2005年版『このミステリーがすごい!』20位!
2005年『本格ミステリ・ベスト10』22位
内容紹介
一九九一年四月。雨宿りをするひとりの少女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。遠い国からはるばるおれたちの街にやって来た少女、マーヤ。彼女と過ごす、謎に満ちた日常。そして彼女が帰国した後、おれたちの最大の謎解きが始まる。
感想
外国人マーヤの視点から見ると日本のごく当たり前の日常が謎になる。興味深い部分もあれば、日本人の自分も知らないこともあり、謎解き以外の部分でも楽しめました。
物語の後半はユーゴスラビア紛争という歴史的な出来事も関わる考えさせられる内容になっていきます。「王とサーカス」を読んでも思いましたが、自分の常識の無さが浮き彫りになりました。本書だけでなく、宗教や歴史など知識があればもっと楽しいと思える小説との出合いがあることを改めて痛感しました。
オススメ度 星2つ★★
印象に残った文章
「もりやさん。わたしは、ユーゴスラヴィヤ人の文化を造る政治家になるために、いろいろの国を見てまわりました。とても意味があったと思います。
それでは、もりやさんはなにをするためにユーゴスラヴィヤへ行きますか」
「だから、なにかを」
眼を、目の奥を覗き込まれる。
「なにか?」
「・・・・・・・・・・・」
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