな絵だったので借りてきた絵本。大人からすると『おねがい パンダさん』の内容、意味が謎。でも、子どもは気に入った様子。絵が好みだったのか?

いつつごうさぎのきっさてん (えほんのぼうけん)
 

 

1962年初版。50年以上前に発売された『かばくん」が今でも子ども虜にするのがすごい。「サンケイ児童出版文化賞受賞作品」「全国学図書館協議会選定図書」「厚生省中央児童福祉審議会特別推薦図書」子どもから愛される本はいつの時代も変わらないということか。

 

かばくん (こどものとも絵本)

かばくん (こどものとも絵本)

  • 作者:岸田 衿子
  • 発売日: 1966/12/25
  • メディア: 単行本
 

 

後半は「お月見」「ハロウイン」など季節柄の本を読んでいた。個人的には『いただきますの おつきさま』が好き。美味しいお月さまが落ちてきて・・・どうぶつたちはどうするのか?発想もだけど、うさぎの口調も愛らしい。

 

いただきますの おつきさま (講談社の創作絵本)

いただきますの おつきさま (講談社の創作絵本)

  • 作者:鈴木 真実
  • 発売日: 2017/09/07
  • メディア: 単行本
 

 

 

 

 


                       f:id:tonarino-k-yome:20201003013554j:image

2020年8月読書記録

2020年8月の読書メーター

読んだ本の数:11冊

読んだページ数:3360ページ 

+漫画 

 

■村上T 僕の愛したTシャツたち

著者:村上春樹 

★☆☆

読む人は村上春樹のファンだよね。

私は村上春樹が書く文章が好きで、どんな文章でも読みたいし、欲しいている。私生活だって気になる。だから読む。そうじゃない人が読んでも楽しめるのか、面白いのかはわからない。

つい集まってしまったTシャツたち。『ポパイ』連載の人気エッセイが一冊になりました!村上春樹段ボール箱で積み祝がった膨大なコレクションから、Tシャツをめぐる18篇のエピソードと108枚のお気に入りTを収録。Tシャツにまつわるインタビューも。 

村上T 僕の愛したTシャツたち

村上T 僕の愛したTシャツたち

 

  

 

■日本一の洗濯屋が教える 間違いだらけの洗濯術

著者:洗濯ブラザーズ

★★☆

出来る範囲で実践中。

夫の枕カバーや靴下等々の臭さ、子どものどこでつけてきたのか不明の謎の汚れ・・・。家族が増えると洗濯の悩みも増える。それを落とす手間もね。

そんな様々な汚れ、匂いとの死闘、ありとあらゆる洗剤を試す日々とおさらば出来そう。我が家の汚れはほぼプレウォッシュで解決していおります。使用する水の量は増えたけど、洗剤量は減った。

何より私のストレスが減った!汚れは落ちて、服の状態をよく保てるのであれば、お洒落したい。どうせ汚れるし、すぐにダメになるから安くて洗いやすいという服選びの基準からおさらばしたい。もしかしたら、私のライフスタイルをも変えさせる本かもしれない。

ちょっと値段がする服を自分で洗うのは勇気がいる。制服、ダウンジャケットも自宅で洗えると書いてあるけど、万が一の失敗を想像し、クリーニング行きを選んでしまうのは私だけ?

ちなみに情報が足りず、あの手この手で1冊の本にした感あります。あきらかに雑誌、ネット某体の文字量。私でも既に知っている内容もあり、人によっては得るものがない可能性がある注意本。

ズボラでもちょっとの工夫で臭わない!黄ばまない!アイロンいらず!クレイジーケンバンドや有名劇団の衣装をクリーニングする洗濯ブラザーズのノウハウを大公開!!

日本一の洗濯屋が教える 間違いだらけの洗濯術
 

 

 

 

■サカナとヤクザ ~暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う~

 著者:鈴木智

★☆☆

日本人の口にしているウナギ、カニの大多数は暴力団の密漁品とのこと。

北海道、東北と私の馴染みの場所で、私の全く知ることのなかったことが行われているとは驚いた。

個人的にはウナギの実態が興味深かった。

北海道から築地、九州、台湾、香港まで、5年にわたる長期取材でついにその実態を掴んだ!「高級魚を食べると暴力団が儲かる」食品業界最大のタブーを暴く。築地市場から密漁団まで決死の潜入ルポ!

