2017年7月に読んだ全11冊のまとめ

話題になった本が読めた月でした

7月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:3145
ナイス数:87

 

 

 

 

結婚した相手は人生最愛の人ですか?「マチネの終わりに」平野啓一郎


マチネの終わりにマチネの終わりに感想
文がきれいで読みやすい分、展開が残念
読了日:07月30日 著者:平野 啓一郎

 

事件を報道するとは「真実の10メートル手前」米澤穂信 

 
真実の10メートル手前真実の10メートル手前感想
主人公・太刀洗の魅力が伝わる短編集だった
読了日:07月27日 著者:米澤 穂信

 

自分は誰なのか「私の消滅」中村文則


私の消滅私の消滅感想
精神が重くなる本でした
読了日:07月26日 著者:中村 文則

 

報道ではわからない真実「王とサーカス」米澤穂信


王とサーカス王とサーカス感想
推理だけでなく、考えさせる内容だった。最初から最後まで飽きずに読めた。
読了日:07月20日 著者:米澤 穂信

 

婚活あるある「美人が婚活してみたら」とあるアラ子


美人が婚活してみたら (Vコミ)美人が婚活してみたら (Vコミ)感想
美人じゃなくても婚活したらあるある話
読了日:07月18日 著者:とある アラ子

 

結婚できない理由完結版「私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな」ジェーン・スー


私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな感想
結婚出来なかった時の私だ
読了日:07月15日 著者:ジェーン・スー

 

ダメ男に惚れる女が悪いのか「伊藤くんAtoZ」柚木麻子


伊藤くん  A to E伊藤くん A to E感想
 伊藤くんみたいな人いる…
読了日:07月14日 著者:柚木 麻子

 

妊娠、出産、子育てまで赤裸々エッセイ「きみは赤ちゃん」川上未映子


きみは赤ちゃんきみは赤ちゃん感想
共感することばかり。泣いて、笑った。
読了日:07月13日 著者:川上 未映子

 

納得の直木賞作品「サラバ!下」西加奈子


サラバ! 下サラバ! 下感想
今まで読んだ西加奈子小説で1番面白い!
読了日:07月13日 著者:西 加奈子

 

アメリカ最新教育論!「成功する子 失敗する子 何が「その後の人生」を決めるのか」ポール・タフ


成功する子 失敗する子――何が「その後の人生」を決めるのか成功する子 失敗する子――何が「その後の人生」を決めるのか感想
どんな子が成功するのかはわかったけど、親が何をしてあげればいいのか具体的な方法はわからなかった。
読了日:07月06日 著者:ポール タフ","Paul Tough

初めての家出の理由「ロードムービー辻村深月


ロードムービーロードムービー感想
リンク作だけど、知らなくても(寧ろ知らない方が)面白い!
読了日:07月05日 著者:辻村 深月

読書メーター

 

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ミステリー×ジャーナリズム!謎解きしながら報道について考える短編集「真実の10メートル手前」米澤穂信

2014年ベスト1ミステリ「満願」、2015年ベスト1ミステリ「王とサーカス」に続き俊英・米澤穂信が放つ、粒揃いの最新作品集 

真実の10メートル手前

真実の10メートル手前

 

内容紹介

高校生の心中事件。二人が死んだ場所の名をとって、それは恋累心中と呼ばれた。週刊深層編集部の都留は、フリージャーナリストの太刀洗と合流して取材を開始するが、徐々に事件の有り様に違和感を覚え始める…。太刀洗はなにを考えているのか?滑稽な悲劇、あるいはグロテスクな妄執―己の身に痛みを引き受けながら、それらを直視するジャーナリスト、太刀洗万智の活動記録。日本推理作家協会賞受賞後第一作「名を刻む死」、本書のために書き下ろされた「綱渡りの成功例」など。優れた技倆を示す粒揃いの六編。

目次

真実の10メートル手前

正義漢

恋累心中

名を刻む死

ナイフを失われた思い出の中に

綱渡りの成功例

感想

記者目線で事件を捜査するので、本筋の犯人捜し、推理にはモヤッとしたものが残ります。 「王とサーカス」では内心を明かさない謎に満ちた主人公の大刀洗万智でしたが、「真実の10メートル手前」では謎のヴェールを脱ぎ捨て、より魅力が伝わる短編集になっていました。

オススメ度 ★★

犯人捜しではなく、事件のちょっとした疑問を推理したい人におすすめ

印象に残った文章

  わたしたちは、人々が見たいと思っているものを見せるために存在します。そのために事実を調整し、注意深く加工するのです。それは実際の目が行っていることと同じです。

関連作品

王とサーカス

王とサーカス

 

 

girl-book.hatenablog.com

 

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又吉直樹・石田ゆり子・林真理子オススメの本!プラトニックな大人の恋愛「マチネの終わりに」平野啓一郎

結婚した相手は、人生最愛の人ですか?

