「どんなに時間がかかっても、ぜひ読んでください。読む価値があります」と言いたい。
芸人・作家、又吉直樹マジオシ!
凄まじい小説です。まさしく、魔力的な魅力と、途方もないほど大きな力を持った小説です。
内容
絶対的な闇、圧倒的な光。
「運命」に翻弄される4人の男女、 物語は、いま極限まで加速する。
米紙WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)年間ベスト10小説、 アメリカ・デイヴィッド・グーディス賞を日本人で初受賞、 いま世界で注目を集める作家の、待望の最新作!
謎のカルト教団と革命の予感。
4人の男女の「運命」が重なり合い、この国を根底から揺さぶり始める。
神とは何か。
運命とは何か。
著者最長にして圧倒的最高傑作。
感想
2015年6月放送の『アメトーーク 読書芸人第2弾』で紹介されてから気になっていた「教団X」をやっと読み終えました。 『アメトーーク』ではオードリー若林正恭が紹介し、ピース又吉直樹、オアシス光浦靖子の2人も絶賛していました。
上下巻に分けてもいいくらいの本の厚さ!タイトルに「教団」とあり、宗教知識がない私には難しそう…と読む前から、挫折しても仕方ないという気持ちで読み始めした。 読み始めてすぐ躊躇いは消え、夢中で読み進めていました。引き込まれるストーリーなので、宗教、哲学、科学、政治、社会問題と様々な要素の話も頭にすんなり入りました。特に松尾さんの話は面白かったです。
『アメトーーク』で紹介されたからと普段読書しない人が読んでも面白いとは思わないのではないのかな?と思います。一般大衆向けの内容ではないし、人間関係の把握が困難、性描写に嫌悪感を抱く人もいるかもしれません。『アメトーーク 読書芸人第3弾』で雨上がり決死隊の蛍原徹は挫折したと言っていました。 私自身「教団X」の面白さが全て理解出来たというわけではないです。単純に結末が気になって、気が付いたら読み終わっていたに近いです。
このちょっと理解出来ない部分があるというのがミソで、今すぐに理解しなくてもいいと私は思っています。読書経験を積んだ数年後に読み返すと読み解くことが出来てたりします。読書力と人生経験が積んだ証を楽しみにとっておくのも読書の面白いところだと私は思っています。
『アメトーーク 読書芸人第3弾』でもピース又吉直樹が中村文則「私の消滅」をオススメしています。こちらも読みたいです。
著者紹介
【中村文則(なかむら・ふみのり】
1977年、愛知県生まれ。福島大学卒業。
02年「銃」で新潮新人賞を受賞しデビュー。04年「遮光」で野間文芸新人賞、05年「土の中の子供」で芥川賞、10年「掏摸」で大江健三郎賞を受賞。他の著書に「悪意の手記」「最後の命」「何もかも憂鬱な夜に」「世界の果て」「悪と仮面のルール」「王国」「迷宮」「惑いの森~50ストーリーズ」「去年の冬、きみと別れ」「A」などがある。
「掏摸」の英訳版が米紙ウォール・ストリート・ジャーナルで2012年のベスト10小説に、「悪と仮面のルール」の英訳版が同紙の2013年ベストミステリーの10作品に選出される。また2014年、ノワール小説の分野に貢献した作家に贈られるアメリカの文学賞「デイビッド・グーディス賞」を日本人として初めて受賞した。