 

 

 

■裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち 

著者:上間陽子 

★★☆

暴力を当たり前のように受け止めている少女たちが辛かった。

父親から、兄から、彼氏から、夫から、赤の他人から。

世の中はまだまだ殴る、蹴るなどの暴力を許していると私は感じている。 

沖縄の女性たちが暴力を受け、そこから逃げて、自分の居場所をつくりあげていくまでの記録。 

裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち

裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち

 

 

 

■天才はあきらめた

著者:山里 亮太 

★☆☆

負の感情をガソリンにしてここまで努力できる人はそうそういないでしょう。

あまりにも赤裸々で他人の日記を読んでいるような、少し罪悪感を覚える(読んだことないけど)

 『天才はあきらめた』は、 山里亮太さんが格好悪いこと、情けないことも全て書いた、 芸人の魂の記録です。

天才はあきらめた (朝日文庫)

天才はあきらめた (朝日文庫)

 

 

 

 

出口のない海 

著者:横山秀夫

★★☆

戦時中の青年たちの心情はリアルで、死を約束された人間魚雷「回天」に搭乗するまでの葛藤は差し迫るものがあった。

それだけに最後の場面は興醒め。一気に小説という現実に引き戻された感覚。

横山秀夫は読んで間違いがなく、私が求めるものが高くなっているせいもある。

甲子園の優勝投手・並木浩二は大学入学後、ヒジを故障。新しい変化球の完成に復活をかけていたが、日米開戦を機に、並木の夢は時代にのみ込まれていく。死ぬための訓練。出撃。回天搭乗。―しかし彼は「魔球」を諦めなかった。組織と個人を描く横山秀夫の原点。  

出口のない海 (講談社文庫)

出口のない海 (講談社文庫)

  • 作者:横山 秀夫
  • 発売日: 2006/07/12
  • メディア: 文庫
 

  

 

 

■女子の選択

著者:橘木 俊詔 

★☆☆

著者の別著書に書かれている内容が多く、もっと女子に突っ込んだ内容だと思っていただけに残念。男性視点、データベースだから仕方がないのかもしれない。

学歴、結婚、出産、キャリア、介護をどう選択するかで女性の人生は大きく変わると声を大にして言いたい。

大学の歴史、説明は必要はなかったと思われ。

ワセジョ慶應ガール、就職先はどう違う?総合職と準総合職と一般職と専門職、働き方はどう違う?四大卒と高卒・短大卒、どちらが幸せ?「高学歴女性の学歴・結婚・キャリア」を格差研究の第一人者が徹底分析!

女子の選択

女子の選択

 

 

 

■巴里マカロンの謎

著者:米澤 穂信 

★☆☆

小鳩くんと小佐内さんの恋愛に発展しない関係、やりとりが好き。

それはないだろう、と少々無理のあるミステリだったかな。

中学生の古城さんが仲間入り?続編はあるのかな?

「わたしたちはこれから、新しくオープンしたお店に行ってマカロンを食べます」その店のティー&マカロンセットで注文できるマカロンは三種類。しかし小佐内さんの皿には、あるはずのない四つめのマカロンが乗っていた。誰がなぜ四つめのマカロンを置いたのか?小鳩君は早速思考を巡らし始める…心穏やかで無害で易きに流れる小市民を目指す、あのふたりが帰ってきました! 

巴里マカロンの謎 (創元推理文庫)

巴里マカロンの謎 (創元推理文庫)

  • 作者:米澤 穂信
  • 発売日: 2020/01/30
  • メディア: 文庫
 

 

 

 

■ルパンの消息 

著者:横山 秀夫 

★★★

これがデビュー作ってマジですか?!

信じられないくらいクオリティが高くて驚いた。さすが、横山秀夫ですわ。

昭和時代の青春ミステリ。

携帯電話がない時代、学校をサボって高校生が集まるのが喫茶店。トドメの3億円事件。

平成が想像するザ・昭和でした。

十五年前、自殺とされた女性教師の墜落死は実は殺人―。警視庁に入った一本のタレ込みで事件が息を吹き返す。当時、期末テスト奪取を計画した高校生三人が校舎内に忍び込んでいた。捜査陣が二つの事件の結び付きを辿っていくと、戦後最大の謎である三億円事件までもが絡んでくるのだった。時効まで二十四時間、事件は解明できるのか。 

ルパンの消息 (光文社文庫)

ルパンの消息 (光文社文庫)

 

 

 

