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as I am

主に本のこと。たまに日記。

誰にも言えない趣味「ふる」 西加奈子

西加奈子



 

 

「ふる」 西加奈子

電車の待ち時間にふらりと立ち寄った書店でカバーの可愛さから思わず手に取った本。

ピンクのバックにに主人公・花しすが飼っている猫のベンツとジャグジーのイラストされているカバー。もうそれだけで女子が好きな本の完成。

西加奈子さんの本は10年前に「きいろいぞう」「さくら」を読んだ事がある。ファンタジー要素が強いと感じ、そこから遠ざかっていた。

カバーの可愛さに思わず手に取ったのもあるが、読書芸人である又吉直樹さん、光浦靖子さん、若林正恭さん三人共オススメの本として西加奈子さんに小説を挙げてたのにも影響されている。

 

ふる (河出文庫)

ふる (河出文庫)

 

 

あらすじ

色々なことを忘れたくないためにICレコーダーで隠し録りをするのが趣味の28歳の主人公・池井戸花しす(かしす)はタクシー運転手・新田人生は飴を一つ受け取る。飴を噛んだ花しすに新田人生は「お客さん若いね!」とはしゃぐ。ある時は動物園のお兄さん・新田人生、またある時は婦人科の医師・新田人生・・・花しすの「過去」から「今」も登場する新田人生とは何者なのか? 録音したICレコーダーから流れるタクシー運転手・新田人生との会話で忘れていたこと、大切なことを気づかせられる。

 

バラメーター

恋愛度    ★☆☆☆☆ 1個

主人公・花しすの恋愛はゼロに等しい。

同居人のさなえちゃん、先輩の朝比奈さんの恋愛を花しすの視点から客観視している。

恋愛小説ではないので、程よい。

友情度    ★★★☆☆ 3個

学生時代の友人、同居人との友情関係はリアルに感じる。

友人に対する想いも現実に近い。

家族度    ★★★★☆ 4個

祖母と母との思い出描写が非常に印象的。

特に母が言った「同じ女の人やろ」という言葉は女にはわかる、女だからわかる感情なのではないだろうか。

イケメン度  ☆☆☆☆☆ 0個

残念ながら魅力的な男性は登場しない。

新田人生は気になる存在ではあるが。

オシャレ度  ★☆☆☆☆ 1個

花しすは世間一般のオシャレ感覚とはズレている。

化粧もしないし、ヘルメットのような髪型。

まとまりすぎないように履いた靴を履き替えたりしているので、花しすなりのこだわりはあるようだ。

グルメ度    ★★☆☆☆ 2個

「焼き肉を食べたい=焼肉の口」という会社での会話のシーンは、ビールと焼肉が本当に飲みたい、食べたくなってきた。

そして、家に帰ると温かいココアが飲みたくなる。 

 

感想

終盤は「生きるって何か」という重い話なのに、額にシワを寄せることなくスラリと読める。シーンごとに区切られているのでちょっとした空き時間にも読みやすい。

苦手意識を持っていた西加奈子さんの小説なのに、嘘のように楽しめた。この機会に他の小説も読んでみようと思う。

気になるのはやはり読書芸人がオススメしていた作品。

又吉さん「漁港の肉子ちゃん」

光浦さん「ふくわらい」

若林さん「サラバ(上・下)」

本を読むのは主に移動中、お風呂の中。文庫本になっているものから読み始めよう。