二人の切ない恋に行方は?学園恋愛ミステリー「子どもたちは夜と遊ぶ」辻村深月

 

 

 

「子どもたちは夜と遊ぶ」辻村深月

上巻は連続殺人ゲームの首謀者「i」とは一体誰なんだろう?と考えながら読み進めていきましたが、下巻は恋の行方が気になって仕方がない展開でした。

普段強気の人も臆病になってしまうのが恋愛です。当の本人たちは全く気が付かない自分と相手の感情を赤の他人は見抜き、勝手に進展しない二人に歯痒い思いをしています。 

子どもたちは夜と遊ぶ (上) (講談社文庫)

子どもたちは夜と遊ぶ (上) (講談社文庫)

 

 

子どもたちは夜と遊ぶ (下) (講談社文庫)

子どもたちは夜と遊ぶ (下) (講談社文庫)

 

 

あらすじ

同じ大学に通う浅葱、狐塚、月子を取り巻く一方通行の片思いの歯車は、一人の受験生失踪から始まった連続殺人のゲームに絡まれていく・・・ゲームの首謀者「i」とは一体誰なのか?

目次

フラッシュバック

二年前「狐塚と浅葱」

第一章「ぐりとぐら

第二章「蝶とキャベツ」

第三章「お化けと火傷」

第四章「月と萩」

第五章「アイとシータ」

第六章「耳と手のひら」

第七章「象とチケット」

第八章「嵐とサーカス」

第九章「ポビーとディンガン

第十章「蝶々と月の光」

第十一章「ビールとチキン」

第十二章「藍色とライト」

エピローグ「月子と恭司」

 

バラメータ

恋愛度   ★★★★☆ 星4つ

自分でもない、家族でもない、赤の他人を愛おしく思うのは当たり前のようで不思議です。

ポビーとディンガン

唐突に気付いた。他人だからこそ、愛しいのだと。月子が他人だからこそ、自分には彼女が必要なのだと。

友情度   ★★★★☆ 星4つ

嫉妬というのは恐ろしい感情です。

プライドの高い紫乃の嫉妬も恐いですが、それを見抜いて行動する月子の腹黒さも恐いです。

「蝶々と月の光」

月ちゃんを悔しがらせたい、そう考えていたところに、この世でただ一人それを可能にする男の子からデートの誘いを受けたんです。外が嵐だって出掛けていくでしょう。

家族度   ★★☆☆☆ 星2つ

幼少期の家庭環境というのは、人生に大きな影響を与えます。

そこに囚われ、いつまでも親や社会を憎む感情は大人になりきれていない子どもです。

イケメン度 ★★★★☆ 星4つ

浅葱の一目を惹く見た目と頭脳、そして危さは女性に好かれそうです。見る目のある女性は狐塚を好きになると本人は言っています。確かに結婚するなら狐塚、恋愛するなら浅葱です。浅葱は若いからこそ魅力的に見える部分です。これで30代だったら全くイケメン認定は出来ないです。

 「狐塚と浅葱」

浅葱には「雰囲気」がある。例えばみんなで一緒に写真を撮ると、出来上がりの中では誰より彼が一番細くてか弱く、美しく見えた。写真の中、浅葱一人が周りと違う。溶け込まずに浮き上がる。そこにいてはいけないもののように、存在そのものが目を惹く。

オシャレ度 ★★★★☆ 星4つ

浅葱のカバンはポールスミス、月子の腕時計はカルティエなど大学生ってお金あるんだなぁと思わせるブランドが出てきます。月子の資金源はどこなんだろう?

「蝶とキャベツ」

今日はこの後、ネイルサロンに行こう。地味にしてきた化粧をもう一度し直して、高いヒールを履いて出かけよう。思い立って、心が少しだけ穏やかになる。 

グルメ度  ☆☆☆☆☆ 星0つ

 

 

 

感想

>恋愛のことだけではなく「子どもたちは夜と遊ぶ」の登場人物たちの遠回りな発言、遠慮がちな行動は、白黒はっきりさせたいストレートな私にはじれったいです。ミステリー小説なので当然と言えば、当然ですし、全ての人が私のようにわかりやすい性格ではないということも頭ではわかっているつもりですが、自分とは違い過ぎて、感情移入までは出来ませんでした。(狐塚くん若いのにクール過ぎるでしょ!!)

「ぼくのメジャースプーン」にも登場していた秋山先生(秋先生)が登場します。それでもまだ謎があるので、秋先生が主役の本があったら読みたいです。先生は生徒に何を囁いたのか?