「三月」大島真寿美
連作短編集です。
20年前の短大時代とは違い、それぞれの悩みを抱えた6人の女性たちがノンの電話1本をキッカケに集まります。
短大時代の友人・森川雄士の死が自殺ではないのではないか?という疑問から始めるストーリーですが、ミステリー小説でもどんでん返しのある内容でもありません。
大きな事件はありません。それぞれ様々な事情を抱え、学生時代のように気軽に集まることが難しくなったノンたちに、同世代のアラフォー女性は共感出来る部分も多い小説だと思います。
あらすじ
亡くなった森川雄士の夢を頻繁に見るようになったノンは20年にぶりに短大時代の友人に連絡を取る。それぞれの道を歩んできた彼女たちは様々な事情を抱えていた。
目次
モモといっしょ
不惑の窓辺
結晶
三月
遠くの涙
バラメータ
恋愛度 ★★☆☆☆ 星2つ
大好きな人だから本当は助けて欲しいのに助けてと言えない。助けられるのがこわい、変わるのがこわい。その気持ちわかる気がします。
五十パーセントだけ助けるよ、と寛一が言ってくれていたらあるいは。
五十パーセントだけ助けて、と花が言えたらあるいは。その後の二人の道のりは大きくちがっていたかもしれない。
友情度 ★★★★★ 星5つ
遠くの涙
彼女たちと共に過ごした時間なんてほんのわずかだ。離ればなれの時間の方がうんとうんと長い。
それでも考えずにはいられなかった。
彼女たちについて。彼女たちの命について。
家族度 ★★★★☆ 星4つ
結晶
黙っていても、お互い、全然気にならない。そしてそれが、心地好い。いつのまにか、そんな夫婦になっていた。
イケメン度 ★☆☆☆☆ 星1つ
寛一(カンペー)はかっこいい気がします。
女性からモテるタイプですね。
オシャレ度 ☆☆☆☆☆ 星0つ
グルメ度 ★★☆☆☆ 星2つ
東北の魚の町で大将が毎朝市で仕入れる魚はどれも美味しそうです。
それを友人と食べるからまた最高に美味しいんですよね。
三月
「小さな贅沢。いやいや、これはけっこう大きな贅沢かもね。こんなおいしいお寿司を気心知れた友達を食べれるんだもの。これを贅沢と言わずしてなんと言おう」
感想
次に読みたい小説家に出会いホッとしてます。
本の表紙の可愛さから手にしたのですが、中身も女子向けの本でスラスラと読み進めることが出来ました。
あと、12年後の40歳。
学生時代の友人とはどのような関係を築いているのだろうか?
ノンたちのように頻繁ではなくても、連絡を取り合えてる状態だろうか?
その頃には私も友達も今では想像出来ないような人生を歩んでいるのだろう。8年前は今みたいな人生を歩むとは想像していなかったのだから。