2012年「週刊文春ミステリーベスト10」第1位
2013年「このミステリーがすごい!」第1位
2013年「第10回本屋大賞」第2位
2014年「ミステリが読みたい!」第2位
『ダ・ヴィンチ』「2013年上半期 BOOK OF THE YEAR」第1位
内容紹介
「BOOK」データベースより
上
元刑事で一人娘が失踪中のD県警広報官・三上義信。記者クラブと匿名問題で揉める中、“昭和64年”に起きたD県警史上最悪の翔子ちゃん誘拐殺人事件への警察庁長官視察が決定する。だが被害者遺族からは拒絶され、刑事部からは猛反発をくらう。組織と個人の相克を息詰まる緊張感で描き、ミステリ界を席巻した著者の渾身作。
下
記者クラブとの軋轢、ロクヨンをめぐる刑事部と警務部の全面戦争。その狭間でD県警が抱える爆弾を突き止めた三上は、長官視察の本当の目的を知り、己の真を問われる。そして視察前日、最大の危機に瀕したD県警をさらに揺るがす事件が―。驚愕、怒涛の展開、感涙の結末。ミステリベスト二冠、一気読み必至の究極の警察小説。
お気に入り度 星2つ ★★
時効間近の誘拐殺人事件の犯人を絶対に許さない!警察と遺族の二つの想い
感想
横山秀夫の長編小説は初読み。短編小説が面白く、映画化もされた小説だったからこそ期待し過ぎてしまった。話の中盤に主人公・三上の警察しがらみ話、葛藤が長々と続くのが苦痛だった。社会の中で三上と同じような立場の人は共感できるとは思うし、そこが横山秀夫のウリでもあるわけですが、いかんせん主婦の私には興味がなく・・・。どんでん返しというよりも後半はドタバタと問題が解決していくように感じた。それでも最後まで読まされてしまった。
印象に残った文章
「外の空気を吸った方がいう。電話を待つ気持ちはわかるが、人助けってことなら自分を納得させる理由になるんじゃないのか」
自然と首が垂れた。言葉が胸に滲みた。美那子の顔がまざまざと浮かんだ。誰かのために。あゆみではない、誰かのために―。
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