第二回ダヴィンチ文学賞大賞受賞「うさぎパン」瀧羽麻子

 

 

「うさぎパン」瀧羽麻子

古本屋で文庫本を漁っている時に見つけた本。

可愛いカバーとタイトルに思わず惹かれて買ってしまった。

この選び方は女子ならでは自分的に気に入っている。自分が女性だと思い知る。

うさぎはね、好きでも嫌いでもないのだけれど、パンは好き。

朝はパンを食べないと一日エネルギーが出ない。というのもこの本を選んだ理由の一つでもあるかもしれない。米も無論好きなのだれど、好きが当たり前過ぎる。

うさぎパン (幻冬舎文庫)

うさぎパン (幻冬舎文庫)

 

 

あらすじ

・うさぎパン

父はロンドンに単身赴任し、仲の良い継母ミドリさんと暮らすお嬢様学校育ちの優子。共学の高校へ通うことにした優子は、パン好き同士として意気投合した同級生の富田君と放課後にパン屋巡りを始める。ミドリさんには話せない富田君のことを家庭教師の美和ちゃんに相談し始め・・・。

 ・はちみつ

失恋してから大好きだったパンが食べれなく(身体が受け付けなく)なった桐子。ひょんなことから仙人のような風貌の吉田先生とお昼休みを過ごすことになり・・・。

バラメーター

恋愛度   ★★☆☆☆ 星2個

正直なところ少女漫画のような恋愛。

優子と富田くんが仲良くなるキッカケも些細な喧嘩も。

それは美和ちゃんも同じで男性ばかりの学校だから平気で村上くん以外の男友達と遊びに行く。

感情が描かれていないのもあるし、言動で表すタイプではないからかもしれないけれど。

書き下ろしの短編では「はちみつ」は美和ちゃんの幼馴染の桐子の恋愛が描かれている。

桐子の方が感情がわかりやすく、恋愛の感じも好みだった。

友情度   ★★☆☆☆ 星2個

本編では優子の親友である早紀(出会って間もないのに親友と言い切るところが高校生らしい)が登場するが友情感はあまりない。

早紀は中学三年間で23人の男の子を好きになるつわもの。恋愛多き女子と恋愛経験のない女子が仲良くなるパターンあるある。

「はちみつ」の美和ちゃんと桐子の方が親友らしさがある。

家族度   ★★☆☆☆ 星2個

継母のミドリさんも実母の聡子も愛した優子のお父さんの良さが私も優子同様にわからなかった。

聡子が元夫(優子のお父さん)とミドリさんを許せる(寛大?)になれる理由も。

年数だとか色々な経緯を含めてもスッキリしない。

聡子が登場させるってことは恋愛だけでなく、家族も小説としては重要な意味があるのだろう。

イケメン度 ★★☆☆☆ 星2個

富田くんも村上さんのおそらくイケメンの分類に入るのだと思う。

でも、少女漫画に登場しそうなイケメンであって、そこに個性はない。

主観的理由で星は少ないです。

オシャレ度 ★★★☆☆ 星3個

放課後にパン屋巡りをし、休日にはパンを焼く。

週2、3回の家庭教師の日には勉強を教えてもらった後にシュークリームを食べたりして、お喋りを楽しむ。

休日には親友の早紀とショッピングに出かける。 

女子の女子の生活の理想。

グルメ度  ★★★★☆ 星4個

パンの小説ですからパンが食べたくなる。

それも優子と富田くんの好きなベーシックなパンを。

パン屋の多い街に私も好みたい。

 

感想

直前まで読んでいたのがパンチのある「こうふく みどりの」だったこともあって、「うさぎパン」はすらすらと読み終えてしまった。

全体的に少女漫画のような小説と感じた。

女子の理想通りの登場人物に展開になっていく。

ジャンル的には青春小説というよりも恋愛小説になるのだろうか。