ロックファン!ザ・ハイロウズファンにおすすめの小説「よろこびの歌」宮下奈都

 

「よろこびの歌」宮下奈都

歌でつながる少女たちの青春小説。

新設女子高の私立明泉女子高等学校に通う高校2年生の少女たちが主役。

少女たちの共通点は望んでこの私立明泉女子高等学校に進学したのではないということ。

それぞれ“訳あり”の問題を抱え、歌をキッカケに問題を解決させようと歩き出している。

 

よろこびの歌 (実業之日本社文庫)

よろこびの歌 (実業之日本社文庫)

 

 

目次・あらすじ

do よろこびの歌

12月1日 御木本 玲

著名なヴァイオニスト娘である御木本玲は音大付属高校の受験に失敗し、音楽のない新設女子高の普通科に進む。同級生とは関わらず、学校の日程をこなす日々を過ごしていた。しかし、校内合唱コンクールの指揮を任されたことを機に玲の心は少しずつ変化する。

re カレーうどん

12月22日 原 千夏

御木本響きに憧れる原千夏はうどん屋の娘。とりたてて貧乏ではないがピアノを買う余裕は家にはない。地元の公立高校に進む気はせず、奨学金制度の充実していた女子高に進み、毎日片道一時間自転車で通っている。昼休みと放課後にこっそり音楽室でピアノを弾くのを楽しみしている。

mi NO.1

1月13日 中溝 早希

中学時代ソフトボール部の四番でエースだった中溝早希は中3の夏に肩が壊れ、ソフトボール強豪校への推薦を辞退し、縁もゆかりもない新設の女子高に進学した。千夏が玲にピアノを習っていることがひっかかり、なぜか玲に腹を立てている。

fa サンダーロード

1月27日 牧野 史香

見えてはいけない人、見えるはずのない人が見える牧野史香。高校は伝統のある学校を避け、新しい学校に進んだ。「見える」ことを高校で出来た友人たちは知らない。毎週水曜日に電車で会う三谷くんだけが「見える」ことをわかってくれる。

sol バームクーヘン

2月19日 里中 圭子

クリスマス前に付き合い始めた南くんにバレンタインデーにチョコを渡したら、彼の家の地下シェルターに案内された里中圭子。核シェルターが嫌なのか、核シェルターに連れて行かれたことが嫌だったのかわからない。

la 夏なんだな

2月26日 佐々木ひかり

幼い頃から飛び抜けてきれいな姉、サッカーへの情熱が並大抵ではない幼馴染の亮太郎のいる佐々木ひかり。勉強も運動もそこそこ出来る自分の役割だと思い、クラス委員を引き受けている。

si 千年メダル

3月4日 御木本 玲

 千夏のうどん屋に足を運ぶようになった玲。千夏の家族を見ていたら、自分の家族のことも見えてきた。卒業生を送る会にクラスで合唱を披露することになり、毎日少しずつ練習を積み重ねている。

 

 

 

バラメータ ※ネタバレあり

恋愛度   ★★★☆☆ 星3つ

fa サンダーロード

不覚にもキュンキュンしてしまった。

「その力、100パーセントがボコだっていうの?」

あたりまえだ。うなずこうとすると

「だって俺たち史香のその力のおかげで会えたんじゃなかたっけ」

思わず三谷くんを見上げた。それから笑い出してしまう。おかしいんじゃなくて、うれしいだけでもなくて、こみ上げる気持ちが何なのかわからなくて、笑うしかなかった。 

友情度   ★★★☆☆ 星3つ

do よろこびの歌

苦手なマラソンを走る玲に合唱コンクールで歌った「よろこびの歌」をクラスメイトたちが集まり歌い、玲にエールを送る。

学生ならではの光景。

全然まとまりのないクラスでも自然とまとまる時がある。懐かしい!

家族度   ★★★☆☆ 星3つ

si 千年メダル

千夏の家でカレーうどんを食べた帰り道、自転車を漕ぎながら“あの、母。” “あの、母。”と母への思いを考える玲。母のせいにばかりしていた玲が母の背中ばかり追いかけてきたと気付くシーンがお気に入り。

イケメン度  ★★★☆☆ 星3つ

fa サンダーロード

三谷くん。

こんな人いたら惚れちゃうよ。

「――(省略)―― 誰かにとってのデコボコの大きさや深さはその人にしか測れない」

オシャレ度 ☆☆☆☆☆ 星0つ
グルメ度  ★★☆☆☆ 星2つ

re カレーうどん

千夏のお父さんが脱サラしてうどん屋を開業した理由。

もう絶対美味しいに決まっている。

五歳の私が、お父さんのカレーうどんは世界一おいしい、カレーうどん屋さんをやってちょうだい、といったのだそうだ。その言葉に背中を押されて開業したのだという。

 

感想

ザ・ハイロウズの歌のタイトルを使用し、書かれた小説たち。

全く違和感のない、小説にぴったりに思える。

そして、宮下さんは本当に音楽が好きなんだろうなーと伝わってくる。

ブルーハーツの「人にやさしく」も出てくる。

ザ・クロマニヨンズというか甲本ヒロト真島昌利ファンにはたまらないかもしれない。