【読書レビュー】中村文則デビュー10周年作品「迷宮」

 

 

 

「迷宮」 中村文則

 

中村文則は芸人・芥川賞作家の又吉直樹が以前放送された番組で「教団X」を紹介していた時から気になっていた作家ではあった。

又吉効果は絶大でどこの本屋でも「教団X」は平積みされ、店頭の一番目立つ場所を陣取っている。

お祭り騒ぎの最中に手に取ってはみたのはいいが、ソッと本を戻してしまう。初めて読む作家にあの本の厚さには私にはとても勇気がいる。

丁度よい厚さであった「迷宮」をまずは読むことした。

 

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迷宮

迷宮

 

あらすじ

僕が知り合った女性は一家殺人事件の遺児だった。この迷宮事件に強く惹かれる僕は事件のことを調べていく。

感想

全体を通して、暗くて恐い小説だった。

迷宮事件の核心に迫り、遺児である女性から話は聞けるのだが、何だか不可解で腑に落ちない。あまりにも信じがたい事件の真相(真相かどうかも不明)。

僕の心の問題「R」の存在も曖昧である。

他の作品もこんなに暗いのだろうか?

一作品で好みの判断は下したくはないが、心に余裕がないと読めないと感じた。

お気に入り度

ミステリーと陰鬱

★★☆☆☆ 星3つ

 

 

 

著者その他作品

「銃」

「遮光」

「土の中の子供」

「悪意の手記」

「最後の命」

「何もかも憂鬱な夜に」

「世界の果て」

「掏摸<スリ>」

悪と仮面のルール

「王国」

惑いの森~50ストーリーズ」

去年の冬、きみと別れ

「A」

「教団X」

「あなたが消えた夜に」