『BOOK BAR お好みの本、あります。』で紹介されていた『永い言い訳』をさっそく読んだ。なんだかんだ結局読むのは小説・・・
感動の物語ではあるんだけど、そう書いた途端に安っぽい感じになる。なんかこう、そういう感じとはちょっと違う、うまく言えない(書けない)けど。人が亡くなる、まして家族が亡くなることは綺麗ごとばかりじゃないと思う。不謹慎かもしれない、口に出せなかったことを書いてくれているような気がする。
私も夫婦という関係を結ぶようになってつくづく不思議な関係だと思う。他人同士が長く一緒に暮らして、お互い何でもわかり合えるわけではない。でも、二人にしかわからないこともあって、口約束をしたわけでもない約束事が出来ていたり。善し悪しだけの両極端の感情だけでは言い表せない複雑な感情も抱く。
「愛するべき日々に愛することを怠ったことの、代償は小さくない。」
突然、愛する人が亡くなる。悲しい感情だけが全てではないと思った。後悔も懺悔も疑問もたくさんの感情が溢れ出す。
内容紹介
長年連れ添った妻・夏子を突然のバス事故で失った、人気作家の津村啓。
悲しさを“演じる”ことしかできなかった津村は、同じ事故で母親を失った一家と出会い、はじめて夏子と向き合い始めるが…。
突然家族を失った者たちは、どのように人生を取り戻すのか。
人間の関係の幸福と不確かさを描いた感動の物語。
第28回山本周五郎賞候補
第153回直木三十五賞候補
2016年本屋大賞ノミネート
お気に入り度 星2つ ★★☆
映画もいいらしい。
著者・西川美和さん自ら監督。多彩!
主人公・衣笠幸夫(津村啓)の役が本木雅弘さん。個人的にまさに!って感じです。
第41回トロント国際映画祭スペシャルプレゼンテーション部門出品作品。