■ザリガニの鳴くところ

著者:ディーリア・オーエンズ 

★★★

今年のベスト本になりそうな予感。

動物学者という著者のバックボーンがあるからこそ描ける唯一無二の小説。

ミステリー本だと思って読み始めたけど、一人の孤独な少女の生涯が描かれた物語でした。

私の好きなテイストの本。

翻訳本は物語の流れと頭の整理とのリスムが合わないことが起こりやすく、本来の面白さを堪能出来ないことがある。この本はそれがなく、最後までリズミカルに読めた。

いつもなら馴染みの海外の人の名前と人物像が一致するのにタイムラグが生じる。翻訳が上手なのか、原作がわかりやすい構造だからかなのか・・・私には判断出来ないけれど、翻訳本が苦手な人も比較的チャレンジしやすい本だと思う。

ノースカロライナ州の湿地で男の死体が発見された。人々は「湿地の少女」に疑いの目を向ける。6歳で家族に見捨てられたときから、カイアはたったひとりで生きなければならなかった。読み書きを教えてくれた少年テイトに恋心を抱くが、彼は大学進学のため彼女を置いて去ってゆく。以来、村の人々に「湿地の少女」と呼ばれ蔑まれながらも、彼女は生き物が自然のままに生きる「ザリガニの鳴くところ」へと思いをはせて静かに暮らしていた。しかしあるとき、村の裕福な青年チェイスが彼女に近づく……みずみずしい自然に抱かれた少女の人生が不審死事件と交錯するとき、物語は予想を超える結末へ──。 

 

ザリガニの鳴くところ

ザリガニの鳴くところ

 

 

 

■子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から 

著者:ブレイディみかこ 

★★☆

去年のノンフィクション本屋大賞『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』が良く、他の本も読みたくなって。

結果、読んで良かった。他の著書も読むつもり。

保育士として日常生活を送りながら見えてくる格差社会がニュースではわからなかった英国のリアルだ。

日本に住む私も他国での出来事だからと言って、呑気ににはしていられない。

シワよせは子どもにくる。これは英国に限らず、日本も同じ。

UKの貧困地区にある託児所に視点を置き、社会の分断を鋭敏に綴った新潮ドキュメント賞受賞作。

 

 

 ■思い、思われ、ふり、ふられ

作者:咲坂伊緒

漫画アプリ「マンガMee」で全巻読破。

久しぶりにキュンキュンしました。

ドロドロした部分がなく、悪人が出てこないところが気に入った。女の子かわいい。

純粋な恋、憧れる友情関係、出てくる人たちが(親以外w)みんな良い一面が描かれているのが好き。

無料なので他の漫画も試し読みをしてみているのですが、続かないもんですね。

特に私は女子高生と成人男性の恋愛ものが受け付けないことがわかった。過去の自分と子どもの未来がどうしても頭をよぎってしまい、嫌悪感の方が勝ってしまう。

私自身は少女漫画にこれくらいピュアなものを求めていることを知った。

小説だと気にならないから不思議。

 

 

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2020年8月読み聞かせ記録。2歳11ヶ月の子どもに読んだ本

8月に読み聞かせ回数 137回

1日平均4.4回

 

                     f:id:tonarino-k-yome:20200904194746j:image

 

8月はほぼ毎日『さがそ!おかしのくに』を読んでいた?見ていた?のではないかと思う。

ウォーリーを探せ形式の絵本なのですが、とにかく子どもが毎日、何回もせがまれた本です。

もう探す対象物も暗記してるレベル。 

私的には曖昧な表現、イラストが多くて探しづらくてイマイチなんですが(汗)、子どもは可愛いからかとっても気に入っている。

 

さがそ!~おかしのくに~

さがそ!~おかしのくに~

 

 

 文字に興味津々。『どうぶつえんのあいうえお』『バーバパパのABC』もわりと読んだ。

『どうぶつえんのあいうえお』は文字が大きく、書き順も載っているから平仮名が覚えやすい。動物が写真なのも良い。

子どもはこの本でエミューという動物の存在を認識。ダチョウともフラミンゴとも違うのが面白いみたい。

 

どうぶつえんのあいうえお

どうぶつえんのあいうえお

  • 発売日: 2016/06/14
  • メディア: 単行本
 

 


                      f:id:tonarino-k-yome:20200904194750j:image

2015年から2020年までの本屋大賞1位だけ読む ※未読あり。随時更新予定

2015年からの本屋大賞1位の本を全5作品をまとめた。

かがみの孤城」の点数はエグい。

300点後半から400点前半の点数が多い中、1つだけ600点以上。

1位作品をまだ全部読んだわけではないけど、私的に圧倒的な1位だと思う。完成度が高い。

本屋大賞関係なく、好きな本の一つ。

 