内容紹介

天才ギタリストの蒔野(38)と通信社記者の洋子(40)。
深く愛し合いながら一緒になることが許されない二人が、再び巡り逢う日はやってくるのか――。

出会った瞬間から強く惹かれ合った蒔野と洋子。しかし、洋子には婚約者がいた。
スランプに陥りもがく蒔野。人知れず体の不調に苦しむ洋子。
やがて、蒔野と洋子の間にすれ違いが生じ、ついに二人の関係は途絶えてしまうが……。
芥川賞作家が贈る、至高の恋愛小説。

感想

序盤は知性も教養もあり、感受性豊かな二人が自然と惹かれ合うので、今後の展開に期待が高まりました。それだけに中盤以降のすれ違いが重なり、関係が崩れてしまう展開は陳腐に思え残念でした。
世界的に有名な天才ギタリストと有名映画監督の父を持つ美人ハーフの主人公二人は、人としても出来ていて、道理を外れることのない道を選択し、歩んでいきます。人間味溢れる二人をを取り巻く人たちにより、一層二人が魅力的に見えるのかもしれません。

オススメ度 ★★

恋愛、生き方に悩む大人におすすめ

印象的な文章

「人は、変えられるものは未来だけだと思い込んでいる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去は、それくらい繊細で、感じやすいものじゃないですか?」


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2016年アメトーーク読書芸人・又吉直樹オススメの「私の消滅」中村文則

「掏摸」「教団X」を超える衝撃。

中村文則が放つ、新たな最高傑作!

私の消滅

私の消滅

 

 

 

 内容

 

「先生に、私の全てを知ってもらいたいのです。私の内面に入れますか?」

ある恋愛の根底に潜んでいた、想像を超える悪意。企みが、次々と姿を現していく。

これを読んでいる人間がいる・・・・・それはとてもありがたいことだ。でも、もう遅いかもしれないが、きみは・・・・・、きみは逃げたほうがいい。 

このページをめくれば、 あなたはこれまでの人生の全てを失うかもしれない。

一行目に不気味な文章が書かれた、ある人物の手記。

それを読む男を待ち受けるのは、狂気か救済か。

感想

読んでいる最中も、読み終わった後も心が重くなる小説でした。

期待感が高まる出だしで始まったので、読了した後(読んでいる最中も)ここまで心が重くなる小説だとは思っていませんでした。

前半は精神の崩壊した凶悪犯罪者の手記を読んでいる気持ちになりました。後半から恋愛目線で読み進めると主人公が特別狂気な性質ではないような気がしてきて、ほんの少し読むのが楽になります。

彼女は、本当に僕のことが好きなのだろうか?僕のあの催眠がきっかけで、こうなっているのでは?いや、そもそも、これは医師と患者の転移現象であるから、本当は彼女は僕のことが好きでないのでは?これは洗脳でないのだろうか。でもこれが恋愛でないなら、本当の恋愛とは何だろう?

恋をすると自分が本当に恋愛感情の好きなのか、相手が本当に自分のことを好きなのか・・・疑ってしまうことは誰にでも多少はあると思うのです。

ECTを使用するシーンでは映画「カッコーの巣の上で」を思い出し、気が滅入りそうでした。

カッコーの巣の上で [Blu-ray]

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著者紹介

中村文則(なかむら・ふみのり】

1977年、愛知県生まれ。福島大学卒業。

02年「銃」で新潮新人賞を受賞しデビュー。04年「遮光」で野間文芸新人賞、05年「土の中の子供」で芥川賞、10年「掏摸」で大江健三郎賞を受賞。他の著書に「悪意の手記」「最後の命」「何もかも憂鬱な夜に」「世界の果て」「悪と仮面のルール」「王国」「迷宮」「惑いの森~50ストーリーズ」「去年の冬、きみと別れ」「A」などがある。

「掏摸」の英訳版が米紙ウォール・ストリート・ジャーナルで2012年のベスト10小説に、「悪と仮面のルール」の英訳版が同紙の2013年ベストミステリーの10作品に選出される。また2014年、ノワール小説の分野に貢献した作家に贈られるアメリカの文学賞「デイビッド・グーディス賞」を日本人として初めて受賞した。

 

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2016年「このミステリーがすごい」第1位!最後の20ページでどんでん返しの小説「王とサーカス」米澤穂信

 「満願」「折れた竜骨」の米澤穂信、渾身の書き下ろし最新傑作!

