道警シリーズ第3弾!それぞれの警官が追いかける事件が絡み合い警察の闇を突き止める「警官の紋章」佐々木譲

警官の敵は警察にあり

警官の紋章 (ハルキ文庫)

警官の紋章 (ハルキ文庫)

 

 

内容紹介

内容(「BOOK」データベースより)

北海道警察は、洞爺湖サミットのための特別警備結団式を一週間後に控えていた。そのさなか、勤務中の警官が拳銃を所持したまま失踪。津久井卓は、その警官の追跡を命じられた。一方、過去の覚醒剤密輸入おとり捜査に疑惑を抱き、一人捜査を続ける佐伯宏一。そして結団式に出席する大臣の担当SPとなった小島百合。それぞれがお互いの任務のために、式典会場に向かうのだが…。『笑う警官』『警察庁から来た男』に続く、北海道警察シリーズ第三弾 。

オススメ度 星2つ ★★☆

実話を元にした作品・・・キャリアの考えることは恐ろしい。

感想

道警不祥事シリーズの最終作品になる第3弾「警官の紋章」は登場人物も増え、スケールも今までのシリーズよりもパワーアップしています。 私は時間をあけずに第1弾「笑う警官」、第2弾「警視庁から来た男」と読んできたこともあって、内容が理解でき楽しめました。読んでない人、前作を読んでから日が経ってしまった人(記憶力がいい人を別にすれば)には、前作までの作品と繋がり、絡みあっているので面白さが半減するのでは?と思います。

印象に残った文章

「日比野が失踪した理由がわかれば、目的地もわかる。そして、人間のやることはたいがい、履歴の中に予兆がある。警察の場合は、警務が扱っている情報の中で、不祥事の芽や可能性がすでに把握されている」

 

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道警シリーズ第2弾!キャリアの頭脳とノンキャリアの足が真実を明かす「警察庁から来た男」佐々木譲

キャリアのプライドかノンキャリアの意地か 

警察庁から来た男 (ハルキ文庫)

警察庁から来た男 (ハルキ文庫)

 

内容紹介

北海道警察本部に警察庁から特別監察が入った。監察官は警察庁のキャリアである藤川警視正。藤川は、半年前、道警の裏金問題の為に百条委員会でうたった(証言した)津久井刑事に監察の協力を要請した。一方、札幌大通署の佐伯刑事は、ホテルでの部屋荒らしの捜査を進めていた。被害者は、すすき野の風俗営業店で死んだ男の父親だった。大通署に再捜査の依頼の為、そのホテルに泊まっていたのだという。佐伯は、部下の新宮と事故現場に向かうのだが…。『笑う警官』に続く道警シリーズ第二弾。

オススメ度 星2つ ★★☆

二つの事件が絡み合うハードボイルドミステリー小説

感想

個人的には前作「笑う警官」よりも登場人物のキャラクター性が強く出ていて、二つの事件が絡み合う展開も好きです。「警視庁から来た男」だけ読んでも楽しめるとは思いますが、やはり順番通りに読むのがベストです。最終作も読み始めてます。

藤川警視正のいかにもキャリアという性格が個人的に好きです。頭がいい人の考え方は興味深い。

印象に残った文章

「ぼくはスターバックスカフェ・ラテは取れるかどうか、確認したね。どうだった?」

「あ、はい」その女子職員は狼狽を見せている。「そうです」

「だからぼくはお願いをした。無理なことを頼んだつもりはない。でも、どうしてちがうものが出てくるんだ?」

 

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道警シリーズ第1弾!北海道警裏金事件からインスピレーションを得て書かれた小説「笑う警官」佐々木譲

『このミステリーがすごい!』の2005年版で10位!

笑う警官 (ハルキ文庫)

笑う警官 (ハルキ文庫)

 

内容紹介

「BOOK」データベースより

札幌市内のアパートで、女性の変死体が発見された。遺体の女性は北海道警察本部生活安全部の水村朝美巡査と判明。容疑者となった交際相手は、同じ本部に所属する津久井巡査部長だった。やがて津久井に対する射殺命令がでてしまう。捜査から外された所轄署の佐伯警部補は、かつて、おとり捜査で組んだことのある津久井の潔白を証明するために有志たちとともに、極秘裡に捜査を始めたのだったが…。北海道道警を舞台に描く警察小説の金字塔、「うたう警官」の文庫化。

オススメ度 星2つ ★★

北海道札幌市を舞台にしたハードボイルド小説!

感想

2003年に発覚した北海道警裏金事件からインスピレーションを得て書かれた作品です。数年札幌に住んでいたことがある私には出てくる地名など懐かしく読むことが出来ました。土地勘がない人は札幌の地図を片手に読むと想像しやすく、より楽しめると思います。有志だけで行う極秘捜査には緊張感があり、テンポよく進んでいきますが、クライマックスは数人の人物が動き、頭の整理が追いつきませんでした。

タイトルは単行本の時と同じ「うたう警官」の方が意味があり、内容にもあっているので、個人的には好きです。

印象に残った文章

 女性の同僚の私生活に最も強く興味を示し、情報収集と観察と分析に熱心なのは、どんな種類の女性だろうか。経験からいって、ごく身近なところで性関係のある男女がいたとして、そのふたりが周囲の女たちすべての目を欺くことは困難だ。誰か、注意深く、と言うか、意地悪く観察している人間が必ずいて、関係を見抜いている。

 

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喜怒哀楽、四つの感情を出し惜しみなく露呈しよう!バランス感情をコントロールするには?「叱られる力 聞く力2」阿川佐和子

叱られて、叱ってわかることは、たくさんある

叱られることから人間関係は始まる

聞く力第2弾!