2020年 

「流浪の月」 凪良ゆう

432点 

あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。わたしを心配するからこそ、誰もがわたしの話に耳を傾けないだろう。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい―。再会すべきではなかったかもしれない男女がもう一度出会ったとき、運命は周囲の人を巻き込みながら疾走を始める。新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。

未読

あらすじを読んだだけではどんな内容の本なのか想像できない。

流浪の月

流浪の月

 

  

2019年

「そして、バトンは渡された」 瀬尾まいこ

435点

血の繋がらない親の間をリレーされ、四回も名字が変わった森宮優子、十七歳。だが、彼女はいつも愛されていた。身近な人が愛おしくなる、著者会心の感動作。

活字が苦手な人でも比較的読みやすい本だと思う。

内容も難しくなく、頭を使わずに読める。

★☆☆

そして、バトンは渡された (文春e-book)

そして、バトンは渡された (文春e-book)

 

 

girl-book.hatenablog.com

 

 

2018年

かがみの孤城」 辻村深月

651点

どこにも行けず部屋に閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然、鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先の世界には、似た境遇の7人が集められていた。9時から17時まで。時間厳守のその城で、胸に秘めた願いを叶えるため、7人は隠された鍵を探す― 

個人的に2018年のオススメ本としても紹介した本。

辻村深月の小説はほぼ読んだけれども、その中でもNO1と言っていいと思う。

少女の成長物語であり、登場人物がキャラ立ちしていて、謎解き要素もある。

最後までだれずに読める。

★★★

かがみの孤城

かがみの孤城

 

 

girl-book.hatenablog.com

 

 

2017年

蜜蜂と遠雷」 恩田陸

378.5点

近年その覇者が音楽界の寵児となる芳ヶ江国際ピアノコンクール。自宅に楽器を持たない少年・風間塵16歳。かつて天才少女としてデビューしながら突然の母の死以来、弾けなくなった栄伝亜夜20歳。楽器店勤務のサラリーマン・高島明石28歳。完璧な技術と音楽性の優勝候補マサル19歳。天才たちによる、競争という名の自らとの闘い。その火蓋が切られた。

天才たちのガチンコ勝負。

私はクラシック音楽の教養もなく、コンクリートとは無縁の人生なので、正直な所のめり込みはしなかった。

恩田睦なら『夜のピクニック』の方が好み。

★★☆ 

蜜蜂と遠雷(上) (幻冬舎文庫)

蜜蜂と遠雷(上) (幻冬舎文庫)

 

 

蜜蜂と遠雷(下) (幻冬舎文庫)

蜜蜂と遠雷(下) (幻冬舎文庫)

 

 

と言いつつ、スピンオフの『祝祭と予感』も読んだ。

 

祝祭と予感 (幻冬舎単行本)

祝祭と予感 (幻冬舎単行本)

 

 

 

 

2016年

羊と鋼の森」 宮下奈都

372点

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。ひたすら音と向き合い、人と向き合う外村。個性豊かな先輩たちや双子の姉妹に囲まれながら、調律の森へと深く分け入っていく―。一人の青年が成長する姿を温かく静謐な筆致で描いた感動作。

完全に好みの問題だけど、独特の雰囲気が好き。

調律師が主役の小説は珍しく、興味深かった。

お仕事小説とも言えるかもしれない。

★★★

羊と鋼の森 (文春文庫)

羊と鋼の森 (文春文庫)

 

 

 

2015年

「鹿の王」 上橋菜穂子

383点

強大な帝国・東乎瑠にのまれていく故郷を守るため、絶望的な戦いを繰り広げた戦士団“独角”。その頭であったヴァンは奴隷に落とされ、岩塩鉱に囚われていた。ある夜、一群れの不思議な犬たちが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生する。その隙に逃げ出したヴァンは幼子を拾い、ユナと名付け、育てるが―!?厳しい世界の中で未曾有の危機に立ち向かう、父と子の物語が、いまはじまる―。 

大人も楽しめるファンタジー小説ハリー・ポッターぶりに興奮した。

違和感なく、二次元の世界観に入り込めるのが凄い。

★★★

鹿の王【全4冊 合本版】 (角川文庫)

鹿の王【全4冊 合本版】 (角川文庫)

 

 

続編『鹿の王 水底の橋』も読みました。

こちらはホッサルが主人公です。 

 

girl-book.hatenablog.com

鹿の王 水底の橋 (角川文庫)

鹿の王 水底の橋 (角川文庫)