王とサーカス

王とサーカス

 

彼女は異邦でふたたび、自らの人生をも左右するような大事件に直面する。

彼女は何を見、何を聞き、何を胸に刻んだのか。

 

 

内容

 

わたしはまだ、何も知ってはいないのだ。

ひとにものを訊く意味も。

ひとにものを伝える意味も。

王とサーカス

王とサーカス

 

2001年、新聞社を辞めたばかりの太刀洗万智は、知人の雑誌編集者から海外旅行特集の仕事を受け、事前取材のためネパールに向かった。現地で知り合った少年にガイドを頼み、穏やかな時間を過ごそうとしていた矢先、王宮で国王をはじめとする王族殺害事件が勃発する。太刀洗はジャーナリストとして早速取材を開始したが、そんな彼女を嘲笑うかのように、彼女の前にはひとつの死体が転がり……。「この男は、わたしのために殺されたのか? あるいは――」疑問と苦悩の果てに、太刀洗が辿り着いた痛切な真実とは?

 

感想

 

 

私は小説の序盤、カトマンズの宿で知り合ったロブと朝食を食べた時の会話からこの小説に魅了されていました。ロブはネパールに来てから冷たいものも熱いものも食べていないとマチに不満を言います。マチはネパールの人は指を使って料理を食べるので、熱い料理を出したら火傷をしてしまうというロブとは違う見解を提示します。ささやかな発見、会話が面白いと思ったのです。そして、この会話がどんでん返しのヒントでもあったのです。読み終わった後に「やられた!」と思いました。ヒントはいくつも散りばめられていたのに。ちなみに犯人捜しの推理は、ど素人の私でも憶測できます。だからこそ、気を取られてしまっていたのか。

あとがきのこの一文が小説の全体を表していると思います。

たった一つの知識が物の見方を根底から覆し、別に知識が更なる修正を加えていく。やがて蓄積された知識は、お互いに矛盾しない、妥当だけれど思いがけない物の見方へと収束していく。 

古典部シリーズもですが、米澤穂信作品はミステリー+αがあるので、推理小説が苦手な人でも十分に楽しめます。

読んでから知ったのですが、「さよなら妖精」の登場人物が「王とサーカス」に登場しているそうです。(内容は連続していない)ベルーフシリーズとして、「真実の10メートル手前」も出ているので、こちらも読んでみたいと思います。

 

目次

 

 

1  祈るにも早い

2  トーキョーロッジ二〇二号室

3  レンズキャップ

4  路上にて

5  王の死

6  長い葬列

7  弔砲の夜

8  噂の街

9  王とサーカス

10 傷文字

11 注意を要する上出来の写真

12 茶話

13 尋問と捜索

14 ハゲワシと少女

15 二人の警官

16 INFORMER

17 銃と血痕

18 勇気の源

19 ペンを構える

20 がらんどうの真実

21 敵の正体

22 偉大なる場所

23 祈るよりも

あとがき

 

著者紹介

 

 

米澤穂信(よねざわ・ほのぶ)】

1978年岐阜県生まれ。

2001年、「氷菓」で第5回角川学園小説大賞奨励賞(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞してデビュー。青春小説としての魅力と謎解きの面白さを兼ね備えた作風で注目され、「春期限定いちごタルト事件」などの作品で人気作家として地位を確立する。11年に「折れた竜骨」で第64回日本推理作家協会賞、14年には「満願」で第27回山本周五郎賞を受賞」。「満願」は三つの年末ミステリ・ランキングで1位となり、また直木賞本屋大賞の候補にもなるほど、2014年最大の話題作となった。他の著者に「さよなら妖精」「犬はどこだ」「インシテミル」「追想五段賞」「リカーシブル」などがある。

 

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