結婚、仕事、家族、恋人、学歴、出産 ー。
社会の呪縛は、娘たちを捕らえて放さない。
だからこそ
すべての女子は「箱入り娘」である。
あらすじ
チエミが母親を殺し、逃亡して半年。幼馴染のみずほはチエミを探す為、かつての友人やチエミの交友関係者に聞き込みを始める。仲の良かった母親をなぜ殺害?そして、チエミが逃げ続ける理由は?
オススメ度 星3つ ★★★
アラサー女性には是非読んで欲しい1冊
恋愛度 星2つ ★★☆☆☆
恋愛っぽさはない。
恋愛、結婚を通しての女性の友情、母娘の関係が書かれている。
友情度 星5つ ★★★★★
これが女性の友情だーーー!叫びたい。
卒業、就職、結婚で仲の良かった友達とは疎遠になっていく。
そして、目には見えないマウティングが存在する。
友達の悪口、噂話。当たり障りのない会話で本心は言わない。
自分の存在価値を高める。
幼馴染だからといって、繋がっていられるみずほとチエミの関係は特殊だと思う。
そういうのが親友と言うのだろうね。
家族度 星5つ ★★★★★
母親の存在は大きい。
何歳になっても、結婚しても、母親からの呪縛に囚われている人多い。
チエミが自分の行動・人生を自分では何も考えずに他人に求めてる。みずほもみずほで自分が幸せでないのは母親のせいにしている。
育った環境の影響は大きい。
子供を授かった瞬間に母親になるのもすごい。
イケメン度 星1つ ★☆☆☆☆
みずほの夫、兄はおそらく世間一般的な目から見て、イケメンな部類になるのだろう。
存在感は薄い。
大地みたいな人は存在して、女性にモテるから余裕と経験ある。
本命と本命以外の彼女の使い分けがうまい。そして、それを悪く思っていない。
大地みたいな人に恋をするのは危険だ。
オシャレ度 星4つ ★★★★☆
ブランドバック、自分の見せ方を知っている服装にオシャレなバー。
地味な服装、ファミレス。
イマドキの女性タイプをファッション、行く場所で表現されている。
いや、こんな場所にはこんあ女性いるよね!と妙に納得してしまう。
グルメ度 星0つ ☆☆☆☆☆
食べるシーンはあるけれど、美味しそうというよりも人物を表現するためのアイテム。
感想
辻村深月さんの小説、初読み。
そして、本屋大賞など様々な章にノミネートされている人気作家。
ずっと気になっていて、やっと読むことが出来た。
ミステリーあり、女性の友情あり、母と娘の関係ありの贅沢な作品。
解説は島本理生さん。
島本さんは誰かの紹介だとか賞を受賞したからとか、誰かの影響ではなく、自分で見つけた小説家。好きな作家だと解説も楽しく読める。
なかなか厚めの小説だったが、一日で読み終えてしまった。
ミステリーを読みなれてないせいかな。
どうリンクしていくのか、謎や展開が全く読めなくて、中断するとモヤモヤするので、一気に読み進めていた。
様々なタイプの女性が現れる。
知的で都会的な女性、自分で物事を決めれない女性、常に自分が中心でいたい女性。結婚してる女性、子育てしてる女性、未婚の女性・・・。
女性のドロっとした毒が目を背けたくなるくらい生々しく書かれている。日常ではこの毒はここまで出てこない。事件があったからこそ、毒を吐けたのだと思う。この毒が女性なんだよねー。