やりたいことリスト?引き寄せの法則?「太陽のパスタ、豆のスープ」宮下奈都

 

 「太陽のパスタ、豆のスープ」 宮下奈都

「スコーレNO.4」が面白かったので、さっそく宮下奈都さんの他の作品をチェック。気になる小説はたくさんあったけれど、「スコーレNO.4」のように主人公が成長していくような内容の「太陽のパスタ、豆のスープ」をチョイス。カバーデザインは料理本のようで可愛いイラスト。「やりたいことリスト」「引き寄せの法則」をしたことがある人、興味がある人には良い刺激になる小説ではないかと思う。

太陽のパスタ、豆のスープ (集英社文庫)

太陽のパスタ、豆のスープ (集英社文庫)

 

 

あらすじ&目次  

結婚式直前に婚約破棄されてしまった明日羽に叔母のロッカさんは“ドリフターズ(やりたいこと)・リスト”を書くように提案する。その場の空気に流され、今まで考えたこともなかった友人のこと、家族のこと、仕事もこと、自分のことを見つめ直すことで、明日は少しずつ成長していく。

バラメータ(※ネタバレあり)

恋愛度   ★☆☆☆☆ 星1個

婚約破棄から物語はスタートするが恋愛要素は少ない。

最後の最後に恋愛の予感のようなものはある、

今後の展開は読者の想像にお任せといった感じ。

友情度   ★★★★★ 星5個

幼馴染で美容師の京はさすが長い付き合いなだけあって、明日羽の考えていることはお見通しといったところだ。

同僚の郁ちゃんはランチを一緒に食べるけど、プライベートの付き合いはない。気が合うけれど、友情関係まであと一歩といったところだが・・・。

家族度   ★★★☆☆ 星3個

母親が家事以外に家で何をしてるのか、フリーターの兄が仕事に対して何を考えているのかをこれまで気にしたことがなかった明日羽。思いがけない(何もすることがない)長期休暇に知らなかった家族の一面をしることになる。

度々登場するのに叔母のロッカさんも謎の存在である。

イケメン度 ★☆☆☆☆ 星1個

京の行動はイケメンだけど、やっぱりなんか違う。

その設定は必要なのか疑問。

京のライバル桜井恵は女性なのでイケメンではないけれど、憧れる存在というか年上のお姉さんという感じ。

叔母のロッカさんの自由奔放な所も魅力的で好き。

オシャレ度 ★★★☆☆ 星3個

ル・クルーゼの鍋を買いに行き、使いこなすことがもうオシャレなのではないかと思う。 

キレイになりたいと京に頼んで、桜井恵のリッチなエステに行くところも。

グルメ度  ★★★★★ 星5個

料理が出来ない明日羽だったのに一人暮らしを始めて、ル・クルーゼの鍋を毎日使うとドリフターズ・リストに書き込んでから急激に料理の腕が上がっている。

雨になってしまった青空マーケットで食べる豆スープは想像するだけでヨダレが出る。豆が美味しそうに思ったことなどないのに!!

兄が唯一作れるホットケーキも美味しそうだし、カトレアの“ドリアン”も食べてみたい。

太陽のパスタと豚メは食べたくないけれど。 

料理が嫌いな私ですら料理してみようかな?!と思えてしまう。

 

 

感想

主人公の女性が成長していくという部分では「スコーレNO.4」と同じである。内容は小説風自己啓発本といったところだろうか。(自己啓発本好きよ)何気ない日常生活や人の関係性がわかりやすく、上手いなぁと思う。リアル現代女性なので、感情移入しやすい。ただ、「スコーレNO.4」(何度も比較して申し訳にないが)が個人的に良過ぎたので、比べると物足りない感がある。この人なんで登場したのだろう?という人物、キーになっているのに重要性は書ききれていない感がある。と、小説家に対して上から言ってみる。・・・すいません。