叱られる力 聞く力 2 (文春新書)

叱られる力 聞く力 2 (文春新書)

 

内容紹介

いま打たれ弱い若者、部下を叱れない上司、子供を怒れない親が増えているという。そんな時代に、親に上司に怒鳴られ続けて60年のアガワが贈る、叱られても凹まない心得。

目次

まえがきにかえて

叱る覚悟と聞く力

「ステキ」を誉め言葉に変換する

「私、人見知りなんです」は甘えじゃないの?

最初に本性をさらけ出す

「下心」で人見知りを克服

「失礼ですが・・・・・」は失礼です

後輩を叱る覚悟

怖い顔の利点

スマートな叱り方とは?

叱るルール

部下の叱り方①—借りてきた猫の法則

部かの叱り方②—セクハラと飲み会

「酒場の本音」を肝に銘じる

正解を求めない

叱られる覚悟

親は嫌われる動物と思うべし

叱られ続けのアガワ60年史

その1「家なき子」事件

その2涙の誕生日事件

その3「お父さんにそっくり」事件

その4「一人暮らし」奇襲作戦に成功せり

その5「子供に人権はない」宣言

その6「志賀先生がお読みになると思え」の訓示

その7「対処法」を会得?

叱られる力とは?

「別れ話」の乗り越え方

「最悪経験」を尺度にする

ゴルフに学ぶ人づきあいのマナー

下心のススメ

嫌な言い回し

上手な叱り方

ユーモアと落語の効用

叱られたとき、悲しいとき

言い訳は進歩の敵

ちょっと真面目な、あとがき

 

オススメ度 星2つ ★★

何歳になっても叱られるのは当たり前、叱られ体験エッセイ!

感想

「新書というより、『聞く』というテーマのエッセイ集だね」とある人に指摘され、まさにおっしゃる通り!と膝を叩いたくらいです。

<まえがきにかえて>で前作「聞く力」について語るアガワさん。「叱られる力 聞く力2」はさらにエッセイさがパワーアップしています。

アガワさんのように知的な人でも叱られてきたのか、アガワさんの年齢になっても叱られる(注意される?)ことがあるのか、温厚そうなアガワさんでも叱ることがあるのか・・・と生きていれば叱られることも叱ることも誰でも当然あることだと気づかされました。叱る、叱られるは精神的にダメージを受けますが、その分成長出来ますし、考えさせられます。

印象に残った文章

二千年以上の昔から、人々は感情のコントロールに苦労していたらしいということです。そう思うと、これは私ごときが悩んだところで解決のつかぬ問題だと、つい笑いたくなってしまいます。

 

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家族・夫婦愛が溢れる笑えて、泣ける小説!働き方、婚活マニュアルにもなる「ボクの妻を結婚してください。」樋口卓治

そうだ妻に代わって婚活しよう!

内村光良主演によりテレビドラマ化!

織田裕二主演により映画化! 

ボクの妻と結婚してください。

ボクの妻と結婚してください。

 

内容紹介

バラエティ番組の放送作家・三村修治は、世の中のできごとを好奇心で“楽しい”に変換する仕事をしてきた。余命6ヵ月を宣告されたいま、最後の企画は、自分がいなくなったあとに家族を支えてくれる人を探すことだった。 「決めた。愛する家族に幸せな未来を残すと決めた」 AD、芸人、リサーチャーから婚活本の著者まで、信頼できる仲間たちに助けを求めながら、三村修治はひたすら走る! 果たして、妻の結婚相手を見つけることができるのか――?

目次

第一章 妻になんて言おう

第二章 妻のための企画を思いつく

第三章 妻の代わりに婚活をしょう

第四章 妻に相応しい相手とは

第五章 妻のお見合い相手が見つかった

第六章 妻を別れよう

第七章 僕の妻と結婚してください

エピローグ

 

オススメ度 星3つ ★★★

期待以上に家族・夫婦愛が溢れる笑えて、泣ける小説!

感想

余命6カ月が宣告された主人公と聞くとついお涙頂戴の話と勝手に解釈し、読む前から展開を想像して読む気力が続かないことが多いのですが、「ボク妻」は違います。主人公の余命が残り少ないことを忘れてしまうくらい笑えます。話が進むに連れて主人公・三村の明るいキャラクターとその家族がどんどん好きになり、こんな家族いいなぁと憧れ、いつの間にか感情移入している。だから、最後は涙なしでは読めなくなる。そういう涙は悪くないです。

印象に残った文章

「お母さん・・・・・、僕がなんで受験したいか知ってる?」

「えっ・・・・・」

「うちの家族はお父さんもお母さんもみんな頑張っているから、僕も頑張りたくなったの。おやすみ」

関連作品

著者は放送作家なので映画化、ドラマ化が想像できるテンポの良いストーリーです。

 

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